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ダイキャスト製ゼロがついに完成! ダイキャスト大戦機シリーズ「零式艦上戦闘機五二型」【#静岡ホビーショー】

わずか600機の限定生産、出荷は2024年に

【第61回 静岡ホビーショー】

開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)

入場料:無料

場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)

※一般公開日の入場受付は終了

 昨年の静岡ホビーショーに初出展され、1/32スケールのダイキャスト製、細部までこだわり抜いた造形、多彩な可動ギミックといった要素から、ミリタリーアイテムの中でも指折りの話題を集めたホビージャパンの「ダイキャスト大戦機シリーズ 1/32 零式艦上戦闘機五二型」。静岡ホビーショー2023では、塗装済みのほぼ完成品のモデルが展示され、関係者や海外のバイヤーから高い注目を集めていた。

【ホビージャパンブース】
HJMコーナー

 昨年取材していた時点では、夏から秋頃に受注開始、年明け以降に出荷というスケジュールだったが、大幅に発売が遅れている理由は、中国生産であることが大きいという。新型コロナで工場が動かなかった時期が長かったことに加え、日本と中国とのやりとりで、指定した修正項目がなかなか直らず、そのやりとりに時間を費やしてしまったという。2023年に入り、開発自体は最終段階に入っており、あとは発売ギリギリまで細かい修正を繰り返していくという。

【ダイキャスト大戦機シリーズ 1/32 零式艦上戦闘機五二型】

 中国との数度のやりとりを経て、ようやく仕様的にも固まったということで、たとえば、脚の収納ギミックにおける収納部分の仕様や、脚位置指示装置の連動要素、あるいは搭乗員がコクピットに乗り込むための引き出し式の足掛けギミック。これを専用工具で出し入れを可能にしたり、はたまた搭乗員を“乗せない”場合に座席に配置するシートベルト、さらに細かいところでは、立ちポーズの搭乗員に、搭乗時に“座布団”として使われたとされる九七式落下傘を腰に装着させ、かつ軍刀を装備するなど、微に入り細を穿つ仕様が盛り込まれている。

【細かいギミック】
脚部収納ギミックは、細かい工夫を取り入れ綺麗に収納できるようになっている
これが足掛けギミック。小さすぎて指では操作できず、専用工具で出し入れを行なう
腰に装着した九七式落下傘。これが搭乗員の座布団になったという

 昨年の出展では無塗装状態のプロトタイプを出展していたが、今回は機体、操縦席、各種付属品まですべて細かく塗装が施され、完成品がイメージできるようになっている。今回は展示していなかったが、パッケージも完成しており、どう収納するかも確定しているという。完成品シリーズとして、フィギュアのように複数の部位にわけられて収納され、簡単な嵌め込み操作とマグネットの接着によって完成となる。

【分割・可動箇所一覧】

 全長28.5cm、機体重量は700g。当初の予定よりやや軽くなっているが、それでもプラモデルの浮くような軽さと比較すると、ダイキャストの重みは圧倒的なものがあり、「手に持ったときのズッシリ感、これが味わえるだけで価値の半分ぐらいはあると思います」と開発担当の高橋誠氏は語る。

【本体はダイキャスト製】

 手に持って飾って終わりではなく、あちこちの可動部位を動かすのも楽しみのひとつ。プロペラやエンジンカウル、栄エンジンなどはすべて着脱可能となっており、プロペラはプロペラピッチを変えてみたり、栄エンジンはカウルを外してむき出しの状態にすることで当時のエンジンのディテールを愉しむことが出来る。

【栄エンジン】

 搭乗員フィギュアは、当然、座位の体勢で搭乗させることができるが、プラモデルのように不自然な形状をした“後乗せ”フィギュアではなく、自然な造形の人型フィギュアを再現するために“先乗せ”で、そのために機体をわざわざ分割して収納する形を採っている。先述したように搭乗員を乗せない時用に、“シートベルトだけのフィギュア”も用意されており、いずれにしても実機に即した仕様で鑑賞を愉しむことができる。

【フィギュアは先乗せ】
操縦席は、搭乗員を乗せるために分割機構が取り入れられている
付属する2種類の搭乗員フィギュア。細かく塗装されている

 バリエーションとしては、「第601 海軍航空隊 空母大鳳搭載機(中島製機)」と、「第253 海軍航空隊 岩本飛曹長機(三菱製中期型機)」の2種類が用意され、受注数に応じてそれぞれの生産台数は変わるとしている。今回は両機とも塗装済みの状態で展示されていたが、単にカラーリングや撃墜数、機体番号等の表示が異なるだけでなく、同じ五二型でも製造メーカーが異なることから、エンジン周りの耐熱版や排気管などの仕様が異っており、これも別々の金型で対応している。

【2種類のバリエーション】
比較的オーソドックスなスタイルの「第601 海軍航空隊 空母大鳳搭載機(中島製機)」
こちらは撃墜マークが派手派手な「第253 海軍航空隊 岩本飛曹長機(三菱製中期型機)」

 気になる出荷時期と価格については、「いずれも未確定」としつつ、遅くとも年内の受注開始、2024年1月頃出荷を予定し、価格は50,000円前後になる模様。600機限定生産で、再生産の計画はない。本シリーズは、日本の模型ファンのみならず、海外バイヤーも高い関心を寄せており、争奪戦になることは間違いなさそうだ。

 発売後の展開については、「すべて本機のセールス次第」ということだが、好調に推移すれば、更なるバリエーションや、別の機体の企画が動く可能性もあるという。カテゴリとしてはあくまで戦闘機だが、日本のみにこだわらず、ヨーロッパの機体にもチャレンジしたいという。

【ダイキャスト大戦機シリーズ 1/32 零式艦上戦闘機五二型】