特別企画

「ガイアノーツ20周年記念カラーセット」でタミヤの「1/24 NISSAN GT-R」を全塗装

Ex-クリアーを使用してボディに光沢を持たせる

 本作例では仕上げ色塗装後のトップコートに「Ex-クリアー」を使用します。コーティングは最初に2層行なった後、中研ぎを行ない、さらに2層コーティングしていきます。

2層「Ex-クリアー」を塗布したボディパーツ。一見十分な光沢が得られたように見えます。
ボディ側面のアップ。ライトの光を当ててみると表面が荒れていることがわかります。

 中研ぎは1500番のヤスリを使用して表面の凹凸が全てなくなるまで研磨を行なっていきます。クリアー層は2層しか重ねていないため研磨時は塗装を剥がしてしまわないよう、注意しながら行ないます。

中研ぎを行なったボディパーツ。全体がつや消し状態に仕上がりました。

 中研ぎ後のクリアーは最初の2層と比較して希釈率を高くしたクリアーを塗布することで塗布後の表面がより平滑に仕上がり後の研ぎ出し作業を効率的に行なうことが可能です。

クリアーの塗装が完了したボディパーツ。このままでも十分に輝きますが研ぎ出しでさらに輝かせていきます。

コンパウンドを使用してボディを研ぎ出し

 ここからは研ぎ出しによって車体をさらに輝かせていきます。カーモデルの研ぎ出しは各モデラーによって様々な手順で行なわれていますが、筆者は1500番→2000番→4000番→6000番→8000番→10000番→コンパウンド粗目→コンパウンド細目→コンパウンド極目の順で研ぎ出しを行なっています。各番手の研ぎ出しはクリアー層を全て削ってしまわないように注意しつつ作業を進めていきます。

1500番の研磨が完了したボディパーツ。この番手でボディ表面に残っているミスト粒やほこりを除去します。
2000番の研磨が完了したボディパーツ。ここからは番手が上がるたびに前の番手のヤスリ傷が残らないよう注意して研ぎ出しを行ないます。
4000番の研磨が完了したボディパーツ。パーツのエッジ部分はクリアーの膜厚も薄く全て削ってしまうリスクも高いため特に注意が必要です。
6000番の研磨が完了したボディパーツ。つや消しではあるものの、かなり滑らかな表面になってきました。
8000番の研磨が完了したボディパーツ。ここから徐々に光沢が出てきます。
10000番の研磨が完了したボディパーツ。これでも十分に光沢仕上げといえる状態ですが、ここからさらに磨きをかけていきます。
コンパウンド粗目による研磨が完了したボディパーツ。コンパウンドを使用と粗目でも一気に輝度が増します。
コンパウンド細目による研磨が完了したボディパーツ。ここからはコンパウンドで磨くよりも塗り広げる感覚に近くなります。
コンパウンド極目による研磨が完了したボディパーツ。ここまで磨き上げることで最上の鏡面仕上げを手に入れることができました。

 これにてボディパーツの研ぎ出しは全て完了です。ここからはエンジンルーム内部や窓枠の塗装を行ないます。今回の作例では窓枠の一部をエアブラシで、その他は筆塗で塗分けを行なっています。

各部塗分けの完了したボディパーツ。より印象が引き締まりました。

 これにてボディパーツの制作は全て完了です。

シャシーおよび内装は説明書に倣いシンプルに仕上げる

 ここからは、シャシーおよび内装の制作過程を紹介していきますが、シャシーおよび内装は説明書に倣い制作して行くため、純正エッチングパーツによる改造や各部塗分けなどダイジェストで紹介していきます。

 まずシャシーは今回も台座に固定するため、開口を行ない、M2ナットを接着しました。ナットはキット完成後、内装で隠れる位置に接着しています。

ナットの接着を行なったシャシー。完成後に台座へ固定できます。

 シャシーの塗装は一部ボディ色ですが、今回の作例では台座に固定しほぼ見えないためセミグロスブラック単色で塗装し、配管等一部のみシルバーで色分けしました。

塗装の完了したシャシー。一部シルバーで色分けしています。

 内装の配色もセミグロスブラックを基調とし、一部シルバーによる塗分けやデカール、エッチングパーツによる情報量追加を行なっています。また、シートは座面部分をつや消しブラックで塗装することで質感の違いを再現しています。

完成した内装ダッシュボード部分。部分塗装、デカール、エッチングパーツでディテールアップしています。
塗装を行なったシート。座面部分をつや消しブラックで塗装することで質感の違いを再現しています。

 足回りの塗装はブレーキキャリパーにパールブラウンを使用し、ディスクローターにはエッチングパーツを使用しプラパーツでは再現されていないモールドを追加しています。

 また、本キットのホイールはメッキパーツですが、このままでは明るすぎるため上からクリアブラックを1層塗装し、色味を落ち着かせています。

塗装を行なったブレーキ回り。ブレーキキャリパーにパールブラウンを使用し、ディスクローターにはエッチングパーツを使用しています。
ホイールにはクリアブラックを1層塗装し、色味を落ち着かせています。

 後半はダイジェストとなりましたが、制作以上で完成です。次章からは各パーツを組み合わせた完成した「1/24 NISSAN GT-R」を見ていきましょう。

パールカラーをふんだんに使用し、カラフルに仕上がった「1/24 NISSAN GT-R」

 まずは完成したGT-Rを前後左右から見てみます。各パネルで異なったパールカラーを使用したことでゴージャスに仕上がりました。

正面から見たGT-R。フロントバンパーをパールイエローとすることでより前方に貼り出た印象を与えます。
右側面から見たGT-R。給油口カバーのパールイエローをアクセントカラーとしました。
左側面から見たGT-R。パールパープルとパールブルーは特にパール粒子の輝度が高くなりました。
背面から見たGT-R。リアバンパーはパールレッドにしたことでフロントと比較して引き締まった印象を与えます。

 本キットの天井部分はパールイエローで細かいパネルラインも色分けを行なっています。

天井部分のアップ。細かいモールドも異なるカラーで色分けしました。

 本キットのブレーキキャリパーは説明書指示ではメタルブラウンとされていたため、丁度良いと思いパールブラウンを使用しました。これにより、より高級感のあるパーツ表現ができたのではないかと思います。

タイヤ部分のアップ。ブレーキキャリパーにはパールブラウンを使用しています

 パールピンクとパールスカイブルーは他の配色と比較してパール粒子の輝度は高くないものの研ぎ出しを行なうことで通常色にはない輝きを放ちます。

パールピンクのアップ。他の配色と比較してパール粒子の輝度は高くないものの研ぎ出しを行なうことで通常色にはない輝きを放ちます。
パールスカイブルーのアップ。パールピンクと同様に研ぎ出しを行なうことで通常色にはない輝きを放ちます。

 エンジンルーム内部はパールオレンジを使用したことでエンジン本体等との明度の差が生まれ、エンジンの構造をより引き立てます。

エンジンルームのアップ。パールオレンジを使用したことでエンジン本体等との明度の差が生まれ、エンジンの構造をより引き立てます。

 今回制作したGT-Rは、「ガイアノーツ20周年記念カラーセット」を存分に楽しむことを目標に各パネルで異なる配色として塗装を行ないました。カーモデルを制作する際は実車写真や説明書を参考に配色を決定することが多いため、ここまでカラフルに塗装を行なうことは初めての挑戦となりました。こういったオリジナル配色もプラモデルならではの楽しみ方だと感じます。

 また、「ガイアノーツ20周年記念カラーセット」はこれまで発売されていなかった様々な基本色のパールカラーがセットとなっているので、これまでにない色彩の表現ができたと思います。セットには、パールブラウンなど筆者自身これまでに触れたことのなかったカラーがいくつかあったので、今後の模型表現の幅が広がったように感じます。本記事をきっかけに皆さんも新しい塗料にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

使用塗料

  • ボディ下地:ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ ホワイト
  • ボディ上塗り:ガイアノーツ20周年記念カラーセット
  • ボディ上塗り:ガイアノーツ ガンメタル
  • ボディ上塗り:ガイアノーツ Ex-ブラック
  • ボディクリアコート:ガイアノーツ Ex-クリアー
  • ボディ部分塗装:タミヤエナメル セミグロスブラック
  • エンジンルーム部分塗装:タミヤエナメル セミグロスブラック
  • エンジンルーム部分塗装:タミヤエナメル マットブラック
  • エンジンルーム部分塗装:タミヤエナメル マットホワイト
  • エンジンルーム部分塗装:ペベオ ギルティングワックス シルバー
  • その他下地:ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ
  • シルバー下地色:ガイアノーツ Ex-ブラック
  • シルバー上塗り:ガイアノーツ Ex-シルバー
  • シルバー上塗り:ペベオ ギルティングワックス シルバー
  • シルバー上塗り:ペベオ 4アーティストマーカー シルバー
  • セミグロスブラック上塗り:ガイアノーツ セミグロスブラック
  • ブレーキキャリパー上塗り:ガイアノーツ20周年記念カラーセット パールブラウン
  • ホイール:ガイアノーツ クリアブラック