特別企画

100円ショップのプラモ工具でプラモデルを作ってみた【春特集】

 プラモデルの組み立てにはニッパーやデザインナイフなどのプラモデル工具が必要となる。入門向けのリーズナブルなものから玄人向けの高級品などその種類も多種多様だ。

 弊誌では春企画と題して、様々な入門企画を実施しており、本稿ではとりあえずプラモ工具を揃えたい方に向けて、100円ショップで販売されているアイテムを使ってプラモデルを組み立て、その性能とプラモデルの出来栄えを紹介したいと思う。

100円ショップで販売されているプラモデル工具

 プラモデル工具といえば、ニッパーやデザインナイフ、やすりなどが入門向けのアイテムとして紹介されている。そして、プラモデル専用の工具が様々なメーカーから販売され、価格もリーズナブルなものから高価なものまで幅広くある。

 今回はダイソーなど100円ショップで手に入る手に取りやすく、揃えやすいものを中心に紹介していく。ランナーからパーツを切り離すニッパーやパーツのゲート跡を処理するデザインナイフ、ヤスリといった基本的なもの、合わせ目消しに使えるエポキシ接着剤などプラモデルで使用する材料もピックアップする。

カッターマット(税込330円)、ミニニッパー(税込110円)、デザインナイフ(税込110円)
3ステップつめみがき(税込110円)、スポンジヤスリ(#600/#800/#1000)(税込110円)
クリアエポキシ強力接着剤(税込110円)、瞬間接着剤用スティック(税込110円)
ダイヤモンドやすり 3本セット(税込110円)

 本稿ではコトブキヤより発売された「バーゼラルド Animation Ver.」を使用して、各工具の性能を見ていく。

コトブキヤ「バーゼラルド Animation Ver.」

ミニニッパー&デザインナイフ

□「ダイソーネットストア」の「ミニニッパー」ページ
□「ダイソーネットストア」の「デザインナイフ」ページ
□「ダイソーネットストア」の「300円カッターマット(B4サイズ)」(税込330円)ページ

 最初はプラモデル組み立てに必須ともいえるニッパーを紹介していく。

 ダイソーにて販売されているミニニッパーはプラモデル制作に使えるほか、線材・コードにも使用できるものとなっている。使用感としてはランナーの切り離しはできるものの、切る刃の位置によって力を必要とする。

 また、切り口も外側は山なり、内側もつぶしたような形になる。ミニニッパーは「切る」というより「つぶす」感覚に近い印象を受けた。

ランナーの枠で試し切り。太めのパーツを切るにはかなり力が必要となる
外側の切り口。断面は山なりになる
内側の切り口は圧力をかけてつぶして切ったような形となる

 太いプラ材の切断は厳しいが、ランナーの切り離し自体をすることは可能だ。

 しかし、上述の切り口の問題もありなるべくパーツから離れた箇所からの切り離しが必要となる。パーツに近いとパーツそのものの破損が懸念され、特に小さいパーツの場合はつぶしてしまう可能性もある。

 なので、なるべくパーツに繋がる箇所はゆとりをもって切り離し、さらに余裕をもって二度切りする。

 場合によっては一方を切断する際にもう一方に負荷がかかり、接続されているパーツの根元から抉れてしまうという事態もあった。

パーツの切り離しは余裕をもって切り離す
二度切りの際もなるべく余裕が欲しいところ
小さいパーツも余裕をもって切り離す

 ミニニッパーではゲートが残るため、ここでデザインナイフを使用する。

 こちらはゲートを削るようにして刃を添わせ、平面になるようにしていく。使い心地も引っかかりなどはなく、ゲート処理が可能だ。個人的な印象として刃先が大きめなので、指を先を切ってしまないように使用の際には注意してほしい。

デザインナイフでゲートを処理
成型色にもよるが断面の白化も抑えられる

 ミニニッパーとデザインナイフのみで組み立てた状態の「バーゼラルド Animation Ver.」を見ていこう。

 組み立てすることができ、ゲート処理によるはめ合わせの悪さなどはなかった。出来栄えに関しても、大きく見栄えを損なうことなくポージングも楽しめる。

「バーゼラルド Animation Ver.」
非武装状態にすることもできる