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赤ちゃんはNSXのエンジン音で笑顔に! タカラトミーアーツ「赤ちゃんスマイル Honda SOUND SITTER」開発者が語る誕生エピソード【#東京おもちゃショー】
2023年6月8日 20:06
- 【東京おもちゃショー2023】
- 開催期間:
- 6月8日~9日(商談見本市)
- 6月10日~11日(一般公開)
- 会場:東京ビッグサイト(東京都江東区有明 3-11-1)
- 入場料:小学生以下無料・中学生以上1,500円
タカラトミーアーツブースで大きくアピールされていたのが「赤ちゃんスマイル Honda SOUND SITTER」。タカラトミーアーツとホンダが共同開発した、「赤ちゃんが笑顔になる玩具」だ。10月発売予定で価格は8,250円。
「赤ちゃんスマイル Honda SOUND SITTER」は、「エンジン音が母親の胎内での赤ちゃんが聞いていた音に近い」という事象を発見したホンダが協力者を募って実現したプロジェクト。この音を発する赤い車のぬいぐるみを赤ちゃんのそばに置くことで、赤ちゃんが楽しそうな笑顔になるという商品になっている。
子供が抱きやすい赤いぬいぐるみ、そこから響くエンジン音は実はホンダのスーパーカー「NSX(2代目)」だという。一方ぬいぐるみの外見のモデルは1965年の「ホンダS600クーペ」。この商品がいかにして開発されたか、今回会場で本商品の開発者であるホンダコーポレート戦略本部の登那木直氏と、タカラトミーアーツの事業統括本部の神田修一氏に話を聞くことができた。
ホンダは「エンジン音が母親の胎内での赤ちゃんが聞いていた音に近い」という研究結果を社会に役立てようと考えていた。2018年12月にサウンドヒーリング協会の協力を得た上で研究成果を発表し、「そばに置くことで赤ちゃんが喜ぶ車のぬいぐるみ」のプロトタイプを提示した。ここにタカラトミーアーツが商品化で立候補してくれたとのこと。
「なぜNSXなのか?」という質問に登那木氏は「赤ちゃんが笑顔になる低音のエンジン音はNSXだった」と答えた。ホンダは30種類以上の様々な車種のエンジン音を試した。その中で母親の胎内の音に周波数が近いのは、スポーツカーのエンジンの低音域の音だったという。NSX、S2000、インテグラといったスポーツカーだった。その中で赤ちゃんが泣いたときに音を聞かせて、赤ちゃんが泣き止み笑顔になったのが、NSXだったという。
神田氏は2018年当時から積極的にこの商品に意欲を示していた開発者だった。その想いは2022年にかない、商品化がスタートする。デザインはNSXのチョロQ型などいろいろなアイディアを提案したが、「赤い車のぬいぐるみがいい」ということで「ホンダS600クーペ」をモチーフとした。
赤ちゃんのそばにあるぬいぐるみと言うことでデフォルメしたかわいらしいデザインになったが、フロントやロゴマークなど、監修はホンダのスタッフが担当し、こだわりが活かされている。タカラトミー側では赤ちゃんが口に含んでも大丈夫なようになど、安全安心への配慮は特に力を入れた。洗濯も可能になっているという。
「ホンダの夢をタカラアーツが叶える」というのが本商品のコンセプトだ。その名の通り赤ちゃんが笑顔になる商品になったのか。単純にエンジンサウンドを出すだけなら音声ユニットはずっと小さくできる。しかし赤ちゃんが笑顔になるエンジン音をきちんと聞かせる形にするためのユニットにするには試行錯誤を重ねたという。
"低音"というのもポイント。チープなスピーカーでは求める低音が出せないのだ。しっかりしたスピーカー部品が使われているとのこと。玩具メーカーのノウハウがなければこの商品は実現できなかったとのこと。神田氏は試作品を孫に渡してみて孫の女の子が笑顔になるのもちゃんと確認したとのことだ。
「赤ちゃんに喜ばれる玩具」というのは、実は非常に需要が高い。夜泣きや機嫌が悪くなるなど、言葉の話せない赤ちゃんは何が原因でそうなるかがわからず心配してしまう。赤ちゃんを笑顔にする玩具は求められているのだ。
その要望に応える玩具として、NSXのエンジン音を聞かせる車のぬいぐるみというのは、ユニークなコンセプトだ。丸っこいぬいぐるみボディにホンダのこだわりが詰まっているというのも面白いところだ。