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CO2ガスガン初心者向け講座! 安全に楽しむための基礎知識とメンテナンス方法【GW特集】

 CO2ガスガンとは、二酸化炭素(CO2)を充填した専用ボンベを動力源として使用するエアガンのこと。従来のフロンガス(HFC134aガス、HFC152aガス)を使用したガスガンとは異なり、CO2は非常に高い圧力を持つため、外気温に左右されにくく、冬場や寒冷地でも安定した作動が期待できるのが大きな特徴となっている。

 一方で、その特性ゆえに取り扱いには注意が必要だ。本記事では、CO2ガスガンを安全かつ正しく使うための基本知識を詳しく解説していく。世間はGWになり気温も暖かくなってきたところだ。このタイミングにCO2ガスガンを初めて買ってみようと思っている方などは是非読んでいただきたい。

 本稿ではCO2ガスガンについて詳細に、かつ正しい知識をお伝えするため、AIRSOFT97に質問状を送り監修を受けている。AIRSOFT97は、沖縄本社の運営するECサイト「97WEB」の他、「AIRSOFT97沖縄普天間店」、「AIRSOFT97アキバ店」、「AIRSOFT97関西尼崎店」などの実店舗を営業しているので、CO2ガスガンを購入したり、相談したいときにはぜひ訪れてみてほしい。

「AIRSOFT97」は国内外のエアソフトガンを幅広く取り扱っている。通販では売り切れている商品も店舗では販売されていることもあるので、こまめなチェックがおすすめだ

CO2ガスガンの扱い方(ボンベ装着などの基本)

CO2ボンベの装着手順

 それではまずCO2ガスガンの基本中の基本である、CO2ボンベの装着方法から解説していく。手順自体はマガジンにCO2ボンベを装着するだけなので特に難しくはない。しかし、ひとつ重要なコツがあるので、その流れをステップ順に解説していく。

【CO2ボンベの装着手順】

・マガジンにCO2ボンベをセットする
・ボンベ固定スクリューを、軽く当たる感触がある手前まで回す
・そこから一気に、ガス漏れ音がしても手を止めず、回し切る

 装着手順で重要なのが、大胆さと慎重さのバランス。ボンベ固定スクリューを回すとガスが漏れる音がするが、途中で止めてはいけない。液化ガスの影響で注入部が破損し、最悪の場合マガジンの交換が必要になるからだ。また、締めすぎも注入部破損の原因となる。音が止まったら、それ以上回さないようにしてほしい。

 参考までに、マガジンの種類によって力加減は異なるものの、筆者は躊躇せず素早く回しつつ、ガス漏れの音が小さくなったらスピードを緩め、マガジンに耳を当ててガス漏れしているようであれば少しずつ増し締めする……という方法で装着している。

ボンベ固定スクリューを素早く、一気に回しつつも、締めすぎないというのが大事

CO2ボンベの取り外し方

 つぎにCO2ボンベの取り外し方を解説していく。ここで非常に重要なのが、CO2ボンベ内のガスが空であることを確認してから、ボンベ固定スクリューを緩めること。ガスが残った状態でボンベ固定スクリューを緩めると、高圧ガスの影響でボンベが勢いよく飛び出し、数メートル飛ぶこともある。

 実際、筆者も5年間でCO2ボンベが飛ぶ事故を2回ほど目撃したことがある。幸いどちらも人には当たらなかったが、運が悪ければ大けがを負っていたと思う。特に気を付けてほしい。

 そのため、CO2ボンベを取り外す際には、マガジンの放出バルブを押してCO2ボンベ内にガスが残っていないことを必ず確認するのが大切だ。ガスが入っていなければ放出バルブは軽い力で押せるうえ、マガジン上部のガスルートパッキン(ガス放出口)からガスが出ることもない。

放出バルブを軽い力で押すことができてガスが出なければ、CO2ボンベ内のガスは空ということになる

 もし、CO2ボンベにガスが残っている場合、少量しか残っていないケースと、多く残っているケースの2パターンが考えられる。少量しか残っていないケースは圧力も下がっているため、軽い力で放出バルブを押せる。この場合は数回に分けて放出バルブを押し、ガスが完全に空になってからCO2ボンベを取り外せば問題ない。

 問題は、CO2ボンベにガスが多く残っているケース。この場合はボンベ内の圧力が高いため、そもそも放出バルブを押すことができない。どうしてもマガジンからCO2ボンベを取り外したい場合は、空撃ちで圧力を下げてから放出バルブを押し、ガスを抜く必要がある。

 ただし、このときに放出バルブを一気に押し続けると、ガスが液状のまま出てしまい、バルブのパッキンを傷めてしまう。ガスが少量しか残っていないケースよりも回数を細かく分け、少しずつ、かつ冷えすぎないよう注意しながらガスを放出する必要がある。

 また、CO2ボンベが冷え切ってしまうと、ガスが出なくなってもボンベ内にガスが残ってしまうことがある。その場合は手のひらでCO2ボンベを少し温め、再度放出バルブを押してガスが完全に空になったことを確認してから、ボンベを取り外す必要がある。

ガスが少量しか残っていないケースでは、放出バルブを軽い力で押すことができる

 ガス抜きする際のマガジンの向きは、「正立(上向き)」が正しい。これは逆さまや横向きだと液体ガスがバルブに直接触れてしまう可能性があるためだ。というわけで、マガジン上部のガスルートパッキン(ガス放出口)を上に向けてガス抜きするよう習慣づけてほしい。

ガス抜きはマガジンを「正立(上向き)」で行なう

 先ほど放出バルブを押せないほどガスが残っている場合は空撃ちをするようにと説明したが、ここでもいくつか注意事項がある。まず大前提として、空撃ちはセーフティーエリアなど人がいる場所では絶対に行なわないこと。空撃ちは一般的にシューティングエリアで行なうが、念のためフィールドスタッフに空撃ちできる場所を確認し、適切な場所で行なってほしい。

 さらに気を付けてほしいのが、空撃ちの際は銃口を真下または真上に向けないこと。真上・真下に向けて空撃ちすると液化ガスがそのまま噴出し、バルブを傷める原因となる。また、パッキンに使われるゴムは種類によっては5℃以下になると急激に硬化したり劣化が進むものもあるため、パッキンを傷めてしまう場合もある。さらに、重力の影響でブローバック機構にメーカーの想定外の余分な負荷がかかり、耐久性を損なう可能性もある。以上の理由から、空撃ちは基本的に水平の状態で行なうことを推奨する。

空撃ちは水平の状態で行うことを推奨
真上・真下に向けて空撃ちするとバルブ、パッキンを傷めたり、スライドなどの耐久性を損なう可能性がある

短いスパンでCO2ガスガンを使用する場合

 短いスパンでCO2ガスガンを使用する際はどうすればいいのか。たとえば翌日や1週間後にサバゲーに行く予定があるとき、ボンベを抜いたほうがいいのか悩むこともあるだろう。こういった場合、明確な基準はないが、CO2ガスはフロンガスに比べてかなり高い圧力がかかるため、おおよそ1週間以内に使い切るのが望ましいと言われている。逆に言えば、高温環境に放置しないのであれば、翌日のサバゲーでもう一度使う予定がある場合、CO2ボンベを抜く必要はない。

CO2ガスはフロンガスに比べて圧力が高いため、1週間以内に使い切るのが望ましいと言われている

CO2ガスガンのメンテナンス方法

メンテナンス方法(グリス・シリコンオイル)

 CO2ガスガンの基本的なメンテナンス方法は、フロンガスのガスガンと変わらない。スムーズな作動と耐久性については、グリスやシリコンオイルを可動部に塗布することで維持できる。CO2ガスガンで使用するのはシリコングリスとシリコンオイルで、高粘度特殊グリスは基本的にガスガンでは使用しない。使用する潤滑剤や塗布箇所は製品によって異なるため、説明書やサポートサイトの指示に従ってほしい。

 ただし、メーカーや機種によっては、改造防止のため分解ができない構造のものが存在する。特にマガジンは分解不可となっているものがほとんどだ。そういった機構を無理に分解すると破損の原因となる。

特にメーカーによって指定されていないかぎり、東京マルイのシリコングリスとシリコンオイルがおすすめ
メーカー指定外の潤滑剤は不調の原因となる可能性がある。指定外の潤滑剤を使用する際はあくまでも自己責任で行なってほしい(上記の潤滑剤は筆者がほかの電動ガンでも使用しているもの)

 なお、AIRSOFT97で「SUPER ACCURA(スーパーアキュラ)」カスタムが実施されたガスガン(CO2、フロンガスどちらも)は、特にメンテナンスは不要とのこと。というのも、耐久性を重視したグリスやオイルが使用されているため、それを拭き取って新たに塗布すると、逆に調子が悪くなってしまう可能性があるためだそうだ。可動部に砂や大きな汚れが付着した場合も、該当箇所を拭き取るだけで十分だという。

AIRSOFT97で「SUPER ACCURA」カスタムが施された「GHK Daniel Defense DDM4 V7 14.5" CO2 GBBR FDE」の機関部
Carbon8「M45CQP」の機関部

 細かい使い方についてだが、グリスとシリコンオイルは、使用箇所とエアガンによって使い分けるのが基本だ。例えば「GHK Daniel Defense DDM4 V7 14.5" CO2 GBBR FDE」であれば、シリコンオイルはスライドやボルトなど、抵抗が少なく軽く動かせる可動部(スムーズに動かしたい箇所)に適している。

 一方グリスは、ハンマースプリングやリコイルスプリングなどのバネ類に向いている。これはグリスはオイルに比べて揮発しにくく、長期間の潤滑を保てるためだ。ただし抵抗が強いため、スライドなどに塗ると動きを妨げることがある。

 なお、グリスとシリコンオイルは塗る場所だけでなく、その量も重要だ。塗りすぎて油分が銃身(インナーバレル)に入ってしまうと、命中精度に悪影響を及ぼす。また油分が汚れを付着させやすくするというデメリットもある。シリコンオイルは一瞬だけ噴射するにとどめ、グリスもできるだけ薄く塗るのが鉄則だ。

【Carbon8「M45CQP」の例】
シリコンオイルはトリガーとハンマー周辺に一瞬だけ噴射
グリスはスライドレールに薄く塗る

マガジンのガス漏れへの対処

 CO2ガスガンのマガジンのガス漏れへの対処方法はメーカーによって異なる。Carbon8製のCO2ガスガンについては放出バルブを締められる構造となっており、専用工具を使って増し締めが可能となっている。ただし、マガジンに使用されているゴム製パッキンは経年劣化するため、増し締めでは対応できなくなるときがいずれくる。

 筆者自身はCarbon8製のCO2ガスガンについては自分でメンテナンスしているが、他メーカーについてはメーカーやショップに依頼している。安全性を重視するなら、自分でメンテナンスをせずメーカーやショップに相談したほうが、専用工具を購入しなくて済むぶん安く済む可能性もある。

Carbon8製のCO2ガスガンは、側面の六角ネジを緩めることで、専用工具で放出バルブを増し締めできる。増し締めが完了したら、六角ネジを忘れずに締め直す必要がある

CO2ボンベの管理と保管

 これから夏を迎えようとしている時期に、特に注意してほしいのが温度管理。フロンガスと同様、CO2ボンベは高圧ガスが充填されているため、直射日光下で保管して熱を持たせると非常に危険だ。基本的に40℃以上は好ましくないと言われている。車内(特にダッシュボード上)への放置は絶対に厳禁。

直射日光下や、車内にCO2ボンベを放置するのはNG

 一方、自宅でCO2ボンベを保管する際の注意点は、高温・湿気・破損の3点を避けること。高温については前述のとおりで、ストーブやヒーターだけでなく、PCやゲーム機の排気が当たるような場所も避けたほうがよい。

 湿気については錆び防止が目的だ。CO2ボンベ自体が鉄製のため、湿気によって錆びるとマガジンに錆びが移る可能性があるし、先端が錆びればガス漏れの原因にもなる。長期保管の際には、乾燥剤を入れたケースなどに収納しておくと安心だ。

 また、破損については、CO2ボンベは高圧に耐える設計となっているものの、バラバラな状態でエアソフトガン本体やマガジンと一緒に収納していると、突起がCO2ボンベの先端を傷つける可能性がある。パッケージにスポンジなどを追加してきれいに整列させるか、専用ケースに収納しておくとよいだろう。

筆者は3Dプリンター用のフィラメントと一緒に、乾燥剤を入れた密封ケースで保管している

使用するCO2ボンベ

 CO2ボンベはメーカーによって寸法や品質にわずかな差がある。マガジンとCO2ボンベ自体に問題はなくても、相性によってガス漏れが起きる可能性があるわけだ。そのため、確実なのはエアソフトガン本体と同じメーカー、もしくは指定のCO2ボンベを使用することが鉄則だ。

 また、大手メーカー(Carbon8、BATON、マルシン、LayLax)が発売しているCO2ボンベであれば高い品質が維持されているため、これらも安心して使用できる。

 避けたほうがいいのは出所不明のバルク品や格安品。中にはCO2ガスの純度が低いものもあるため作動性や信頼性に支障が出て故障したり、寸法違いによって注入部を破損させるリスクもある。そうなるとCO2ガスボンベよりも結局大きな金額がかかってしまう。

 オンラインサイトなどで購入する場合は、通販サイトで「CO2ボンベ」と検索するだけでは、CO2ガスガンで一般的な12gの製品以外も表示されるので、購入する際にはくれぐれも注意していただきたい。

筆者がリピート購入しているのは「PUFF DINO CO2 12g カートリッジ」。少し高めだが、今のところ相性問題が発生したことはない

CO2ボンベの廃棄方法

 CO2ボンベの廃棄方法は自治体によって異なるが、空容器であれば危険物には該当しないため、基本的には「燃えないゴミ」として廃棄できる。とはいえ、しっかりと自治体のルールを確認して設定された基準に従って処分してほしい。

 また、サバゲーフィールドでは廃棄を代行してくれる場合がある。もちろん自宅で使用したCO2ボンベをフィールドに持ち込むべきではないが、代行してくれるフィールドの場合は、そのフィールドで使用したCO2ボンベであれば、スタッフに相談したうえで廃棄を依頼してもよいだろう。

空のCO2ボンベであれば危険物には該当しないため、基本的には「燃えないゴミ」として廃棄できる

弾速チェックの受け方

 CO2ガスガンはボンベ装填直後の初弾が最も初速が高くなる傾向がある。また、気温によって初速が変化するという特性も、フロンガスのガスガンと同様だ。安全かつフェアなサバイバルゲームを楽しむためには、CO2ボンベ装填直後の最も初速が出る状態で計測し、フィールドのレギュレーションに適合しているかどうか確認するのが大切だ。

 さらに、昼過ぎなどに気温が上昇した際には、安全のため改めて弾速チェックを受けることを強くおすすめする。猛暑の時期にはCO2に限らずフロンガスでもレギュレーションの初速を超える可能性があるため、バックアップ用に1丁用意しておくか、レンタル銃の使用も視野に入れておくのがいいだろう。

CO2ボンベ装着直後、Carbon8「M45CQP」で10発撃った際の初速。最大92.1m/s、平均90.0m/s、最小87.7m/sの初速を記録した(0.2g弾使用時)。室温26℃の環境でこれだけの初速が出ているため、少なくともインドアフィールドではレギュレーションの初速をオーバーしている(※マガジンの個体差で初速が高く出ている可能性もある)

新たな喜びを得られるCO2ガスガンで、サバゲーライフをより豊かに!

 CO2ガスガンは、フロンガスのようには「継ぎ足し」ができず、ボンベの管理という手間も確かに発生する。しかし、そのぶんだけ得られるメリットも大きい。

 フロンガスでは作動が厳しい冬場でも、安定して稼働する信頼性。そしてなにより、高圧ガスならではの「鋭く、重い」強烈なリコイルは、一度味わうと病みつきになるほどの魅力がある。加えて、フロンガスに比べてCO2ガスは地球への負担が少ない。地球環境、ひいてはエアガン文化を守ることにもつながるだろう。

 CO2ガスガンは、近年ではハンドガンのみならず長物のラインナップも飛躍的に増えている。選択肢はかつてないほど多くなっているので、エアガンに「新たな楽しさ」を求めている方は、この機会にぜひCO2ガスガンを手に取り、自身のサバゲーライフをより熱く充実させていただければ、これほど嬉しいことはない。