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タカラトミーの月面探査ロボット「SORA-Q」が一般発売決定!【#東京おもちゃショー】

実物と同じ大きさと動きを実現し、アプリ操作で月面探査気分を味わえる

【SORA-Q Flagship Model】

9月上旬 発売予定

価格:27,500円

 JAXA、タカラトミー、ソニーグループ、同志社大学の共同開発によって作られた変形型月面ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」が、玩具仕様の「SORA-Q Flagship Model」として発売されることが決定した。その試作品が、「東京おもちゃショー2023」に出展され、注目を集めている。

タカラトミーブースの「SORA-Q Flagship Model」展示コーナー。8月にこのロボットを搭載して打ち上げ予定のH3ロケットのミニチュアも置かれていた

 「SORA-Q」は直径約8cm、重量約250gの球形をした月面探査ロボットで、着陸機から放出され月面に着陸すると変形し、走行可能な探査機へと姿を変える。球体の外殻がそのままホイールとなり、これを回転させて走行し、本体正面に備えられたカメラにより月面を撮影するのだ。タカラトミーは「ゾイド」や「トランスフォーマー」などの玩具開発で培った技術をこのロボットに提供し、変形機構や小型軽量を実現している。

「SORA-Q」の動作検証モデル。これと同等のものが月に送られる

 今回出展された「SORA-Q Flagship Model」は、素材や機能の一部に違いはあるものの、サイズや変形機構、動きなどを実物と同等に、タカラトミーがおもちゃとして開発したものだ。専用のアプリをインストールしたスマートフォンやタブレットで操作し、月面着陸時の変形から走行、カメラでの映像撮影、ARを使った月面探査ミッションなどを楽しめるようになっている。

「SORA-Q Flagship Model」。9月上旬発売予定。価格は27,500円(税込)
月面着陸時はこの形で投擲された後、変形して走行モードとなる。実物と同様、自動で球形に戻ることはなく手動で戻す仕様だ
本体上面にある黄色い部分にカメラを内蔵し、ジャイロセンサーで常にこの部分が上になるように制御されている。実物は前後を映せるが、玩具では前面のみとなる
後方に倒れないように、カタツムリの頭のようなスタビライザーがある

 面白いのは、左右のホイールの回転軸が中心からずれた設計になっていること。これは月面の凹凸や砂地などでスタックしないための仕様で、両方を同時に回転させる「バタフライ走行」と交互に回転させる「クロール走行」と、実物と同じ動きができるのだ。

【タカラトミー「SORA-Q Flagship Model」変形、走行映像】

 カメラは本体上部に設置され、撮影している映像がリアルタイムで手元の端末に送られる仕組みで、もちろん写真撮影も可能だ。さらにJAXAより提供された月面の地形データがアプリに組み込まれていて、ARによって月面を走る様子を体感でき、それを使った60種類のミッションを楽しむことも可能だ。

操作用アプリの画面。左右のホイールの制御で操作する。AR時は月表面の映像が合成される

 「SORA-Q」は、今年4月の民間月面着陸プロジェクト「HAKUTO-R」で月面着陸を目指していたが残念ながら失敗に終わり、次回は8月以降に打ち上げ予定のJAXAの月面着陸機「SLIM」に搭載される予定だ。月面着陸成功のあかつきにはぜひこの「SORA-Q Flagship Model」で、月面を走行する気分を味わっていただきたい。

カラーが異なる漫画「宇宙兄弟」とのコラボモデルも9月に発売予定。価格は33,000円(税込)
JAXAとコラボした「トランスフォーマー」や「リカちゃん」も発売予定