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【静岡ホビーショー】全長370mmの「1/48 マクダネル・ダグラス F-4B ファントムII」の迫力!

大型モデルならではの"剛性"も追求した、ファントムIIプラモデルの決定版

7月発売予定

価格:8,360円(税込)

 全長370mm、全幅244mmと大迫力のサイズで会場で強い存在感を放っていたのが、タミヤの「1/48 マクダネル・ダグラス F-4B ファントムII」だ。ベトナム戦争でも活躍した初の本格量産型である"アメリカ海軍型のF-4B ファントムII”を再現したプラモデルとなる。会場で担当者に本キットの特徴を聞くことができた。

初の本格量産型である"アメリカ海軍型のF-4B ファントムII”を再現したプラモデルとなる

 本キットの最大の魅力は"初の本格量産型の再現"。日本の自衛隊でも配備されたため国内でも人気の高いファントムIIだが、初期生産型は立体化される機会が少ないという。もちろん今後のバリエーション展開も視野に入れている。「アメリカ海軍型のF-4B ファントムII」の大きな特徴は"主翼の膨らみ"。ファントムIIのランディングギアのタイヤは太く、収納する主翼に膨らみを持たせなくてはならなかった。この膨らみを再現しているプラモデルはなかなかないとのことだ。

 機首のレーダーを覆うレドームはその後のバリエーションに比べると短いところも特徴だ。そして改めて目を引くのは派手なマーキングである。現代の戦闘機はステルス性を重視することもあって地味だが、この時代の戦闘機はとても派手だ。キットには様々なバリエーションを表現するための豊富なデカールが用意されている。第二次大戦のプロペラ機から受け継ぐサメの口のような機首の塗装「シャークマウス」ももちろんある。

太いタイヤを収納するために主翼部分に膨らみが造形されている
独特の短い機首を再現
キャノピーは横がわずかに膨らむΩ型になっている。このためスライド金型を使用し成型している

 コクピット周辺、ランディングギアの形状、分割することで極限までディテールとリアリティを追求したエンジンノズルなど、その精密な再現度は本当に感心させられるが、本キットの大きな特徴は「組み立てやすさと剛性」だという。翼を支えランディングギアを収納できる「主桁パーツ」は特に堅牢な設計になっており、機体をしっかりと支える。

 この構造は2016年に発売した「1/48 グラマン F-14A トムキャット」からのフィードバックも大いに活かされているとのこと。F14は可変翼機だったためさらに翼を支えるのが困難だった。翼が垂れ下がったりすることがないように主桁パーツでしっかり支える必要があった。このパーツにはランディングギアを下ろした状態で飾る際にも機体の全重量が集中する。またプラモデルを手で持ったときも機体全体を支える部分である。

エンジンノズルの詳細な造形を再現するために細かいパーツ分割を行なっている
機体の様々な荷重がかかる「主桁パーツ」は特に堅牢な設計になっている

 もう1つ、前輪のランディングギアを収納するブロックも後部が伸び、左右のパーツををしっかり支える"柱"が設定されている。この柱があることで機体の上部をつまんで持ったりするときに、パーツがゆがんだり背中部分で剥がれたりしないようにしっかり構造を支える仕組みだという。

 戦闘機のプラモデル、特に大型モデルは耐久性や組み立てやすさを考え、あえて実機の内部構造の再現ではなく、模型としての設計を優先させる工夫も取り入れている。もちろんタミヤだからこそ可能な、「プラモデルを組み立てることでの実機への理解を深める」という模型の"本質"はしっかり追求しながら、これまでの経験や工夫も詰め込んでいるとのことだ。

全部ランディングギア収納ブロックは機体中央にパーツが伸び、左右を支える柱に接続されている。機体を手に持ったときの加重を支える工夫だ

 今回未塗装に墨入れのみのバージョンを見るだけでなく触らせてもらったが、やはり大型の戦闘機のプラモデルを手に持ったときの心の高鳴る感じは格別だ。戦闘機が好きだなあと自分の気持ちを改めて再確認できる。墨入れだけでもものすごくカッコイイし、作例のようなっ派手なマーキングまで施したものは本当にすごい。ファントムIIの決定版といえるプラモデルだろう。

主翼の折りたたみや、キャノピーの開閉など様々な表情が選べる
豊富に用意されたデカール