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【年末特集】年末年始に作って楽しめる、美少女プラモの楽しみ方「ミキシング」を紹介!

 2022年も残すところあとわずか。2022年の美少女プラモデル(以降、美少女プラモ)業界では、コトブキヤをはじめ、バンダイや海外メーカーなど多くの企業が様々な商品が発表・発売されてきた。本稿では、年末年始の時間を有効活用してもらうべく、今からでも買えて楽しめる商品を紹介する。

 現在、美少女プラモは品薄状態が続いており、現状買える商品は限られている状態である。そのため、今回は素体となる美少女ではなく、他の商品を組み合わせて遊ぶ「ミキシング」に注目する。

 「ミキシング」とは、美少女プラモ界隈では1つの商品を別の商品と組み合わせることを指し、多くは既存の製品からパーツを移植して遊ぶやり方である。だが現状は、パーツを流用する本体の購入すら難しいため、今回は美少女プラモ以外の製品との組み合わせを活用する。

 なお今回ベースとする素体には、コトブキヤから「ドゥルガーI」を採用。本製品も現在入手困難な商品だが、2023年2月に再販される点と、とある部分を活用したいため本製品を使用する。

 また美少女プラモを触ったことが無い、これから触ってみたい人向けに、現在入手しやすい美少女プラモを一部紹介する。製品ボリュームに応じて価格も変動するため、好みに合わせて購入を検討してみてはいかがだろうか。

美少女×銃火器のコンセプトを重視した製品「リトルアーモリー」を活用する

 1点目の紹介商品は、トミーテックが展開する「リトルアーモリー」。本製品は、銃火器を1/12スケールにしたプラスチックモデルで、ARやショットガン、ロケットランチャーなど多種にわたって商品化されている。

 「リトルアーモリー」は、「第60回全日本模型ホビーショー」でも例として展示してあるほど、美少女プラモとの親和性が非常に高い。スマホゲーム「ドールズフロントライン」のように、美少女×銃火器というコンセプトは確実に根付いており、商品もそれに合わせてマッチするよう制作されている。

UMP45 製品本体
パッケージ
ランナー数は3つで、パーツ数もわずか
「第60回全日本模型ホビーショー」展示風景
UMP45
GrG36

「リトルアーモリー」の活用例  “勝利の女神:NIKKE”風なポージングを取らせてみた

 本製品を用いることで、現在話題となっているスマホゲーム“勝利の女神:NIKKE”風なポージングを取らせることも可能。ベースにしている素体も相まって、高い再現度で表現できた。

リロード・待機体勢から
射撃体勢に お尻の部分は強調するため、やすりを800番から10000番までかけて“つや”を出している
射撃体勢を横から見た場合 自立の関係上、これ以上は前に倒せない

銃を持たせられない手でもこれがあれば問題無し!「リトルアーモリー」専用のハンドパーツを活用

 本製品を用いる際に、ハンドパーツの関係で銃を持たせられない場合がある。その場合にも対応できるよう、同社より専用ハンドパーツを販売している。現在は「黒」と「茶」の販売のみで、グローブを装着した感じにしか出来ないが、今後の発売予定として「肌色」と「緑」が予約を受け付けている。これらを用いて、手持ちの美少女プラモに合わせて楽しんでみてほしい。

専用ハンドパーツ装着例 手が黒色になるが銃をしっかり保持している
パッケージ
ハンドパーツ4種とジョイント、創彩少女のまどか冬服用の袖パーツが封入
右手の支えに銃のハンドガードがすっぽり収まる
ハンドパーツの選択で、トリガーに指をかける状態も可能
ストックの関係上、この素体の場合は横向きに持った方がしっくりくる

並べるも良し、またがるも良し!美少女プラモと「1/12スケール バイク プラモデル」を組み合わせる

 2点目には、1/12スケールのバイクプラモデルを紹介する。1/12スケールのサイズ感は非常に美少女プラモとの親和性が高く、組み合わせを想定していない製品でもマッチする。今回はタミヤの「カワサキ ZZR1400」を使用するが、アオシマやハセガワなどの製品でも問題ないので、好みに合わせてチョイスして欲しい。

 制作には、「ニッパー」に加え、「接着剤」と「ピンセット」が必須となる。ガンプラや美少女プラモのように穴がついて、はめ込んだだけで固定できる訳ではなく、接着面を「接着剤」で取り付けることが必要。筆者は本スケールプラモを製作するのは初めてで、いかにガンプラや美少女プラモが考えられて設計しているのか改めて実感できた。

パッケージ
ランナー数は6と一部付属品、ガンプラのHGレベルだ
取扱説明書と各種シール 使用工具には「ニッパー」のほか「接着剤」や「ピンセット」も必要

 今回塗装などは一切せず、素組(ニッパーで切ったパーツに手をくわえず、そのまま組み立てること)で製作。作る際に細かなパーツが用意されているため、取り付けには苦労するが、素組で作ったとは思えないディテールをしており、満足感のある一品となった。

完成品 パッケージイラストに近づけるには塗装が必須だが、十分なカッコよさを持っている
カバーがあり内部は見えていないが、エンジン部分までしっかりと作りこまれている

 実際に完成したバイクと美少女プラモを組み合わせてみる。横に立たせた状態では、サイズ感は違和感のない状態で、実際にまたがらせてハンドルを握った状態でも問題はない。むしろ良い。バイクに付属するスタンドを立たせた状態で安定して展示できるほか、スタンドを外した場合でも傾きが大きくなければ、美少女プラモの足で自立させることができる。また別売りのアクションベースを活用すれば、レースのような急角度の傾きを付けたポージングを取らせることも可能。様々なシーンの再現や想像を立体化するのにも使えそうな商品なため、試しに購入してみてはいかがだろうか。

横並びの状態で、素体の足の長さ程度の高さである
バイクに横座りで足を組むポーズもとれる
スタンドを立てた状態 手や足の体制から、無理なく乗車していることが確認できる
スタンドを外した状態 一定角度であれば素体の自立でバイクも固定可能
アクションベースを使用すれば、急な角度の体制も再現可能。(ただしアクションベースに重りが必要)
撮り方次第でも色々とできそうだ

 2022年も多くの美少女プラモが発売されたが、入手できず悲しい思いをした人も多いだろう。

 本来であれば「ミキシング」の作例として、バンダイの「30MS」シリーズが、価格・種類において優れているため紹介したかったが、人気もあり2021年8月から発売しているがまだまだ安定して入手できるような状況ではない。また他社の製品でも、有名なシリーズや特徴のある造形をしているものは、予約開始日ですら予約できないのも当たり前となってきている。

2021年8月発売の「30MS リシェッタ」 1年たった現在でも入手困難だが、一部店舗では入荷タイミングが合えば店頭でも見かけたとの報告あり

 美少女プラモが入手しにくい背景には、世間にカテゴリとして認知されてきたのと同時に、転売の対象とされているのも事実である。メーカーには苦労を強いることにはなるが、安定した供給ができるよう頑張っていただき、昔のようにプラモデル売り場で様々な商品を悩みながら選べる状態を心待ちにしたい。

 今回は銃とバイクのプラモデルについて紹介したが、本稿で取り上げた商品以外にも美少女プラモと組み合わせて楽しめる商品が存在する。本体が入手できない今だからこそ、少し目線を外して他社製品との組み合わせを色々試し、独自の展示を作ってみるのはいかがだろうか?