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平面のゲート、バリ処理はウェーブ「HGキサゲナイフ【三角刃】」とタミヤ「モデラーズナイフPRO」で決まり【春特集】
2025年3月29日 00:00
- 【HGキサゲナイフ【三角刃】】
- 価格:1,738円
- 【モデラーズナイフPRO】
- 価格:1,980円
プラモデルには金型の合わせ目であるパーティングラインやパーツの切断後にできるゲート跡が発生するが、塗装を前提とするならば処理にヤスリは必要ないだろう。特にサーフェイサーを吹く場合なら、きれいに面を整えるより素早く表面処理を終わらせて塗装を楽しみ、最終的な完成品を見て達成感に浸る方がいい。
筆者が専らパーティングラインやゲートの処理に使用するのはウェーブ「HGキサゲナイフ【三角刃】」とタミヤ「モデラーズナイフPRO」だ。今回はこれを「使用し忘れた場合」、「使用した場合」を見て、その簡単さと重要性を紹介する。
ゲート処理を忘れると発生する「なんかちょっとダサい」を実証
実際にゲート処理を忘れ、そのまま塗装まで終わらせてしまったプラモデルがある。筆者は造形の細かい「ウォーハンマー」シリーズを扱っているが、パーツの切り離し後にデザインナイフでゲートを整えることを怠ると、完成品のカッコよさが半減する。
目立たない箇所のゲート処理が甘かったならまだしも、表面にあって、しかも塗装時に邪魔になる場所にゲートやパーティングラインがあると気になる。エッジはエッジらしく、平面は平面らしく、メリハリをつけて整えておきたい。
こすり、削って整えていく
上記のような成型時にできるものを、きれいに整えるのがデザインナイフとキサゲナイフの仕事、いわばプラモデルのムダ毛処理だ。ムダ毛処理と同じように、剃刀に力をかけすぎれば肉を削ぐ(造形を損なう)し、見える面の処理を怠るといまひとつの仕上がりになる。
では実際にゲートを処理してみよう。今回は「モデラーズナイフPRO」でゲートを切り落とした後、「HGキサゲナイフ【三角刃】」で細かな切り残しやパーティングラインをまとめて処理する。またパーツの切り離し時にゲートを大きめに切り残しておき、ニッパーで2度切りすることもおすすめだ。
筆者は平らにしたい面と平行にナイフを当てて押し切り、キサゲナイフをパーティングラインにおおむね垂直になるように当てて削っている。パーティングラインが複雑に走っているプラモデルの場合は、その都度垂直になるように角度を変えて削っている。キサゲナイフは長い段差を一気に削るのには向いていないが、断面積で考えたときに小さい段差を長く削るのには向いている。
また、「HGキサゲナイフ【三角刃】」は刃が三角柱かつ先細っているため、狭い隙間にも入り込みやすいのがいい。大きな面のパーティングラインは中ほどの広い部分の刃を使って削るが、細かい部分は先端の細くなった部分で削る。通常のキサゲナイフでは入り込みにくい部分まで削れるのは大きな魅力だと思う。
「モデラーズナイフPRO」は専用の換え刃が充実しており、タガネのような平刀、分厚い曲線刃、標準な直線刃のそれぞれが単品で販売されていて、さらにエッチングパーツで販売されている「精密ノコギリIII」なども組み合わせて使用できる! 「精密ノコギリ」シリーズは細かいパーツの切断に一役買うため、1組持っておいて損はない。汎用性が非常に高いのが「モデラーズナイフPRO」の魅力だ。
プラモデルを成形色で仕上げる場合は、ナイフでゲートを切るとき、キサゲナイフで強く削りすぎたときの白化に注意する。全塗装する際にサーフェイサーを吹くのなら、多少白化したとしても問題ない。突き出した段差さえ消えれば多少のへこみ程度なら遠目で見れば気にならなくなる。
人間の総作業時間は限られているのだから、それをやりくりして可能な限り面倒な作業を圧縮しよう。3,000番まで丁寧にヤスリをかける作業は本当に必要なのか? 塗装が前提ならば、ガッと削ってサーフェイサーを吹き、細かい凹凸が気にならない状態で塗るのがよいのではないか? と思った結果がこれだ。
重ねて言うことになるが、成形色そのままできれいな面出しをしたいならヤスリを使う。筆者は塗装をするのが楽しいから、それ以外の作業を単純化するためにナイフとキサゲナイフのみで表面処理を済ませる。自分がやりたいことに合わせて、柔軟に作業内容を変えよう。
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