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【年末特集】冬休みにおすすめ!2022年傑作ガンプラ6選
「閃光のハサウェイ」に「ククルス・ドアンの島」、今後も注目の「水星の魔女」
2022年12月22日 00:00
2022年もそろそろ終わりを迎えそうですね。コロナも意外としぶとくてニュースでもまだまだ取り上げられるような日常が続いています。スポーツの世界大会の観客を見ても世界的疫病に対する人類のかかわり方が変わりつつあるのかな? という感覚もありますね。
そんな中私が多く担当させていただいているガンダムシリーズのプラモデル=“ガンプラ”は今年も話題に事欠かなかったように思います。ここで2022年のガンプラを振り返ってみましょう。
1月には「PG 1/60 ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ」といった超大物、2月には「MG 1/100 ドム」、3月には「MG 1/100 リック・ドム」という往年のガンプラファンが舞い上がるリニューアルしたドムが登場。4月は福岡に実物大「RX-93ff νガンダム」立像が立ったことでそのRGやEGシリーズのガンプラが誕生。
6月の劇場版「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」の公開にともない7月に「ドアンのザク」がHG化! まさかの映画化とガンプラ化に大いに沸きました。8月は「RG 1/144 ゴッドガンダム」が登場、ガンプラ史上最高の可動性能を追求しました。
さらに新TVシリーズ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」放送に先駆けてその前日譚となる「PROLOGUE」から「HG 1/144 ガンダムルブリス」他が先行リリース!そして10月、本放送が開始された「水星の魔女」に併せて「HG 1/144 ガンダムエアリアル」他が登場しました!
そして先日レビューさせていただいた11月発売の「MGEX 1/100 ストライクフリーダムガンダム」は“ガンプラ史上最高峰の金属表現”を掲げ、「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」の設計思想をMGの1/100スケールに落とし込んだかのように凝縮された、まさに“エクストリーム=究極”なガンプラが登場しました。
2022年も素晴らしいガンプラがたくさん登場しましたね!筆者もレビューでいっぱい組ませていただけてとても光栄でした。各キットもこれまで培ってきた技術を惜しみなく投入し、平然と高い完成度を有したままでも組み立ては難しくもなく、むしろ簡単な方向へシフトしているように感じました。
さて、今年の年末特別企画では過去に組んでレビューさせていただいたものから5つのキットを紹介させていただきたいと思います。この年末年始にぜひ組んでみてほしい!そんなキットを集めてみましたので参考にしていただければ幸いです。
新旧対決!エアリアルとドアンのザク
HG 1/144 ガンダムエアリアル
- 価格:1,430円(税込)
2022年10月から放送開始の新しいTVシリーズ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」から「ガンダムエアリアル」です。前日譚の「PROLOGUE」から一転、学園物のテイストでスタートしたこの作品はガンダムらしからぬ展開とちりばめられた伏線とその回収を徐々に進め、各キャラクターやそのセリフ回しが放送後にSNSでトレンドに上がるなど毎話話題に事欠かない新時代のガンダムとして新規ファンを獲得し、往年のファンをも虜にしている作品です。
この原稿を執筆している段階ではまだまだ解明していないことも多いですし、第1シーズンも終了していないのでここは何も語らずキットの紹介に移りたいと思います。本キットは放送が始まる前日にリリースされたこともあり多くの方がキットを組みながら放送を楽しまれたのではないでしょうか。そしてその完成度に驚かれたことと思います。
このキットはHGシリーズを凌駕する可動性能を持ちながらEGベースの簡単な組み立てを実現しています。細かなパーツ分割で複雑なカラーリングを再現、シールドを構成するガンビットは分離して機体各部への装着が可能です。
そんなハイスペックのこのキットの価格は税込み1,430円!コストパフォーマンスもすこぶる高く、新しい時代を率いていくガンプラとなっています。放送期間中に何度も再販されるでしょうからこれを機会にぜひ組んでみてほしいキットです。
HG 1/144 ドアン専用ザク
- 価格:2,200円(税込)
“まさか”の映画化&キット化!1979年にTV放送された「機動戦士ガンダム」の第15話「ククルス・ドアンの島」を2022年の時代に合わせてリメイクした劇場用映画です。映画公開発表と同時にガンプラファンが期待したのはもちろん“ドアンのザク”のキットがでるのかどうなのか!?というところでしたけどもちろんその願いはかないました!
作画崩壊と言われ続けたTV版のザクをいかに説得力をもってガンプラ化するのか……カトキハジメ氏は映画になるということで設定からブラッシュアップ。脱走兵となったドアンが潜伏先の機材などを使うことで“自分でメンテナンスした”という設定を付け加え、さすがに個人のメンテナンスでは完全には及ばないだろう……と正常な形ではない“異形”のザクとして作画崩壊さえも公式化してしまいました。
ドアンのザクキットは「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」シリーズのHGザクをベースに特徴的な鼻が長くなってしまった頭部や各部装甲がダメージを負った状態を再現するためのパーツがとても細かいところまで新規設計で付属しています。オリジンシリーズのHGは可動性能も一段高いものとなっていて劇中の表現も問題なく再現できます。
ククルス・ドアンのシリーズは既にアムロのRX-78-02ガンダムがリリースされていて、先日スレッガーのジムもプレバンで受注開始されました。今後ガンキャノンが発売決定していますしサザンクロス隊のザクなども企画に上がっていますのでさらなるラインナップの充実が図られそうです。
魔女のお休み中はNTが!ハサウェイとヨナ
「HGUC 1/144 Ξガンダム」&「HGUC 1/144 ペーネロペー」
【HGUC 1/144 Ξガンダム】
- 価格:6,600円(税込)
【HGUC 1/144 ペーネロペー】
- 価格:7,480円(税込)
水星の魔女第一シーズン終了後の2023年1月~3月まで日5枠は劇場公開されたガンダム作品「機動戦士ガンダム サンダーボルト」「機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)」「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」がTVバージョンとなって放送される予定となっています。なかなかにハードな内容のガンダム作品がラインナップされています。水星の魔女でガンダムに初めて触れたファンの方々にもぜひ見ていただきたい作品群となっています。
ここでは「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」から「Ξガンダム」をご紹介!設定上全高は26mとなる宇宙世紀最大級の巨大なガンダムを1/144スケールで再現、そのサイズは180mmほどになります。MSフォームと飛行形態であるフライトフォームに一部組み換えでの変形を実現しシルエットが大きく変化します。
そしてそのライバル機体が「ペーネロペー」! クスィーガンダムと対をなすように巨大な機体は「オデュッセウスガンダム」をコアにドラゴンを思わせるFF(フィックスドフライト)ユニットをまとい、MSフォームとフライトフォームに変形します。こちらは全長32m級の機体を約250mmというさらに大きなサイズでキット化しています。
両機とも「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」以降の物語に登場する機体です。地球などの重力下でモビルスーツが単独で飛行できる能力がなかったのをオプションでミノフスキーフライト(ミノフスキー粒子物理学の応用による飛行ユニット)を搭載したのが「ペーネロペー」、オプションではなく標準搭載したのが「クスィーガンダム」となります。
地球でも宇宙でもバンバン飛び回れる今時のガンダム作品では描かれることがまずない“単騎による飛行能力”を獲得するまでモビルスーツ誕生から40年近くたってからようやく実現しつつあるという設定が宇宙世紀シリーズの面白いところでもあります。さらに約50年後の宇宙世紀153年の「機動戦士Vガンダム」でV2ガンダムが“ミノフスキードライブ”を装備することで全高15.5mの機体にまでサイズダウンさせることに成功させています。
時代の過渡期にあるこの巨大な2機、クスィーガンダムは最近一般店頭でも見かけることが多くなってきました。水星の魔女第二シーズンが終わる頃(2023年6月末)には「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の続編の続報があるのではないか?と筆者は睨んでいます。TVでの放送の前に大型のこのキット達を組んでおくと放送と続報が楽しめると思います!
HGUC 1/144 ナラティブガンダム C装備
- 価格:2,530円(税込)
こちらは大ヒットした「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」の直後を描く続編の「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」に登場する「ナラティブガンダム(C装備)」です。ナラティブガンダムはもともと実験機でなかば廃棄処分になろうとしていたところを「不死鳥狩り作戦」にあてがわれたという特殊な出自を持つ機体です。
実験機であったこと、時代的には型遅れ的な性能しかもっていなかったため“不死鳥”と称され神出鬼没なユニコーンガンダム3号機「フェネクス」を捕獲するためには役不足だったので様々な装備で強化することで対応しようとしました。
名称に“C装備”とついていることからもわかるように“A装備”と“B装備”も存在しています。“C装備”は全身に“サイコフレーム”の断片を装甲の表面に貼り付けることでNT(ニュータイプ)の感応波を受信させることを可能にし機体性能を飛躍的に向上させています。
この映画のキャッチフレーズは「ニュータイプ神話の行き着く先」となっていてガンダムを構成する要素の一つである“ニュータイプ”とはどういうものか?の一つの解釈を提示する作品となっています。主人公“ヨナ・バシュタ”は特殊な能力はもっておらず、彼の周囲とのしがらみによってナラティブガンダムに搭乗して“不死鳥狩り作戦”に参加します。
これまでにこの作品のガンプラは“A装備”が一般販売、“B装備”がガンダムベース/プレミアムバンダイで発売されています。フェネクスやシナンジュ・スタイン、IIネオジオングなど劇中を再現できるキットがHGやMG、PGでも展開しています。
2月まで再販が続く!これがエクストリームなMG!
MGEX 1/100 ストライクフリーダムガンダム
- 価格:15,400円(税込)
そして! 先日発売になったばかりのMGEX最新作の「ストライクフリーダムガンダム」です。この機体はTVシリーズ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場するガンダムです。搭載する“ハイパーデュートリオンエンジン”によって過剰なパワーを得られるようになった本機は有り余るパワーをPS(フェイズシフト)装甲素材で作られたフレームへ送りこむことで他のモビルスーツを圧倒する機体性能を獲得しています。
MGEXシリーズは“究極のモビルスーツ表現”を目指して企画されますが、ストライクフリーダムガンダムは得られたパワーによってPS装甲フレームが金色に輝くという設定になっています。今キットではそのフレームを“ガンプラ史上最高峰の金属表現”で再現することを標榜していて、3色のコーティングされたパーツ、2色のメタリック成型色のパーツ、3Dシール、メタルエッチングシールによって構成され、まばゆいばかりの金色のフレームを構成しています。
キットはとても完成度が高く、まずフレームから組み立てて背部バックパック+スーパードラグーンシステム、装甲を組付けていく流れとなっています。フレームを覆う装甲はこれまでのストフリのイメージよりもマッシブなイメージでディテーリングされています。MGシリーズを超えるディテールと可動性能はまさしく“エクストリーム”なガンプラと言って差支えないキットになっています。
このキットは2023年2月くらいまで再生産が継続的におこなわれるようです。まさに年末年始に組み立てるにはとてもいいボリュームのキットとなっていますからまだ購入されていなければ定期的にECサイトや実店舗をチェックすることをお勧めします。最新技術で構成され、意外と簡単に組み上がってしまう究極のガンプラをぜひ体験してみていただきたいと思います。
今後の注目ガンプラはこちら!
最後に、怒涛の展開を見せる「機動戦士ガンダム 水星の魔女」から2022年12月~2023年1月に発売が予定されているキットを紹介します!決闘に負けてしまったグエルのダリルバルデ、まさに練習機を体現するデミトレーナー、現時点でエアリアル以外の“ガンダム”ファラクト、プロローグに登場したベギルベウの後継機ベギルペンデ、ついにシャディクが乗ったミカエリス!どれも特徴があり謎だらけでもある機体群が矢継ぎ早に登場します。
さらに新シリーズ“MGSDフリーダムガンダム”、最新の“MGゼータガンダムVer.Ka”など話題に事欠かないガンプラシーンは2023年も私たちを楽しませてくれることと思います。シリーズをそろえて劇中再現してみたり、これだと決めて一つを作りこむのももちろんアリ! こんなに自由に楽しめるガンプラは日本が世界に誇るプラモデルキットです。この年末年始はガンプラに没頭してみてはいかがでしょうか。それでは2023年もよろしくお願いいたします!
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