特別企画
初心者でもできる!部分塗装でカンタン戦車モデル。タミヤ「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」【春特集】
筆塗り+トップコートで成形色を生かして仕上げる
2025年4月2日 00:00
- 【1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車】
- 発売元:タミヤ
- 価格:4,620円
- 発売日:2021年7月10日
- ジャンル:プラモデル
- サイズ:全長187mm
趣味でプラモデルを始めてみたけど、スケールモデルは組み立て難度が高く塗装も必要でハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか?そんな初心者モデラーの方にもおすすめの手法を今回は紹介します。本記事では、タミヤの戦車モデル「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」を、成形色を生かして筆塗りでの部分塗装とトップコートのみで仕上げてみます。
組み立てやすさとディテールの高さを兼ね備えたタミヤのスケールモデル
今回の作例で使用する「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」は日本大手プラモデルメーカーであるタミヤが2021年に発売したプラモデルです。タミヤは戦車や飛行機、艦船等のスケールモデルにおいて日本プラモデルの黎明期より多くのキットを発売してきました。今回制作を行なう戦車キットは1962年より展開されている歴史あるプラモデルシリーズとなっています。また、タミヤの戦車キットは成型色が戦車の基本色にて成型されており、部分塗装を行なうだけで完成度を高めることが可能です。
タミヤスケールモデルを部分塗装のみで完成させる
それではキットの組み立てを始めていきます。今回は部分塗装を筆塗りによる仕上げとし、つや消しトップコートを缶スプレーにて行ないます。使用する塗料は全てファレホの水溶性アクリルカラーを使用しました。
最初にキットの組み立てを行ないます。今回の作例は筆塗にて部分塗装を行なうため、塗分けに問題ない範囲でパーツは接着してしまいます。なお、履帯はC組み(履帯を後からはめ込めるように後部を接着せずに組み立てる手法)にして塗装時に分解できるようにしました。
履帯と転輪のゴム部分は材質の違いを表現するために塗装色を変更
戦車の足回り塗装において履帯は金属を使用した構造物、転輪のゴム部分は文字通りゴムにて製造されています。そこでこれら材質の違いを塗料の種類によって再現します。履帯部分にはファレホの「モデルカラー ブラック」を、転輪のゴム部分には「モデルエアー タイヤブラック」を使用しました。
OVMやワイヤー等金属製品、機関砲銃身には2種類のシルバーで塗装
機体のOVM(車外装備品)やワイヤー、機関砲は戦車の本体色ではなくガンメタル等金属色にて製造されたものが搭載されています。今回はそういった金属色で製造されたものをファレホの「メカカラー ダークスチール」と「モデルエアー ガンメタル」の2色で塗分けます。「メカカラー ダークスチール」はワイヤーおよびOVMに、「モデルエアー ガンメタル」は機関砲銃身に使用しました。
木材、レザー、布のそれぞれを異なったカラーで塗分ける
本キットには付属品としてOVMの他に布製品や木箱等の非鉄製品も多く含まれます。こういった材質の異なるパーツはそれぞれ異なったカラーで再現します。木材にはファレホの「パンツァーエース 新木色」を、レザーには「パンツァーエース レザーベルト色」、布には「モデルカラー カーキ」を使用しました。
車体側面のアクセントカラーになるジェリ缶はジャーマングレーで塗装
車体側面のアクセントカラーとなるジェリ缶は指定色に合わせて「モデルカラー ジャーマングレー」にて塗装しました。本塗料は他の塗料と比較しても色が沈殿している傾向が高いため、よく攪拌してから塗装を行ないます。
金属感のあるブラウンを再現するため調色を行なう
車体後部のマフラー部分は金属感のあるブラウンを表現しようと思いましたがちょうど良い塗料がないため、調色にて再現を試みます。今回はファレホの「ゲームカラー カッパー」と「モデルカラー カーキ」を調色して塗装を行ないました。
缶スプレーでお手軽につやをコントロール
部分塗装が完了したらデカールを貼り付け、最後にトップコートを噴きます。トップコートにはファレホの「マットバーニッシュスプレー」を使用しました。トップコートの前に可能な限り組み立てておくと効率的に作業を進めることが可能です。
トップコートが完了したら最終組み立てを行ない完成です。
部分塗装とトップコートで手軽に楽しむ戦車モデル
早速完成した「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」を見ていきましょう。まずは前後側面から塗装前後の比較で見ていきます。部分塗装を行なうことで印象が大きく変わりました。
履帯部分は履帯と転輪のゴム部分を色分けすることで完成後に素材の違いを楽しむことができます。ぱっと見は違いが判らないかもしれませんが、制作した本人にはこのこだわりを眺めるだけで満足できます。
戦車モデルは車体色が単色の場合、上面に並べられたOVMや予備履帯などの装備品がアクセントカラーになります。こういったパーツを部分塗装することでよりリアリティが増します。
今回は筆塗による部分塗装と缶スプレーのみで、初心者の方でも簡単に完成させることができるというテーマで制作を行ないました。スケールモデルといえばエアブラシが必要な玄人向けの趣味という印象がありますが、タミヤの最新戦車モデルなどパーツ数も少なく、成形色も生かせば初心者でも塗装まで簡単に完成させることが可能です。
また、昨今の水性塗料は性能も向上しており、筆者が愛用しているファレホだけでなく国内外様々なメーカーが魅力的な塗料を発売しています。いつもはキャラクターモデルを無塗装で制作して楽しんでいる方やミリタリーモデルの完成品を購入して楽しんでいる方も一度、スケールモデルを自身で塗装し完成させてみるのは新しい発見があって楽しいのではないでしょうか。
筆者も子供時代はキャラクターモデル、無塗装専門でプラモデルを楽しんできました。その後、スケールモデルに触れることで新しい発見やキャラクターモデルにはないリアリズムを感じることができましたし、塗装によって自身がプラモデルに対して自己表現を行なう楽しさを知ることできました。もし、この記事を読んで少しでも、自分が手を出していない分野に興味があるようでしたら、新しい扉を開いてみてはいかがでしょうか。
使用塗料
- 履帯:モデルカラー ブラック
- 転輪ゴム部分:モデルエアー タイヤブラック
- OVM金属部:メカカラー ダークスチール
- 機関砲銃身:モデルエアー ガンメタル
- OVM木工品:パンツァーエース 新木色
- レザーベルト:パンツァーエース レザーベルト色
- 布製品:モデルカラー カーキ
- ジェリ缶:モデルカラー ジャーマングレー
- マフラー部分:ゲームカラー カッパー + モデルカラー カーキ
- 尾灯:メカカラー レッド
- 尾灯:パンツァーエース スプリンター迷彩色1
- トップコート:マットバーニッシュスプレー
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