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【静岡ホビーショー】「機動動姫MoMo」がエムアイモルデのブースに出展。クリエイターの強い思いが込められた、ハイクオリティでフェティッシュな女性型メカだ

【機動動姫MoMo オルカ/ドレッドレッド】

3月発売

価格:4,950円(税込)

 静岡ホビーショーのエムアイモルデ/キャビコブースに、同社から発売中のプラモデル「機動動姫MoMo」が出展され、企画検討中のバリエーションも展示された。この「機動動姫MoMo」は、ゲームクリエイターから造形作家へと転身した島本娼弘氏が手がけるオリジナルキャラクターで、同氏のオリジナル造形に対する強い思いが商品化に繋がっている。同ブースには島本氏が来場していたので、MoMoに対する思いを聞いてみた。

「機動動姫MoMo」。左が「オルカ」、右が「ドレッドレッド」。1/144スケールで、全高は185mm

 島本氏はゲームメーカー在籍時より、ガレージキットでオリジナルのロボット作っていて、その頃に作った女性型ロボットがファンから好評だったことから、2011年の震災の自宅待機の際に、MoMoの原点となった女性型ロボのガレージキットを製作する。それが中国のバイヤーの目に止まり、PVCのフィギュアとして商品化されることとなり、島本氏の作品が世界中の造形ファンの目に止まることとなった。

 PVCの完成品フィギュアは高価かつ再版もしにくいことから、より安価でユーザーの元に届けるために、プラモデルでの発売を計画する。その資金をクラウドファンディングで集い、さらに同時期に会社を退職したことで手にした退職金も費やし、エムアイモルデの協力よりついにMoMoを商品化するところまでこぎ着ける。

造形作家の島本娼弘氏。株式会社侵略ロボ代表。「侵略ロボ」はかつて島本氏がガレージキットで製作していたオリジナルのロボットの総称で、その当時筆者も購入したことがある

 しかしそこからの商品開発は容易ではなかったそうだ。自身が手がけてきた樹脂の塊を組み立てるガレージキットとは根本が異なり、プラモデルのようなインジェクションキットは、デザインを少しでも変えたりするとパーツの構成から見直さなければならないことが最も苦労した点だとか。一方でMoMoの造形は島本氏のオリジナルなので、パーツの構成に懸念が出た場合は、デザインをアドリブ的に変更することで対処できることもあったという。

MoMoのオルカカラー。写真のような“モデル立ち”ができるのも、このキットの魅力なのだとか
こちらはドレッドレッドカラー。“悪者側”をイメージしたカラーリング

 メーカーとの密なやりとりを繰り返し行いながら開発を進めてきたことで、かなりの時間を費やし、クラファンの目標資金達成後1年で発売するところを2年半かかってしまい、出資者への謝意を示しつつも、商品としては納得のいくクオリティで出すことができたとのこと。セクシーな女性でありながら、異形の姿も持ち合わせたバランスは島本氏の趣味や好みが強く反映されていて、他社から発売されている女性型のプラモデルとはルックスもシルエットも一線を画している。

 MoMoは“地球人が異星人から借り受けた量産型のロボット”という設定があり、キットもパーツによって色分けされているので好みの色で塗装ができ、さらに本体の要所に3mm径のハードポイントが設けられているので、ユーザーがカスタマイズする自由度を豊富に盛り込んでいる。パーツは頭部などがあえて余剰パーツとなるように構成されていて、それを改造するなどして、自分だけの機体を作ってもらいたいと島本氏は述べている。

肩や腕のカバーを外した場所などに3mm径のジョイント穴が用意されている
武器は太刀、直刀、ハンドキャノンが付属している。もちろん他のキットの武器を持たせてもいい

 ブースに参考展示されたMoMoは、髪型やバストサイズなどをパーツ交換によって変更したバリエーションで、今後のラインナップとして検討中とのこと。またクラウドファンディングの返礼品にもあった大がかりな改造パーツは、「オートクチュール」という名称で、少数生産のレジン製ガレージキットとして販売する計画もあるという。

MoMoのバリエーションの試作品。髪型だけでもずいぶん印象は変わる

 現在は2種類が発売中の「機動動姫MoMo」。MoMoの姿にグッときたという人はぜひ店頭で手に取って、島本氏のオリジナルメカに対する思いを感じてみてほしい。