レビュー
CO2ガスガン「Trinity Hi-Capa 5.1」レビュー
高い拡張性とデザイン性を両立! 30m先のヘッドショットもできる
2024年12月14日 00:00
- 【Trinity Hi-Capa 5.1 CO2GBB】
- 開発元:MODIFY/BATON共同開発
- 2024年11月20日発売
- 価格:27,280円(メーカー希望小売価格・税込)
- 全長:220mm
- 銃身長:113mm
- 重量:実測約572.5g(マガジンを除く)
- 弾丸:6mm BB
- 動力源:CO2ガスカートリッジ
- 装弾数:26+1発
ハンドガンは長物以上にユーザーの好みが分かれているように感じる。アサルトライフルのようにストックの伸縮機能がなく、両手で包み込むように握るエアガンだからこそ、人それぞれ様々なカスタムをして、思い思いに楽しんでいる方が多いのだろう。
しかし、カスタムパーツを別途購入し組み込むとなると、当然出費が増えるし、すり合わせなどの調整が必要となる。自分の理想とするハンドガンが完成品として販売されているにこしたことはない。
今回レビューするBATONの「Trinity Hi-Capa 5.1 CO2GBB」は、いわゆる「ハイキャパ系」のCO2ガスブローバックハンドガンだ。アグレッシブなデザイン、機能的な装備により、スタイルと性能に妥協したくない方にとって魅力的なカスタムモデルとなっている。本稿では、詳細スペック・外観・使い勝手・気になる実性能にいたるまで、詳細をお届けしていく。
多弾数化+拡張性や操作性を向上させた「ガバメント」の発展形
「Hi-Capa」は「High Capacity」の略。「ガバメント」の唯一とも言える弱点である装弾数の少なさを解決するため、シングルカラム(一列弾倉)のマガジンをダブルカラム(複列弾倉)化し、現代の銃に劣らぬ「High Capacity」(多弾数)を実現したのが「Hi-Capa」系ガバメントだ。
また、装弾数の増加とともに、アンダーレイルを設けたり、サイトもより視認性の高いものに変更されている。さらに握りやすさを向上させたグリップを装備しているほか、デザイン性の高いスライドも採用されている。
映画「ジョン・ウィック:パラベラム」でも、キアヌ・リーヴスさん演じる主人公が「Hi-Capa」のカスタムモデル「TTIコンバットマスター」を使用している。「Hi-Capa」は多くのエアガンメーカーがタクティカルモデル、スポーツモデルとして製品化しており、「ガバメント」の発展形として広く人気を博しているのだ。
台湾のMODIFY社とBATON airsoftが共同開発
「Trinity Hi-Capa 5.1 CO2GBB」のエアガンとしてのスペックを解説していく。本製品は台湾のMODIFYとBATONが共同開発したCO2ガスブローバックハンドガンだ。「JASG日本エアースポーツガン振興協同組合」認定製品なので、安心して日本国内で利用できる。
全長は220mm、高さは実測140mm(マガジンなし)/160mm(マガジンあり)、銃身長(インナーバレル)は113mm、重量は実測約572.5g(マガジンなし)/実測915.5g(マガジンあり)。CO2ガスカートリッジ1本と0.2g BB弾27発を合わせると実測960.4gだ。
パッケージには、本体、「Trinity Hi-Capa CO2マガジン」、六角レンチ、使用説明書、修理保証書が同梱。BATONの3カ月無償修理保証を受けるためには保証書が必須だ。大切に保管しておこう。
金属製マガジンには6mm BB弾を26発装填可能。チャンバーに1発装填すれば、最大27発を装填できる。パワーソースはCO2ガスカートリッジ。対応CO2ガスカートリッジは「PUFF DINO・BASIKOS CO2 12g カートリッジ」となっている。サイズ的には同じだが、他社製のCO2ガスカートリッジを使うと保証対象外になるので注意してほしい。
アグレッシブなデザインが魅力的、拡張性も高い
本製品の魅力はなんと言ってもアグレッシブなデザイン。スライド上部には大きく開口部が設けられており、カッパーフィニッシュのアウターバレルが常に見える。アウターバレル、チャンバー、ハンマーは銅色で統一。黒一色のスライド、フレームへの差し色として高級感を醸し出している。個人的には「BT-SAND VIPER CO2GBB」と同じぐらい惹きつけられるデザインだ。
下面にはライトなどの取り付けに便利な20mmレール、アウターバレル先端には「Trinity 11mm正ネジ → 14mm逆ネジ アダプター」(1,650円)を装着するためのネジ穴が設けられている。別途アウターバレルを交換しなくても、アダプターを購入するだけでサイレンサーやトレーサーを取り付けられるわけだ。
スライド先端には集光サイトが装備されており、サイトピクチャーは非常に見やすい。リアサイトに調整機構は用意されていないが、30mの距離で正確にターゲットを狙うことができた。「Trinity Hi-Capa MOSプレート」(6,380円)を利用すればドットサイトも取り付けられる。ホップ強度に合わせて調整したいのであればセットで入手しておこう。
ハンマー、セーフティなどの可動部は剛性が高く、心地いい操作感。また、グリップ・トリガーガードには細かなテクスチャーが施されており、しっかりとホールドできる。激しくブローバックするCO2ガスブローバックハンドガンだけに、実用的なデザインの滑り止め対策といえる。
本製品のホップアップ調整機構はユニークだ。スライドストップを取り外し、左右を逆にして穴に入れると、歯車がかみ合って回転操作でホップアップを調整可能となっている。ホップアップダイヤルにはクリック感はないが、そのぶんきめ細かにホップアップの強さを調整できる。スライドとフレームを分解することなく、工具なしでホップアップを調整できるのは非常に便利だ。
スライドストップを抜いた状態でスライドを前方に動かせば、スライドとフレームを分解できる。ここまでが通常分解で、メンテナンス時には鉱物系グリスとシリコン系グリスを塗布する。BATONによれば、シリコンオイルスプレーは金属の潤滑に適しておらず、吹き付けすぎるとトラブルの原因となるため推奨していないとのこと。スムーズに保証を受けるためには、鉱物系グリスとシリコン系グリスを使ったほうがよさそうだ。
0.25g弾であれば30m先でヘッドショットを狙えるだけの集弾性を実現
ここからは「Trinity Hi-Capa 5.1 CO2GBB」の実性能をチェックしていく。まずトリガーについてだが、ストロークが非常に短く、そしてトリガープルも平均0.636kgと軽い。そのぶんガク引きすることなく、遠くを正確に狙えるのは大きなメリットだ。ただし、多少の慣れは必要だろう。本製品に限らないが、実際にCO2ガスカートリッジやBB弾をこめる前に、空撃ちでトリガーの遊びと重さを確認することを強くお勧めする。
射撃音はかなり大きめ。今回計測したところ最小が81.8dBA、最大が102.5dBA、平均が93.68dBAとなった。ブローバック時のリコイルもCO2ガスブローバックハンドガンのなかでもトップクラスの強さだと感じた。
初速はかなり高めだ。室温24.6℃の室内で計測を実施したところ、0.20g弾は最強ホップ時に84.5~86.2m/s(平均85.42m/s)、最弱ホップ時に76.6~81.1m/s(平均78.46m/s)、0.25g弾は最強ホップ時に79.8~81m/s(平均80.28m/s)、最弱ホップ時に71.4~74.8m/s(平均73m/s)となった。初速の変化は比較的小さい。連続射撃時に大きく弾道が変化することはなさそうだ。
本製品の特性として留意しておきたいのが、CO2ガスカートリッジ1本あたりの発射可能回数。約1秒おきに射撃してみたところ、1回目は89発、2回目は71発までしか発射できなかった。BATONの「BT-SAND VIPER CO2GBB」が0.2g弾で123発、0.25g弾で117発発射できたことを考えると発射可能回数は明らかに少ない。「Trinity Hi-Capa 5.1 CO2GBB」のほうが、より強いリコイルを味わえるような味付けになっているようだ。
個人的に一番重視している集弾性能については、いい意味で驚かされた。0.2g弾でも数発で、0.25g弾であれば1発で、30m先のヘッドショットを狙えるだけの集弾性を備えている。また、トリガーストロークが短くトリガープルが軽いので非常に当てやすい。今回はドットサイトを使用していないが、装着すればさらに着弾がまとまりそうだ。
使い勝手がよく、よく当たる。初めてのCO2ガスブロにぴったりな1丁
「Trinity Hi-Capa 5.1 CO2GBB」は、アグレッシブなデザインと高い拡張性を兼ね備えたCO2ガスブローバックハンドガンだ。台湾のMODIFY社とBATONが共同開発したデザインは押しが強く、それでいてネジ切りされたアウターバレル、握りやすいグリップ、ライトを装着できるレールなど使い勝手がいい。
スライドとフレームを分解せずに調整できるホップアップ機構も非常に便利だ。そして0.25g弾で30m先のヘッドショットを狙える精度を備えている。初めてのCO2ガスブローバックハンドガンとしてぴったりな1丁と言える。
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