特別企画

名場面のジオラマを高橋監督書き下ろしのテキストとともに! 「装甲騎兵ボトムズ40周年展」はここに注目!

【装甲騎兵ボトムズ40周年展】

会期:9月1日~9月24日

会場:西武渋谷店モヴィーダ館6階 特設会場

料金:1,800円 ※小学生以下無料

 バンダイナムコフィルムワークスは、アニメ「装甲騎兵ボトムズ」の40周年を記念したイベント「装甲騎兵ボトムズ40周年展~大河原邦男、塩山紀生のイラストをジオラマで体感せよ~」を東京・西武渋谷店 モヴィーダ館特設会場にて、9月1日から9月24日まで開催する。入場料は1,800円。

 「装甲騎兵ボトムズ40周年展~大河原邦男、塩山紀生のイラストをジオラマで体感せよ~(以下、装甲騎兵ボトムズ40周年展)」はその副題の通り、"ジオラマ・立体物"にフォーカスしたユニークなイベント。会場にはプロだけでなくアマチュアモデラー達の立体物がずらりと並べられ、ボトムズという作品はもちろん、様々な商品や、モデラーたちによる作品も楽しむことができる。

会場の入り口にはパイルバンカーのついた対ATライフル。外伝作品のOVA「機甲猟兵 メロウリンク」に登場する武器だ
入り口の壁には高橋良輔監督の「ボトムズ」の予告のテキスト。ファンにはおなじみのフレーズだ

 今回イベントに先駆けて行われた内覧会で、イベントを担当したバンダイナムコフィルムワークスIP事業本部の木内拓馬氏に展示に込めた想いを聞くことができた。展示内容と合わせて紹介したい。

会場で話を聞いたバンダイナムコフィルムワークスIP事業本部の木内拓馬氏

プロとアマの立体物作品で「ボトムズ」の歴史を振り返る! ガレージキットも販売

 「装甲騎兵ボトムズ40周年展」はあえて"立体物"を中心に置くイベントとなる。会場の入り口から続く本イベントのメインとなるコーナーは作品の名場面を描いた大河原邦男氏、、塩山紀生氏のイラストから作り上げたジオラマ。これらのジオラマはホビージャパンのプロモデラーを中心に作成されている。

ジオラマ。イラスト、高橋監督のテキストで作品を振り返る
キリコが小惑星リドで見つけたもの……。すべてはここから始まった。青の下地に白い文字は高橋監督書き下ろしのテキスト。次のバトリングにつながる
AT同士が戦う、ウドでのバトリング
ジオラマの元イメージであるイラスト。ここから作品のシーンなども含めジオラマが作られている

 「装甲騎兵ボトムズ」は、100年以上続いた戦争の末期、主人公・キリコが味方が味方を襲うという謎めいた作戦に参加するところから物語は始まる。この作戦で"何か"を見たキリコは軍から追われる存在となり、悪徳の街ウド、内乱で沸き立つクメン王国と舞台を変えながら謎と立ち向かい、やがて自分の中に眠る大きな秘密に直面していく。

 会場では小惑星リドでキリコが目撃した衝撃のシーン、AT(アーマードトルーパー)が賭け試合を行う「バトリング」、クメン王国での密林での戦い、キリコとライバル・イプシロンの戦いなど印象的なシーンを、ジオラマで描いている。ジオラマのイメージベースとなるのは大河原氏、塩山氏が描いた当時のイラストだ。

 さらにファン必見なのが、各シーンに合わせ、「装甲騎兵ボトムズ」の高橋良輔監督が今回の為に書き下ろした次回予告風紹介原稿を読むことができるのだ。高橋監督は「ボトムズ」の独特なリズムを持った予告を手がけ、作品ならではのカラーを確立させた。今でも予告編のみを切り出した動画や、テキストが話題に上がる。会場ではその"新作"を楽しむことができるのだ。

密林の戦い、クメン王国でのイラスト
ジャングルを表現したジオラマ
ジオラマを彩るテキスト
名場面がよみがえる
続編やOVAもカバーしている

 木内氏は「装甲騎兵ボトムズ40周年展」を企画する際、バンダイナムコフィルムワークス(サンライズ)だからこそ、木内氏だからこそ、「ボトムズ」だからこそできるイベントの方向性を考え、自身も慣れ親しんだプラモデル(立体物)でのイベントを考えた。「ボトムズ」なら設定資料や当時の資料を並べるイベントとは、ひと味違うイベントができるのではないかと思ったという。

 ホビージャパンやモデルグラフィックスといった模型誌と所属しているプロモデラーだけでなく、自らプラモデル作品を作り、展示イベントを行うモデラーたちにも声をかけ、今回のイベントの骨子を固めていった。「ボトムズ」のプラモデルファンはアマチュアでもプロモデラー顔負けの熱い想いと高い技術を持った人も多く、プロアマ問わずその作品を展示できる場所を作りたかった。さらに高橋監督書き下ろしのテキストである。過去を振り返るだけでなく、新しい楽しさも盛り込みたかったとのことだ。会場には木内氏自身の作品も展示されている。

 会場には作品に関したジオラマだけでなく、模型誌で掲載されたモデラーの作品、さらにアマチュアモデラーの作品も展示されている。その中でも注目はウェーブの「1/24 ATM-09-ST スコープドッグ」の展示だろう。本商品は2023年末発売予定、価格未定。5月31日に発売されたムック「HJメカニクス 装甲騎兵ボトムズ 40th ANNIVERSARY SPECIAL」で紹介された。会場では発売に先駆け、多くの試作品を見ることができる。

ウェーブの「1/24 ATM-09-ST スコープドッグ」を発売に先駆けて大量に展示
模型誌に掲載された作例
プロ、アマの様々な作品を展示
木内氏の作品も

 プロ・アマチュアモデラーの多くの作品も見逃せない。作品世界を再現したものから、オリジナルのATや、ユニークなジオラマ、フルスクラッチモデルなどどの作品も力が入っている。作品の幅を超えたボトムズプラモデルの世界を見ることができる。

 「装甲騎兵ボトムズ40周年展」では物販も充実している。特にウェーブのプラモデルがしっかり販売されているのはうれしいところだ。これだけの作品を見たら自分で作りたくなってしまうだろう。

 木内氏のおすすめポイントは「ガレージキット」の販売。版権許可を受けたディーラーがガレージキットを販売している。通常、バンダイナムコフィルムワークスはワンフェスなどの当日限りのイベント以外は版権許可を出さないが、今回のイベントのために許可をもらえるように木内氏が交渉したとのこと。

 「装甲騎兵ボトムズ40周年展」はバンダイナムコフィルムワークスの記念イベントであるとともに、模型展示会の様相も強く持つ、木内氏が目指した独特のバランスのイベントとなっている。ジオラマはアニメと違い様々な角度で、どこを注目するかでも見え方が変わるユニークな体験ができる。ぜひ会場を訪れて欲しい。

物販コーナーも充実
各メーカー新作の試作品展示も
ワンフェスなど特別なイベントでしか販売されない一般ディーラーのガレージキットも販売されている