特別企画
高精細3Dプリントミニチュア販売店「ホットゴブリン」のミニチュアをシタデルカラーで塗ってみた
2026年5月12日 00:00
- 【キツネ・ツインテイル・モンク】
- 価格:
- 774円(表面処理あり)
- 614円(表面処理なし)
みなさんは東京都浅草にあるミニチュアの販売店「ホットゴブリン」をご存じだろうか? 世界のミニチュア作家が造形した高精細なミニチュアを3Dプリントし、TRPGのコマやディスプレイモデルとして販売している。
筆者はボードゲーム用のミニチュアが好きだ。TRPGのマップを卓上に再現するのも楽しい。普段は「ウォーハンマー」のミニチュアを塗っているが、別ジャンルのミニチュアを塗るのも楽しそうだと思い、今回初めてホットゴブリンのミニチュアを購入したのだ。
光造形タイプの3Dプリント品のため、「表面処理なし」モデルではサポート材を外した直後の製品となっているがきれいにサポート材の跡も処理された「表面処理あり」モデルも手に入る。今回はDen Mother Miniaturesが造形した「キツネ・ツインテイル・モンク」の表面処理ありモデルを購入し、シタデルカラーで塗装してみた。
高さ約40mmの極小モデルに精細なディテール
ホットゴブリンでは出力ミニチュアのサイズ変更も可能だが、筆者が今後TRPGなどで使用する可能性も考えて100%サイズ(そのまま)で購入した。100%サイズでは高さは約40.6mmで、タミヤの接着剤のびんより小さい。ミニチュア塗装には慣れているが、少し小さかったかもしれない。
服のしわや腰のポーチ、尻尾の毛先まで細かくディテールが刻まれており、良質な3Dプリンタで出力されていることが分かる。安価なプリンタで発生しやすい段ズレもなく、鋭いエッジがしっかりと造形されているのはうれしい。
今回はこの製品を塗装するのだが、「サーフェイサー不要」、さらに「洗浄も不要」としている。それにならって普段使っているプライマーも使用せず塗装する。
プライマーを含むカラーから塗れば問題なくサフレス塗装が可能
「サーフェイサーを使用しない」から「サフレス塗装」だ。今回はゲームズワークショップが販売するシタデルカラーを使用するが、ベースカラー(赤いラベルの塗料)は多少のプライマー成分を含有するため、まずはベースカラーを塗り、そこから鮮やかなレイヤーカラーへ進めていけばよい。
シタデルカラーは近日「ウォーハンマーカラー」へ名称を変更するが、ミニチュアゲームの「ウォーハンマー」シリーズに使うから「ウォーハンマーカラー」としているだけで、別のミニチュアに使っても問題ないといえる。水で希釈でき、乾燥も早くエンドレスに塗り続けられる水性エマルジョン系の塗料として、優秀なことには変わりない。
ではミニチュアの肌を塗るために「レイスボーン」を塗る。日本的な美少女イラストの肌色に近く、2~3回薄塗りを重ねることできれいに色が乗るためだ。
「レイスボーン」が乾くまで別の部位を塗る。「ナガロス・ナイト」は濃い紫で、脚絆や手甲といった部分を塗ればアニメ的な忍者を思わせる色味に仕上がる。
2色を交互に2~3回塗って「レイスボーン」が乾いたら、水っぽいシェイドカラー「バーザーカー・ブラッドシェイド」を肌に塗る。これが乾いた上に明るめの肌色を塗ることで、血色を感じる鮮やかな色を表現できる。
また別の方法として、フィギュア塗装で用いられる「クリアオレンジとクリアピンクの混色」という方法もある。この場合筆者は「カサンドラ・イエロー」2、「ヴォルパス・ピンク」1、「ラーミアン・メディウム」3を加えて薄めた塗料を塗っている。これが肌のくぼんだ部分に入り込んで乾いたあと、「フレイドワン・フレッシュ」か「パリッドウィッチ・フレッシュ」を塗れば美少女イラストに近い色味を再現しやすい。
肉眼で見る分には、これで十分肌色は追い込んだ。小さめの筆を使用して黒目を描き込んでやれば、このミニチュアは4割ほど完成したといえる。ミニチュアに黒目が入ると視線が生まれ、説得力が上がる。今回は「グァァァグ!フレッシュ」で緑色の目を描いた。
まだ塗られていない部分を順に処理していこう。上衣は「コラックス・ホワイト」で清潔感のある色でまとめ、髪や革製品であろうポーチ類は「カタチアン・フレッシュ」でこの後に明るい色を乗せる準備をする。塗料全般として白は定着しにくい色だが、「コラックス・ホワイト」はオフホワイトぎみの白とすることで定着力を上げている。
上衣部分に再びシェイドカラーを使う。「ドラッケンホフ・ナイトシェイド」は青黒い塗料で、白や緑などに使うと深みを与えられる。乾くまでに帯に「コーン・レッド」を塗りつつ、「ドラッケンホフ・ナイトシェイド」が乾いたら塗料が染みすぎた部分に「コラックス・ホワイト」を塗り直して影色の調整をする。
髪の塗りはミニチュアの華。細かいレイヤリングできれいに彩る
「キツネ」といえばこんがりと揚がった油揚げのような金毛が特徴だ。このミニチュアが「キツネ」というならば、ぜひそれを再現したい。「XV-88」で明るいオーカーを尻尾や髪、足先に塗った上で、光が強く当たりそうな部分に「バロール・ブラウン」を塗って光を受けて輝く毛並みを表現する。「XV-88」は特に定着力が控えめなので、3度ほど塗り直す。
シタデルカラーでは、ワントーン暗いカラーのベースカラーの上に明るい(もしくは暗い)レイヤーカラーなどを乗せることを「レイヤリング」という。暗い色の上に塗るカラーは必ずしもレイヤーカラーではないが、色が変わって見えればレイヤリングだ。
耳の毛と尻尾の先、足の爪に加え、髪の光が強い部分は「レイスボーン」を塗る。これで明るい色の重ね塗りは終わりだが、髪や尻尾にはシェイドカラー「セラフィム・セピア」を全体に濃いめに塗っておけば、金毛のこんがり感が強く出る。
あとはもう細かい場所の調整のみだ。毛色の「レイスボーン」で塗った場所に「パリッドウィッチ・フレッシュ」、上衣のエッジが立っている場所に「ホワイトスカー」を塗る。「ホワイトスカー」は純白にほとんど近い色で、扱いが難しい一方でミニチュアに強い光を描ける。
帯の「コーン・レッド」は「イーヴィルサンズ・スカーレット」で鮮やかにエッジを立て、脚絆と手甲は「デモネット・ハイド」から「スラーネッシュ・グレイ」を塗って落ち着いた紫色にする。これでミニチュア本体には全体的に色が付き、きれいに見えるようになったと思う。
石畳の部分には「メカニカス・スタンダードグレイ」を塗って乾いた後にシェイドカラー「クロォク・グリーン」を塗って苔むした色味でまとめる。ベースのふちは「スティールレギオン・ドラブ」で塗れば、迷宮を歩く格闘家のキツネ娘が完成する。
かかった時間は8時間程度。写真にすると筆目が出て粗く見える部分もあるが、肉眼で見るとかなりまとまって見えるのだ。これを写真で見ても遜色ない仕上がりにするのが目標だが、今のところはこれが限界だろう。
高精細なミニチュアだけに、色の選定には少し悩んだ。だが総じて凹凸がきれいに造形されているのでシェイドカラーを置く場所が分かりやすく、エッジを明るくしていくのも楽だった。造形自体にメリハリが利いていて、陰影を付けるのが楽しいのはユーザーにとってうれしいポイントだろう。
3Dプリントミニチュアを塗ったのはこれが初めてだが、かなり面白い経験となった。シタデルカラーを使えば水と紙とパレット、筆だけあれば塗装を始められるため、本稿を機に塗装デビューなどはいかがだろう。
(C) 2026 ホットゴブリン. All rights reserved.






































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