特別企画

マーダーミステリー「デビルマン アーマゲドン序章」先行プレイレポート

滅亡間近な人類コミュニティの中に悪魔が潜む……!? マダミス×デビルマンの驚くべき融合

【デビルマン アーマゲドン序章】
4月25日頃 順次発送予定
価格:5,500円(税込)
プレイ人数:6人(GMレス)
プレイ時間:153分
対象年齢:15歳以上
「デビルマン アーマゲドン序章」

 アナログゲームレーベル「ADICE(エーダイス)」が手がける、マーダーミステリー最新作「デビルマン アーマゲドン序章」。本作は永井豪氏の名作「デビルマン」の世界を舞台にしたマーダーミステリー(※プレーヤーが物語の登場人物の一人となり、発生した殺人事件の犯人を見つけたり、個々の目的の達成を目指す体験型ミステリーゲーム)で、プレーヤーたちは悪魔の総攻撃によって滅亡間近な人類が身を寄せ合うコミュニティー「Vain(ヴェイン)」で起きた悲劇の真相解明を目指す。

 「デビルマン」と「マーダーミステリー」という意外な組み合わせによって、どのような化学反応が起きるのか。今回は発売に先駆けて行なわれた先行プレイ会の感想をお届けする。もちろん、ネタバレはないので安心して読んでほしい。

プレーヤーは全6人

世界的人気作「デビルマン」がマーダーミステリー界に降臨

 「デビルマン」は、永井豪氏原作の漫画を始め、TVアニメ、OVA、映画、ゲームなど様々なメディアで展開されている不朽の名作。2018年にはNetflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」が配信されるなど、世代や国境を超えて愛され続けている。

 アナログゲームレーベル「ADICE」が手掛けるマーダーミステリー第4弾となる「デビルマン アーマゲドン序章」は、そんな伝説的なIPを使用した作品。本作のシナリオ・ゲームデザインを手がけた前原賢一氏によると、世界的規模のIP「デビルマン」とマーダーミステリーとの融合に大きな可能性を感じたという。そして、永井氏(ダイナミック企画)へ企画を提案したことで、今回の作品が生まれたというわけだ。

フェーズが進むごとにカードを獲得し、真相に近づいていく

 なお、同レーベルはこれまでも、ドラマ「神様のサイコロ」、SNS連動型キャラクターソングプロジェクト「Clock over ORQUESTA」といったIPを利用した作品を展開してきた。「デビルマン」というこれまでと毛色の違うIPが、どのような形でマーダーミステリーとなるのか。ワクワクする気持ちを抑えながら、さっそく先行プレイ会に参加してみた。

キーワードは「信頼」。感想戦が止まらない悪魔的魅力の完成度

 本作の舞台は、デビルマンとデーモンによる最終戦争「アーマゲドン」へと至る、原作で描かれなかった空白の20年間。悪魔の総攻撃から17年、わずかに生き残った人間たちが身を寄せ合って暮らす人類最後のコミュニティ「Vain(ヴェイン)」で、「悲劇」が起こる。原作と地続きの世界線で、人間、デーモン、デビルマン、それぞれの思惑が渦巻くなか、男女6人は真実を求めて調査を開始する――というのが、基本的な物語だ。

 「(自分は)デビルマンを見たことがない……」と思った方、安心してほしい。本作は「デビルマン」を題材にした作品ではあるものの、原作の知識によってプレイに有利・不利は生じない。キャラクターはもちろん、物語もオリジナル要素が多く、初めて「デビルマン」に触れる方でも安心して楽しめる。また、GM(ゲームマスター)レスでのプレイも可能という点も、とっつきやすく魅力的だ。

 では、さっそく本作に登場する6人のキャラクターを見ていこう。それぞれが滅亡間近な人類が身を寄せ合うコミュニティー「Vain(ヴェイン)」のメンバーであり、兄妹である少年・少女、元警察官、救急科専門医、猟師、新参者など、様々な立場や役職となっている。もちろん全員が本作オリジナルキャラクターだ。

 ちなみに筆者は主人公感溢れる少年・石川蓮を選択。キャラクターブックに書かれた「僕は悪い悪魔を許さない。」という、なんとも重要そうな言葉に惹かれた。

 物語やプレイ内容に関してはネタバレになるため書けないが、プレイ後の感想として「これはまさしく『デビルマン』のマーダーミステリーだ」ということを伝えたい。

 正直なところ、プレイ前はファンタジー要素の強い「デビルマン」が、殺人事件の犯人や真相を追うというマーダーミステリーのシステムと本当に合うのだろうかと思っていた。しかし、それは完全な杞憂に終わる。誰が味方で誰が敵なのか疑心暗鬼になりながらも、徐々に真相に近づいていく様は、まさにマーダーミステリーそのものだ。

 そして絶妙に「デビルマン」のエッセンスが盛り込まれ、本作しか味わえない"作品"に仕上がっている。特に、お互いを疑う場面が多いなか、"信頼する"ことが大切な仕掛けや演出が非常に楽しかった。これも「デビルマン」だからこその要素となっており……っといけない。本当に面白かったのでつい語りたくなってしまった。冗談抜きで、それほど没頭できる完成度となっている。

 これまで様々なマーダーミステリーをプレイしてきたが、本作プレイ後の満足感はかなりものだ。感想戦も非常に盛り上がり、「あのときああしていれば、どのような結末を迎えたのだろうか」というトークが止まらなかった。

 「デビルマンを知らないから」あるいは「IPものは苦手」と敬遠してしまうのは本当にもったいない。忖度抜きで、ぜひ体験してほしい一作だ。

「メガゾーン23」の新作マダミスがまもなく登場! ブラウザでマダミスが遊べる新サービスも展開予定

 会場では「デビルマン アーマゲドン序章」の試遊のほか、今後発売予定の新商品の発表も行なわれた。

 「ADICE(エーダイス)」マーダーミステリー第5弾は、なんと1985年に制作された伝説のOVA「メガゾーン23」を題材にした作品。完全新作ストーリーのマーダーミステリー「メガゾーン23 バハムートの幻影」として登場する。

 プレーヤーは、この作品を通してアニメのパート1とパート2をつなぐ「正史」を体験することになる。こちらはバラエティーストア「viviON BLUE」にて、2025年7月に予約販売を開始予定。

 さらにviviONでは、マーダーミステリーをプレイできる(オンラインセッションを行なえる)、WEBブラウザベースのサービス「ミステリーラボ」を開発中であることが判明。

 ユーザーはサービス内コイン(有償)を消費してマーダーミステリーをプレイ。親しい友人と集まって遊ぶだけでなく、同じ作品を遊びたいユーザーをその場で募ってプレイできるマッチング機能も搭載している。

※開発中の画面です。実際の仕様とは異なる場合があります

 ユニークなのが、その収益スタイル。個人・法人を問わず、自作のマーダーミステリーを「ミステリーラボ」で公開可能で、作品のプレイ回数や利用状況に応じて、収益を得られるようになっている。

 例えば自作のシナリオをプレイしてもらう、GMを担当して周りに評価してもらうなど、その収益方法は様々。プレイするインフルエンサーだけが得をするのではなく、ゲーム制作者にもちゃんと還元されるスキームも構築されているのが非常に好印象だった。

 「ミステリーラボ」は、2025年7月にクローズドβテストを実施予定。今後の展開が非常に楽しみだ。