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【ゲームマーケット】押すかどうか迷うボタンを作る「あの日押したボタンの名前を僕達はまだ知らない。」と色で遊ぶカルタ「iC」
2020年11月17日 00:00
- 11月14、15日開催
- 会場:東京ビッグサイト(青海展示棟)
- 入場料:1000円(税込)より(時間帯で変動)
「ゲームマーケット」の同人エリアには、個人やサークルなどが制作したユニークなゲームがたくさん出展されている。同人エリアの出展数は軽く300を超えているが、その中で筆者が特に面白いと思ったボードゲームを2つ紹介したい。
押す人と押さない人がわかれる押しボタンを作る「あの日押したボタンの名前を僕達はまだ知らない。」
wadacaが出展していた新作ゲームが「あの日押したボタンの名前を僕達はまだ知らない。」(通称あのボタ)だ。もちろん、タイトルは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」からだろうが、中身は全然関係なく、2枚のカードを組み合わせて、押すか押さないかが人によってわかれる押しボタンを作るのが目的のゲームだ。2枚のカードは、1枚が良いこと、もう1枚が悪いことになっており、ボタンを押すと必ずその両方の効果が押した人に降りかかることになる。
いわゆる悪魔のボタンと呼ばれるものだが、メリットとデメリットのバランスによって、押す人と押さない人がわかれることがある。例えば、「ギャンブルで必ず勝てる」と「お金を使えなくなる」という組み合わせだと、ギャンブルで勝ってお金を得ても、その代償としてお金を使えなくなるのでは意味がないので、ほとんどの人がボタンを押さないという選択を選ぶだろう。
しかし、これが「透明人間になれる」と「四国から出られなくなる」という組み合わせならどうだろうか? 四国に住んでいる人なら、メリットの方が大きいと判断する人は少なくなさそうだ。それ以外の人でも透明人間になれるなら、四国から出られなくなってもかまわないと考える人もいるだろう。このような絶妙に人によって判断がわかれる押しボタンを作るのがこのゲームの目的なのだ。
例えば5人でプレイしているとき、ボタンを押す派が3人、押さない派が2人とわかれた場合、その少ないほうの人数が点数となる。全員一致で押すことになったり、逆に全員一致で押さないことになった場合は0点となる。ルールは簡単だが、カードの組み合わせにセンスが要求される。大人数でプレイすると盛り上がりそうだ。「あのボタ」は、中身は同じだが、パッケージデザインが2種類用意されており、会場特別価格の2,000円で販売されていた。
また、「ワードスピード」もあわせて展示・販売されていた。こちらは新作ではないが、カードをめくって出たテーマに合うワードを素早く見付ければ勝ちという、知識とひらめきが要求されるゲームだ。こちらは会場特別価格として1,500円で販売されており、「あのボタ」と一緒に購入する場合は、セット価格3,000円となっていた。
文字を一切使わず色で遊ぶカルタ「iC」
実際に試遊して面白いと思ったのが、文字を使わずに色で遊ぶインテレクチュアルカルタ「iC」だ。iCの取り札(背景が白色)と読み札(背景が黒色)は、8色の中から選んだ3色で塗られた図形が描かれている。8色の中から3色を選ぶ組み合わせの数は、8C3で56通りとなるが、iCの取り札と読み札も56枚ずつ用意されており、同じ色の組み合わせは1枚しかない。
また、図形もさまざまだが、同じ色の組み合わせの取り札と読み札は同じ図形が描かれている。iCの遊び方は3通りある。1つめの遊び方は、読み手が読み札を見て、その色を「オレンジ、黄、紫」のように読み上げる。プレーヤーは、その3つの色の組み合わせでできている取り札を探すことになる。先に取った人がその札を獲得でき、札がなくなるまでプレイして、一番多く札を取った人が勝ちとなる。
2つめの遊び方は、読み手が読み札の色が読み上げるのではなく、ふせた読み札を表にしてプレーヤーに見せ、同じ色の組み合わせ(図形も同じになる)を探すというルールだ。そして、3つめの遊び方は、読み札と取り札を全て伏せてバラバラに並べて、神経衰弱を行なうというものだ。神経衰弱はかなり難しそうだが、1つめと2つめの遊び方なら、まだ文字を満足に読めない幼児でも、大人と対等に遊ぶことができる。
カードの図柄デザインも美しく、合宿や花見などみんなが集まる場所で気軽に楽しめるゲームだ(コロナ禍でなかなか集まるのは難しいが)。もちろん、家族でプレイするにもお勧めだ。筆者もわりとこういうのは得意なつもりだったのだが、買って帰って家でプレイしたら、娘に全然かなわずショックを受けた。