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「D&D」もまもなく生誕50周年! 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」WotC日本語版、12月16日に一気に6製品を販売

11月21日開催

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(以下WotC)は11月21日、テーブルトップRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」WotC日本語版の2023年戦略発表会をオンラインにて開催した。

 世界に5千万人以上のプレイヤーが存在するファンタジーRPGで、12月16日に同社が発売する日本語版全6製品を紹介し、今後のマーケティング戦略について発表した。また発表会の後半にはゲストにコスプレイヤーのえい梨さんとシスルさん、そしてダンジョン・マスターのFighter-KOU氏が登場し、今回発売されるバージョンを使用したデモンストレーションも行われた。

 日本では「テーブルトークRPG」という呼称が一般的だが、本稿ではメーカー側の呼称に従い、「テーブルトップRPG」とする。

生誕50周年! 世界初のロールプレイングゲーム

 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(以下、D&D)は、1974年に発売されたテーブルトップRPGで、2024年に生誕50周年を迎える、世界初のロールプレイングゲームだ。テーブルトップRPGとは、紙と鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに基づいて遊ぶ、対話型のロールプレイングゲームのこと。

 このD&Dでは、子供の頃に遊んだ「ごっこ遊び」のように想像力を働かせ、プレイヤーは冒険者となり、剣と魔法の世界を旅する物語を頭に想像しながら楽しんでいくゲームとなる。ごっこ遊びと違うのは、プレイヤーが行う行動の結果がサイコロによって左右されるということ。戦闘での攻撃が当たったか外れたか、高いがけを上りきれたか否か、といった行動が、振ったサイコロの出目によって決まる仕組みだ。

 その遊び方は、「ダンジョン・マスター」という進行役が参加プレイヤーに対して現在の場面を詳しく説明し、それぞれの選択肢を提示。それに対してプレイヤーはどんな行動をするかを決めたら宣言し、ダンジョン・マスターはその行動をどう解決するかを決定する。例えば部屋の中でプレイヤーがドアを開けたいと思ったら、ダンジョン・マスターは「ドアが開く」とだけ言い、ドアの向こうにあるものを説明する。

 またドアにカギがかかっていたり、致命的な罠が仕掛けられていたりと、プレイヤーの目的が困難になるケースもある。多くの場合はその後に何が起こるかは、サイコロの結果次第で決まる。こうした流れはゲーム内で決断が必要な全ての場面で繰り返されていく。

 WotCは12月16日にこのD&Dの最新版の関連商品6種類を発売する。それに先駆けて、8月にはブランドムービーが公開となっている。

【TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」日本オリジナル ブランドムービー】

スタータセットから拡張ルールまで一気に6製品を展開

 「スターターセット」はD&Dを始めるための作成済みキャラクターシートやルールブックなど、初心者が短時間でプレイするのに適したセット。価格は2,200円となる。ゲームの基本ルールに加えて、古代のドラゴンの争いに巻き込まれた傍系者がストームレック島の秘密を探す「竜たちの島ストームレック」のアドベンチャーブックが付属する。

 「デラックス・プレイボックス」はより深く遊び込んでみたい入門者以上向けのセットで、こちらの価格は2,750円。ダンジョン・マスター1人と1人~5人のプレイヤーがキャラクターを作成し、冒険を楽しむために必要なマスタースクリーンやマップなど、全てがセットされた豪華版。アドベンチャーブックは「アイススパイヤ山の竜」。

 「プレイヤーズ・ハンドブック」はD&Dを遊ぶプレイヤーが参照して使うハンドブック。価格は5,500円となっている。キャラクターの作り方や、レベルアップ、背景、技能、探検、戦闘、装備、呪文、といった様々なルールが記されていて、これを使って、D&Dを代表する種族やクラスの中からプレイヤーの分身となキャラクターを作っていく。

 「モンスター・マニュアル」はD&Dでおなじみのドラゴン、ジャイアント、マインド・フレイヤー、ビホルダーといった多数のモンスター達が描かれたその背景やゲームに登場させるためのデータも用意されたガイド。価格は5,500円。ダンジョン・マスターはこの中からシーンにふさわしいモンスターを選び、冒険の臨場感を高めていくのだ。

 「ダンジョン・マスターズ・ガイド」ダンジョン・マスターがD&Dを進めるにあたって必要なデータが詰まっていて、D&Dが始まってから現在まで受け継がれる数百のアイテムや各種オプションルールなどを収録。価格は5,500円となる。参加したプレイヤーが冒険の世界により没頭できるような世界構築を手助けするものだ。

 「ザナザーの百科全書」はコア・ルールブックからさらにゲームを拡張し、D&Dを深く遊ぶためのガイドで、価格は5,500円。「プレイヤーズ・ハンドブック」はキャラクタークラスに25種以上のサブクラスが登場。新しい呪文や種族特技のコレクション、キャラクターにランダムにバックストーリーを付与するシステムなど、よりコアなプレイを可能とする。

 12月16日発売のこれら6製品は、全国100店舗以上で取り扱われ、オンラインショップ、ECサイトでも販売されることとなっている。前述のブランドムービーに続き、年末から来年の春にかけては、YouTubeやTwitterなどのSNSで広告配信も行われる。

 人気アーティストの百瀬寿氏によるコラボイラストの他、今後も著名なアーティストとコラボし、日本オリジナルのD&Dキャラクターイラストやキャラクターシートも順次発表。百瀬氏が手がけたイラストをあしらったオリジナルダイストレイのプレゼントキャンペーンも12月16日より実施される。

 また11月21日より、D&D初心者のための「はじめてのD&D」がYouTubeにて公開された。発売される「スターターセット」などをもとに、誰にでもわかりやすい内容で、ステップアップする形で順次アップされていくこととなっている。

【【はじめてのD&D】「基本の遊び方」- ダンジョンズ&ドラゴンズの遊び方】

 来年2023年以降の予定としては、日本初登場の作品を4作品以上発売予定で、さらにD&Dの映画も公開される。翌2024年にはデジタル化の展開も見据え、生誕50周年に向けてさらに盛り上がりを見せていく予定だ。

 発表会後半ではコスプレイヤーのえい梨さんとシスルさんが登場。事前に収録されたD&Dの体験プレイの映像を元に、その手応えを語った。

左からD&Dのファイター姿のえい梨さんと、ウィザードの姿のシスルさん、そしてダンジョン・マスターのFighter-KOU氏

 2人とも初めてのゲームプレイながら、ダンジョン・マスターのFighter-KOU氏の手ほどきで、すぐに楽しむことができたとのこと。「サイコロを振って会話して進んでいくだけなので、ルールは凄くわかりやすかった」というえい梨さん。猪突猛進のプレイスタイルのえい梨さんに対し、シスルさんはそれを止める役目に回ったそう。また2人とも複数用意された多面体ダイスには興味津々で、えい梨さんは20面体ダイスを振っていきなり1が出て、シスルさんは20を出したというレアな展開もあったとか。

 プレイヤーの意志ではなく、ダイスの出る目でゲームが進んでいく、出目に翻弄される面白さを感じたというえい梨さん。一方シスルさんは、マスターからの選択やダイスの振り方に色々と悩んだところに奥深さを感じたそうだ。

 Fighter-KOU氏は2人のような初心者は、ある程度キャラクターができあがった「スターターセット」で始めて、キャラクターシートを読んでイメージを作って遊ぶのがいい勧めた。初めて遊ぶ人にはハードルが高そうに見えるが、今回発売されるボックスセットの2種はそのハードルは取り払われているので、ぜひここから入ってきていただきたいと述べた。