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ホビージャパン、ついにSタンクをキット化か!? 「HJM」新作を予告【#静岡ホビーショー】

【第61回 静岡ホビーショー】

開催日:5月10日~14日(一般開放は13~14日)

入場料:無料

場所:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)

 ホビージャパンの1/35プラスチック製組み立てキットシリーズ「HJM」は、寡作ながらハイクオリティのプラモキットとしてファンからの支持が厚いシリーズだ。3月には、昨年の静岡ホビーショーで話題を集めた「1/35 陸上自衛隊 74式戦車」が発売開始となったばかりで、現在制作中という模型ファンもいるのではないだろうか。

 静岡ホビーショー2023では、「1/35 陸上自衛隊 74式戦車」の新バリエーションとなる「1/35 陸上自衛隊 74式戦車 評価支援隊」(2023年夏発売予定)と、昨年から継続出展となるダイキャスト製「1/32 零式艦上戦闘機52型」(発売未定)が出展されていた。これらについては改めて別稿にて詳しくお伝えするつもりだが、気になったのはそれらの展示の中央に置かれていたポップだ。

 赤地に黒いシルエットが複数描かれ、ど真ん中を貫くように「企画進行中」の文字。このポップはメディアも撮影禁止ということで、モザイク付きでお届けしている次第だが、シルエットから予想するのは自由ということで、レポートしたい。

 「HJM」シリーズは、陸上自衛隊をモチーフにしたミリタリーシリーズが主力商品だが、シルエットには、ややオールドスタイルの単車、第二次世界大戦期の戦闘機、同じく第二次世界大戦期から比較的新しい時期までの戦闘車両が複数描かれている。このシルエットから確定的に言えるのは、「HJM」は陸自はおろか、ミリタリーというジャンルからもはみ出す形でラインナップを拡張する計画を立てているということだ。

【企画進行中】
モザイクなしを見たい方はぜひ会場に足を運んでいただきたい

 中でも目を惹いたのは上から4つ目に描かれている扁平なシルエットに、鋭く伸びた主砲という戦闘車両。これはもう戦車のシルエットとしてもっともわかりやすい“Sタンク”ことStrv.103以外にない。スウェーデンが誇る駆逐戦車であり、砲塔を持たない特異なシルエットと、専守防衛に特化した設計。「World of Tanks」や「War Thunder」などのミリタリーゲームにも登場する人気車両だ。

 開発担当の高橋誠氏に率直にSタンクのキット化について尋ねると「現時点ではこれがSタンクかどうかも含めて何も言えない」ということだったが、Sタンクに対する想いを聞くと、スウェーデンの国防を担った象徴として、モデル化は当然「したい」という。また、いち模型ファンとして過去にキット化されたSタンクは、満足に行く水準にあるものは1つもなく、決定的なものを出したいという想いは「ある」という。

【Sタンク】
こちらは、英国ボービントン戦車博物館のSタンク。HEAT弾を防ぐための防護柵が特徴的

 これが何もないところから突然出てきた発言なら、単なる大言壮語、妄言の類いだが、「HJM」ミリタリーシリーズのクオリティの高さはすでに74式戦車で実証済みだ。もし、この74式クオリティでSタンクが出れば、日本のみならず世界の模型業界で大きな話題になるだろう。

 もっとも高橋氏は、先走る筆者を諫めるように、今年は今回出展している「1/32 零式艦上戦闘機52型」と「1/35 陸上自衛隊 74式戦車」の展開に注力するため、新キットの展開は早くても2024年以降になることも教えてくれた。というわけで、発売は少し先の話になりそうだが、非常に楽しみな新企画と言える。正式発表を心待ちにしたい。

【1/35 陸上自衛隊 74式戦車 評価支援隊】
「1/35 陸上自衛隊 74式戦車」のバリエーションキットとなる「1/35 陸上自衛隊 74式戦車 評価支援隊」
【1/32 零式艦上戦闘機52型】
2年連続の出展となった「1/32 零式艦上戦闘機52型」。いよいよ完成間近だ