インタビュー
「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」企画者インタビュー
ドラグーンのディスプレイ表現への新アプローチとギミック満載の遊びの奥行
2023年9月13日 00:00
- 【METAL BUILD プロヴィデンスガンダム】
- 9月13日18時より予約開始
- 2024年1月 発送予定
- 価格:46,200円
BANDAI SPIRITSは、塗装済み完成品フィギュア「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」を通販サイト、プレミアムバンダイ内「魂ウェブ商店」にて9月13日18時より予約受付を開始する。発売は2024年1月を予定し、価格は46,200円。
アニメ「機動戦士ガンダムSEED」にて登場したモビルスーツ「プロヴィデンスガンダム」をフィギュアブランド「METAL BUILD」で立体化したもの。2021年のイベント「TAMASHII NATION ONLINE 2021」にて参考出展され、2022年の「TAMASHII NATION 2022」会場でも出展、そして2023年に商品化が発表された。
今回は企画担当者の洲崎敦彦氏に本商品のこだわりポイントや開発の経緯を聞いてみた。
ドラグーンシステムを搭載した“天帝”プロヴィデンスガンダム
インタビューに入る前に「プロヴィデンスガンダム」について説明したい。
「プロヴィデンスガンダム」はアニメ「機動戦士ガンダムSEED」の最終決戦「第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦」にて出撃。ラウ・ル・クルーゼがパイロットを務め、フリーダムガンダム、ジャスティスガンダム同様のニュートロンジャマーキャンセラー搭載型核エンジンを装備した機体となっている。
ユーディキウム・ビームライフル、複合兵装防盾システムによる高火力武装に加え、背部のプロットフォームと本体に備えた遠隔装備「ドラグーンシステム」によるオールレンジ攻撃によって多数の機体との戦闘もこなす。
劇中ではムウ・ラ・フラガが駆るエールストライクや「機動戦士ガンダムSEED」の主人公、キラ・ヤマトが駆るフリーダムガンダムと交戦。本作のラスボスモビルスーツとして登場した。
フリーダムガンダムは大型サポートユニット「ミーティア」を装備した状態でありながら、圧倒的出力によるビームサーベルの切り払いやドラグーンシステムによるオールレンジ攻撃でこれを圧倒し、死闘を演じた。
「METAL BUILD」シリーズでの立体化により造形や彩色、特徴的なドラグーンシステムがどのように表現されているのか気になるところだ。
圧倒的存在感と「METAL BUILD」ならではの“遊び”を詰め込んで立体化
――今回の「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」立体化の経緯をお聞かせください。
洲崎氏:「METAL BUILD」シリーズの最初期から「機動戦士ガンダムSEED」シリーズは商品化しておりますが、「プロヴィデンスガンダム」を具体的に商品化するという話が上がったのは「METAL BUILD フリーダムガンダム CONCEPT 2」(2020年8月8日発売)を発表したころかと思います。この商品ののちに「METAL BUILD ジャスティスガンダム」などの「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの機体の展開を考えた時に「プロヴィデンスガンダム」の商品化は想定していました。
――「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」の企画が立ち上がったのはどれくらいになりますか?
洲崎氏:もう2年くらい前になります。「METAL BUILD フリーダムガンダム CONCEPT 2」の開発作業に入ったのが2019年で、「プロヴィデンスガンダム」の具体的な作業に入ったのは2021年頃ですかね。
――今回の商品化タイミングは、2024年1月26日に公開の劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」も意識してのことでしょうか?
洲崎氏:「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」の商品化は映画に合わせてというわけではなかったです。「METAL BUILD」シリーズで展開されている「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの流れの中でプランニングとして考えていました。ただ映画の公開で盛り上がっているところでお出しできたのはよかったです。
――本体のデザインはどのように決定していきましたか?
洲崎氏:「METAL BUILD」独自のアレンジデザインも入っていますが、「プロヴィデンスガンダム」が持つ威圧感、存在感を意識してデザインしていただきました。試作品を作る段階でも実物の光造型を見てパーツのボリュームを足していくなどのやり取りをしていきました。
――「プロヴィデンスガンダム」はかなりマッシブなデザインで力強さや胸のパイプの表現も印象的です。
洲崎氏:スタッフの中でも胸の周りのチューブなども大事にしていまして、上の2本はメタリック塗装、下の1本は形状や色合いも変えています。
――彩色やダイキャストの表現の注目ポイントを教えてください。
洲崎氏:ダイキャストの使用は「METAL BUILD ストライクガンダム」の流れをくむようにしてお腹周りからダイキャストが露出していたり、脚部の膝回りにも使用しています。今までの「METAL BUILD ガンダムSEED」シリーズで展開していたものを韻を踏んでいくように「同じシリーズなんだな」とお客さんにわかっていただけるように配慮していただいております。また、大型のモデルとなっているので目立つところにダイキャストは配置しております。
――本商品でデザイン監修をされている重田智さんからの要望やデザインの修正などはありましたか?
洲崎氏:重田さんからは背中のプラットフォームの大きさや全体のフォルムや面構成の指示をいただき、全体的なデザインの監修をいただきました。
――デザインで注力されたところはどこでしょうか。
洲崎氏:やはり、背中のプラットフォームですね。円盤状の形ですが、アニメ本編やビデオソフトのジャケットなどで大きさの表現も変わっていますので、なるべくお客様がシチュエーションによって大きさを変えられるように拡大・縮小ギミックを入れてみました。
――なるほど。シチュエーションによってプラットフォームの表情付けができるんですね。
洲崎氏:この部分が「プロヴィデンスガンダム」の強烈な個性でもあり、お客様もボリュームがあるものを望んでいるかと思いましたので、背中のボリュームは特に気を遣いましたね。
――大きく見せることでラスボスの威圧感みたいなものがビシビシ伝わってきます。
洲崎氏:アレンジでプラットフォームのデザインも調整しておりますが、円盤らしいボリュームが欲しいけど、丸いだけだとディテールに乏しいこともあり、ここのデザインは苦心されたと思います。
――通常では丸みのあるシルエット、展開時には少し尖った雰囲気が出る。
洲崎氏:それでも丸いシルエットがファンの方が持っている印象だと思うので、それをうまく残しながら展開した状態でも内部パーツが見えることで丸みのあるシルエットを維持しつつ、巨大感を出すようになっています。
洲崎氏:彩色に関しては背中のドラグーンを搭載するプラットフォームが設定では後付け装備になるので、本体はブルーを若干含んだグレーになっており、プラットフォームは比較的普通のグレーの色合いにしていただいています。商品写真では見分けが難しいかもですが、実物(製品版)を見ていただいたときに色彩の違いに気づいていただけるようにしています。また、プラットフォームも背中にピッタリ付くだけでなく、斜めに持ち上がるような可動もでき、躍動感ある表情付けが楽しめます。また、ドラグーンを装着する基部も可動する仕組みになっています。本商品ではドラグーンの展開を台座に補助支柱を付けた状態でのディスプレイではなく、プラットフォームなどから直接展開するような表現にしております。この可動によってドラグーン射出時の表情付けなどができ、プラットフォームはディスプレイ台座も兼用しているような形となっています。
――背中のプラットフォームにはダイキャストを使用していますか?
洲崎氏:プラットフォームはプラ素材と彩色でメタリック感のある表現をしています。
――この可動は後継にあたる「レジェンドガンダム」を意識されてのことでしょうか?
洲崎氏:「レジェンドガンダム」を意識したところもあります。基部を倒して、ドラグーンの砲門を前に集中させるような動きもできます。とは言え、「レジェンドガンダム」とはあくまでも別物ですので、設定として寄せる、という感じではないですね。
――今回のドラグーンのディスプレイ方法はかなり個性的ですね。
洲崎氏:個人的には本体から飛び出している表現の方がいいだろうと思い、「プロヴィデンスガンダム」に関しては本体からロケットのようにドラグーンが飛び出して、遠隔で戦う印象が強かったので、どう射出されていくのかというところで表情付けができるのが面白いではと思いました。ドラグーン側で角度を変えたり、基部の可動で放射線のような動きにしたりとお客様に楽しんでいただければと思います。
――プラットフォームや本体から直接ドラグーンを支えるわけですが、保持力はどうなのでしょうか?
洲崎氏:本体がダイキャストも使用して重たいのでドラグーンを支えやすくなっていますね。
――ドラグーンのデザインについてお聞かせください。
洲崎氏:ドラグーンは3種類に分けていまして、プラットフォームの天頂部と左右にある大型ドラグーンとプラットフォームの斜め部分と本体のリア・アーマーに備わっている中型のドラグーン、サイドアーマーに装備されている小型のドラグーンがあります。合計11基あります。
――すべてを射出したディスプレイはインパクトがすごいですね。
洲崎氏:個人的な見解ではありますが、ドラグーンやファンネルはアニメではカッコよく飛び回りますが、立体物で飾るとディスプレイが難しくて。そこで、今回の「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」では全基展開や部分的な展開とせっかくのドラグーンなのでいろんなディプレイを楽しんでほしくて、このような機構になっています。
――ドラグーンの展開表現はどれくらいできるのでしょうか?
洲崎氏:プラットフォームの基部やディスプレイ用の補助支柱で垂直や斜めに射出されていく表情付けができます。
――劇中では肩に担ぐように使用していたユーディキウム・ビームライフルのデザインはいかがでしょうか?
洲崎氏:企画スタッフの中では「宇宙世紀シリーズのMS『FAZZ』の武装のようにしたい」という話も出ていました。そこで本商品では展開ギミックを備えていまして、通常時では大きめのビームライフルのような感じでとりまわし、展開時にはビームカノンのような高出力状態といった感じになっています。
――肩に担いでの射撃以外にも腰だめに撃つような取り回しもできるのですね。
洲崎氏:そうですね。また、グリップ部分も前後スライドや角度調整ができまして、肩に担いだ状態や両手持ちのポーズもしやすくなっています。「METAL BUILD」でも様々なアレンジをしておりまして、遊びの奥行を出せるように心がけています。プレーンな状態が好きな方、アレンジよる遊びの幅が好きな方と多くのお客様に満足いただけるようにしています。
――左腕の複合兵装防盾システムは脱着が可能になっていますね。
洲崎氏:今回、重田さんから「(複合兵装防盾システムの)中にグリップを付けてほしい」と要望がありました。こちらを採用した際に「本編にはなかった左腕がフリーになって両腕を使ったアクションもできるのではないか」と脱着できるようにしてみました。また、本商品ではユーディキウム・ビームライフルの両手持ちもでき、様々なアクションができるようにしました。
――シールド以外にもビームサーベルを展開して、格闘戦ができるのも特徴ですがビームエフェクトの大きさはどれくらいありますか?
洲崎氏:ビームサーベルのエフェクトも本体くらい大きなものとなっています。劇中ではミーティア装備のフリーダムガンダムと渡り合っていたので高出力イメージとなっています。合わせてシールド側も放熱用に展開するギミックも入れています。
――装備だけ見るとシンプルなプロヴィデンスガンダムですが、ディスプレイした時の表現の幅はかなりの迫力があります。
洲崎氏:そうですね。シンプルな仕様の商品ではありますが、お客様に楽しんでいただける遊びの奥行、デザインのアレンジを織り込んでいった商品化となっています。
――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします。
洲崎氏:「METAL BUILD」シリーズでようやく「プロヴィデンスガンダム」をお届けできるようになりました。ただ、「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」で終わりではなく、現在企画進行中ではありますが「METAL BUILD ガンダムSEED」の“その先”も考えております。まだまだ「METAL BUILD ガンダムSEED」シリーズも続いていきますので、「METAL BUILD プロヴィデンスガンダム」と合わせて一緒に楽しんでいただければと思います。
――ありがとうございました。
(C)創通・サンライズ