特別企画

大山竜氏、高木アキノリ氏、2人の造型作家とthreezeroによるオリジナル怪人フィギュアプロジェクト始動!【threezero 2023】

【threezero in Tokyo 2023】

会期:4月29日~4月30日

時間:10時~19時まで(最終入場18時30分)

会場:
アキバCOギャラリー
東京都千代田区外神田3-16-12 アキバCOビル 1F

 4月29日と30日にアキバCOギャラリーで開催される「threezero in Tokyo 2023」の目玉の1つが、造形作家大山竜氏と高木アキノリ氏とthreezeroのコラボレーションによるオリジナルフィギュアの展開だ。4月29日16時からは会場で両氏に加え、竹谷隆之氏も参加するトークショー、サイン会も開催される。

 大山竜氏が手がけるフィギュアは「EVIL Force」というシリーズの第一弾「武錬天(ぶれんてん)」、高木アキノリ氏は「蠍(仮)」。今回は両氏による原型が出展された。「蠍(仮)に関しては固定ポーズのフィギュアだったが、可動するかは未定とのこと。

 今回、フィギュアの造型を細かく見ることができ、「武錬天」はコンセプトの一端も聞くことができた。フィギュアの写真とともに紹介していきたい。

組み替えのプレイバリューも高い昆虫型怪人フィギュア「武錬天」

 大山竜氏が手がける「武錬天」はたくましいシルエットを持った怪人型のフィギュアだ。4本の腕と足から昆虫型の怪人である。背中には折りたたまれた羽があり、甲虫がモチーフのようだ。胴体部分をよく見ると人間のバランスを持った身体に、さらにマッシブな上半身を上からくっつけたような姿になっており、“異形”のイメージが強くなる。

 やはり印象的なのはドクロを思わせる頭部と、筋骨隆々のシルエットだろう。表面は筋肉のようにも、硬い質感を持った鎧のようにも見える。筋繊維のように細かな分割がされており、赤いラインでその分割線を強調している。下半身は甲羅状の物質に覆われ膨れ上がっており、さらにマッシブだ。

【武錬天】
4本有での昆虫モチーフの怪人
非常に凶悪そうな頭部造型
ゴツゴツとマッシブな表皮。この怪人がアサルトライフルを持っているのが面白い
副腕にはハンドガンとナイフ。赤いラインが印象的だ。生物的な要素を強調した造型である
左手はアリ型怪人の頭部をわしづかみに
脚部の造型は人間とはかけ離れている

 4本の腕にはアリのような触覚が生えた怪人の頭、そしてアサルトライフルにナイフ、ハンドガンが握られている。この怪人は素手ではなく、現代兵器で戦うようだ。4本の腕には鋭いトゲが生えており、こちらでも攻撃を行うのだろう。見るからに戦闘能力に特化しているのがわかるデザインである。

 この「武錬天」は“プレイバリュー”が大きなウリとのこと。背後に展示されている写真を見ると手にしているアリ怪人の頭がフィギュアについていたり、腕が2本になっていたりする。本フィギュアはパーツを組み換えることで大きく姿を変えることができるというのだ。体に生えているトゲも手に集約することでハサミのような武器にできる。ブロックのように各パーツを組み換えて様々な怪人を作ることができるとのこと。

 さらに頭部に短い足が生えたようなヤドカリのような小さなフィギュアは、会場で一定金額を購入したユーザーに特典フィギュアとして配布予定とのこと。この頭部も「武錬天」の交換用パーツとして機能する。組み換えることで大きく姿を変えることができる。

 大山氏は「武錬天」を皮切りに「EVIL Force」というシリーズを展開していく。という会場写真では今後のラインナップも表示されていた。後続のシリーズともパーツ交換は可能なのだろうか? どんな怪人が作れるか、興味深いシリーズとなりそうだ。

展示された写真ではパーツを組み換えた姿が。大きくイメージが変わる
その後のシリーズ展開も提示
足下のフィギュアは、会場限定販売商品を一定額購入すると配られる特典となるとのこと。なお特典は無彩色だという

スタイリッシュでフェティッシュな女怪人「蠍(仮)」

 高木アキノリ氏が展開するフィギュアは「蠍(仮)」この名前はあくまで仮称とのこと。その名の通り蠍をモチーフとした女怪人で、会場ではカラーリングの異なる2体が展示されていた。

 「蠍(仮)」の魅力は何といってもスタイリッシュなデザインだろう。すらりと伸びた脚、 スタイルの良いボディ、細い首とパーツは美女のそれであり、纏ったマントや細かい装飾の入った服と優美な雰囲気も感じさせるのに、全体の雰囲気は禍々しい。

 特に左手は優美なボディラインとは全く不釣り合いの巨大な蠍の詰めになっている。繋がっている腕も肥大化し、凄まじい力を持っているのを感じさせる。甲羅はギラリと甲殻類の硬質さを感じさせる。

 そして頭部だ。毛髪のない丸い頭を金属の装飾が顔面を含めすべて覆ってしまっている。頭頂部はそのまま伸び、金属の外装を纏いながら蠍の尻尾状のデザインとなっている。赤黒い末端の先には毒針が光る。この女怪人の最大の武器であることが一目でわかるデザインだ。

【蠍(仮)】
どこか優美な雰囲気のある高木アキノリ氏の「蠍(仮)」。今回は2種を出展
恐ろしい毒針を持った頭部。造型の細かさに注目
蠍のハサミがついた左腕。手の先だけでなく、腕そのものが甲殻類そのままだ
すらりと伸びた脚だが、膝の辺りは異形の造型となっている
布製のマント

 頭部に加え、肩を覆うパーツの造型の細かさも目を奪われる。非常に繊細な造型となっており、はさみや毒針という禍々しいパーツを持つ女怪人に優美な雰囲気を与えている。どこか高貴な雰囲気ももたらすパーツだ。

 服の装飾も細かく、優美で目を惹かれる。緩やかなラインを描くマントも上品だ。しかし鋭い爪の生えた右手や、膝部分のしわと筋肉の造型がはっきりとこの怪人が人でないことを物語っている。優美だが恐ろしい、だからこそ魅力的な雰囲気を持ったフィギュアとなっている。

こちらは落ち着いた色彩。雰囲気が変わる
ベルトのバックルの造型も凝っている
禍々しい造型の右腕
こちらはスカートとマントが樹脂製だ

 2種の全くアプローチの異なる“異形”のフィギュア。プレイバリューを持たせた「武錬天」も、スタイリッシュな「蠍(仮)」も要注目だ。近日公式ページに情報が掲載されるとのことで、こちらも楽しみにしたい。興味が惹かれた人は会場のトークショーに参加してみてはいかがだろうか?