ニュース

【ゲームマーケット】パーツを入手して母船をグレードアップし宇宙へ大冒険する「カタン 宇宙開拓者版」

11月14、15日開催

会場:東京ビッグサイト(青海展示棟)

入場料:1,000円(税込)より(時間帯で変動)

 11月14日と15日に、お台場・東京ビックサイト(青海展示棟)で「ゲームマーケット」が開催。入場料は1,000円(税込)と高額だが、国内最大規模のアナログゲームイベントとあって、新型コロナウィルス感染防止の入場制限があるにも関わらず、ボドゲファンが詰めかけた。

 ここでは、GP(ジーピー)が発売する大人気ボードゲーム「カタン」の最新作、「カタン 宇宙開拓者版」をピックアップ。この通称「宇宙カタン」は、一年前の「ゲームマーケット」で、1万円を超える商品にもかかわらず、先行販売されて瞬殺された人気作だ。本記事では、その魅力に触れていきたいと思う。

そもそも「カタン」とは?

 「カタン 宇宙開拓者版」はGPが発売するカタンシリーズの最新作であり、かつ本体価格12,000円(税別)の最大ボリュームを持つゲームだ。カタンをいえば、世界大会も行なわれるほどメジャーなゲームで、日本でもファンの多いボードゲームのひとつ。種類も豊富で、オリジナルの「スタンダード版」だけでなく、これまでに拡張版である「カタンの開拓者たち」シリーズで「航海者版」、「探検者と海賊版」、「都市と騎士版」、「商人と蛮族版」、そしてスタンドアローンで遊べる「カタン」シリーズで「アメリカの開拓者たち」、「ゲームオブスローンズ」などがある。

 私も自宅に「スタンダード版」と「航海者版」を用意しており、「カタン好きなんですよ」などという一般人をコテンパンにすることも多い。実は、その昔「コナミ」が代理店だったころ、世界大会……の日本予選に出たことがあるのだ。まあ、出ただけで初戦敗退しているのだが、「出る」ということは、それだけ自信があるのだ。

 話はそれたが、これだけのバリエーションがあれば、人気・不人気もあり、すべての商品が売れているわけではない。そんな中でこの宇宙カタンは、久しぶりに既存のカタンファンのハートをガッツリ打ち抜いた商品として、ぜひとも紹介すべきボドゲといえよう。

日本でも大きな人気を持つ「カタン」

 オリジナル「カタン」を知らない人のために軽くルールを紹介すると、カタン島(ボード)には地形(丘陵・森林・畑・牧草地・山地)があり、その地形に決めた(そのプレイで)「さいの目」がでると、地形に応じて「森林」なら「木材」、「丘陵」なら「レンガ」などの資源が手に入る。プレーヤーは、この資源を集めて、「開拓地」や「都市」、「街道」などを作り、作った数に応じてポイントを得られる。

 また、資源を使って「発展カード」という、イベントを起こしたり、ポイントを得られるカードも入手できる。ゴール設定は10ポイントとなっており、一番先に到達したプレーヤーが勝利する。資源カードはトレードできるし、カードを持ちすぎると「7」が出て捨てる羽目になるし、いい地形を持っていても、「盗賊」とよばれる駒を置かれると資源が入手できないなど、紹介しきれない駆け引きやルールがたくさんあり、まったく持って飽きさせない。

名作「カタン」をベースにルールを一新した宇宙バージョンを楽しもう!

 そんな寝る間を惜しんでもプレイしたくなる「カタン」に宇宙版が登場した。……といっても、これまでの「カタン島」が宇宙に変るだけ……程度のリブートではなく、完全にルールを一新したともいえる、カタンであってカタンではない、新次元のカタンなのだ。

 まず、プレイするボードは「無人島」から「宇宙」へと変更された。資源も「鉱石」、「燃料」、「炭素」、「食料「」、「交易品」となっている。資源を集めて作るのは「宇宙港」や「移民船(コロニー)」となる。「宇宙港」や「コロニー」が増えれば、より資源の獲得が楽にあるのはこれまでのカタンと同じ仕組みだ。ポイントは駒で、移民船が星系に到着すると「輸送部分」を取り外してコロニーになること。そして、このコロニーに「宇宙港リング」を付けることで、宇宙港になる。なというか、こういう分離合体ギミックが、なんとも宇宙っぽくて面白い。

盤面が宇宙となっても、カタンらしさ爆発のゲーム展開
トレーディングカードのような宇宙人関連のイベントカード

 なお、さらに、宇宙カタンで大きく違うのが母船の存在だ。通常のカタンでは開拓地を作るために「街道」を建設して進めるしかなかったが、宇宙カタンでは移民船を動かすのに、母船を振ってでてくる玉の色で決まる。なお、これはあくまで基礎移動力でしかなく、実際の移動は、基礎移動力+母船の「動力炉」の数で決まる。実は、資源を集めて母船に「動力炉」や「船倉」、「搭載砲」などを追加して、アップグレードできるのだ。もう、こういうSFファンが喜ぶギミックが多すぎる!

 ほかにも、母船を振って黒が出ると宇宙人との遭遇イベントが発生したり、ほかにもカードを使ったイベントも健在だ。ゲームを有利に進める「有効カード」などがあったり、覚えるまでにちょっと時間かかりそうなくらい、作り込まれている。実は、つい自分ように1個買ってしまったので、早く週末勉強して誰かを倒しに、出かけたいものだ。

宇宙カタン最大のウリともいえるレトロスペース感満載の母船