特別企画

「F.S.S.」のインジェクションキット「IMS 1/100 サイレン F」レポート

最新デザインで立体化、「ラルゴ騎」では本編版も再現可能

【IMS 1/100 サイレン F】

発売日・価格未定

 ボークスはプラモデル「IMS 1/100 サイレン F」と、「IMS 1/100 サイレン F ラルゴ騎」をボークスオンラインショップ、及びボークス各店舗にて近日予約を開始する。現時点での発売日、価格は未定。「サイレン F ラルゴ騎」はボークス会員のみの販売で、成型色が異なるほか、様々なオプションパーツが付属する。今回、「ボークス F.S.S.シリーズ展 2024夏」で担当者から話を聞いてきたので、写真と共にこだわりポイントを紹介しよう。

 IMS(Injection Assembly Mortar Headd Series)は、永野護氏の原作『ファイブスター物語(F.S.S.)』に登場する"MH(モーターヘッド)"をインジェクションプラキット(プラモデル)化するシリーズだ。「サイレン F」に関してはレジンによるガレージキット「HSGK(HIGH-SPEC GARAGE KIT) サイレンF」をベースに、インジェクションキットとしての再設計が行われているという。レジンガレージキットはポーズ固定だが、IMSとなることで、可動を考えたパーツ設計がなされる。

 モチーフ元である「サイレン」は、作中の中の大国の1つフィルモア帝国の主力MHであり、「サイレン F」はエリート騎士団「ノイエシルチス」が駆る特別仕様の騎体だ。サイレンは拡張性が高く、様々な装甲や装備を変えることで大きく異なる任務に対応できる。今回モデル化したのはノイエシルチス赤騎士団の団長騎である赤い「サイレンF」と、ノイエシルチスの"三銃士"の筆頭であるラルゴ・ケンタウリの「サイレン F ラルゴ騎」である。

【IMS 1/100 サイレン F】
大きく広がった威圧的なシルエットの装甲を纏ったサイレンF。防御力に秀でる印象がある
ファンタジックな雰囲気を持つMHならではのデザインは、「F.S.S. DESIGNS 3」で設定された最新データを立体化している
インジェクションキットとして、作る楽しさもたっぷり味わえそうだ

 MHは骨格のようなフレームに装甲を纏うロボットだ。サイレン Fは大きな装甲を纏った強力なMHであり、そのシルエットは"甲冑をまとった騎士"の趣が強い。「IMS 1/100 サイレン F」の各部のデザインは永野護氏による「F.S.S.」デザイン&解説集「F.S.S. DESIGNS 3」に掲載された最新のサイレン Fを立体化している。そして「ラルゴ騎」においては、本編で描かれたデザインなども盛り込まれている。

 ラルゴ騎のカラーリングに関しては「F.S.S. DESIGNS 3」において孔雀色の装甲を持ち、その表面は玉虫色に光るメタリック装甲と設定され、今回の試作サンプルもその設定の色で塗装されている。装甲の成型色もこの色に近づいた調整が行われる。特徴的なのは「IMS 1/100 サイレン F ラルゴ騎」のオプションパーツ。これらのパーツを使用することで本編版のラルゴ騎を再現できるとのことだ。

 やはりMHには独特のかっこよさがある。幾重にも重なり強固な防御力を感じさせる装甲。腹部をはじめ、いかにも動きそうな関節やフレームデザイン。非常に複雑で緻密な情報量のあるMHは、"架空の戦闘ロボット"といえる独特のジャンルの中でも際立つ存在だ。

【IMS 1/100 サイレン F ラルゴ騎】
玉虫色として設定されたラルゴ騎。成型色がどのようになるかも楽しみ
ボークスVS/VIP会員のみの販売。予約前に会員登録を済ませておこう
色が変わることで印象も異なる
原作ファンにとってはラルゴ機は特に特別な機体と言える
サイレンには様々なバリエーションがある。今後の展開にも期待したい
ラルゴ騎には多彩なオプションパーツがあり、選択式で原作版デザインを再現可能。膝立ちポーズでの組みたてもできる

 永野氏のデザインを緻密さとしっかりした構造で楽しめるIMSは特別なプラモデルと言える。サンプルのように細かく色分けしなくても、ユーザーの模型スキルの合わせ、部分塗装やスミ入れだけでもグッと質感を向上させることができるのも、IMSシリーズの大きなセールスポイントと言えるだろう。

 ボークスの商品はIMSに限らず販売商品のフィードバックを受け、機構の設計や、装甲形状、フレームの表現などで細かくアップデートされる。かなり大きな装甲を纏うサイレン Fであるが、可動機構を持ち、そしてポージングの工夫も楽しいIMSにおいて、どのような仕様になるのか注目したいところだ。特にラルゴ騎においては劇中で印象的な"膝立ち"を可能にするパーツも用意されるとのこと。今後の情報にも大いに期待したい。