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タカラトミーの「SORA-Q」、月面での撮影、データ送信に成功

1月25日発表

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、1月25日、変形型月面ロボットによる小型月着陸実証機(SLIM)の撮影およびデータ送信に成功を発表した。リリースでは送られたデータによる画像を公開している。

 小型月着陸実証機SLIMプロジェクトは、将来の月惑星探査に必要な高精度着陸技術を小型探査機で実証する計画。「月の狙った場所へのピンポイント着陸」、「着陸に必要な装置の軽量化」、「月の起源を探る」といった目的を小型探査機で月面にて実証する探査計画である。

 小型月着陸実証機 SLIMは1月20日午前0:20に月面に着陸、地球との通信を確立した。しかしながらSLIMの着陸時の姿勢等が計画通りではなかったことから、太陽電池からの電力発生ができない状況にあった。今回、SLIMに搭載された変形型月面ロボット(Lunar Excursion Vehicle 2(LEV-2)、愛称「SORA-Q」)は、SLIMの撮影に成功した。

 これにより、SORA-Qは超小型月面探査ローバ(Lunar Excursion Vehicle 1(LEV-1)、以下「LEV-1」)と共に、日本初の月面探査ロボットになり、世界初の完全自律ロボットによる月面探査、世界初の複数ロボットによる同時月面探査を達成した。さらに、SORA-Qは世界最小・最軽量の月面探査ロボットとなった。

 SORA-Qから送られてきた映像では、SLIMが上下逆になって着陸しているのが確認でき、SLIMがなぜ太陽電池での発電ができないのか一目でわかる映像となっている。ちなみにSORA-Qの1/1スケールモデル「SORA-Q Flagship Model」はタカラトミーが2023年9月2日に発売しており、現在在庫切れとなっている。今回、歴史に残る映像を発信したSORA-Qには注目が集まっており、再販に期待したい。

【SORA-Q Flagship Model】
2023年9月2日に発売したSORA-Qの1/1スケールモデル「SORA-Q Flagship Model」。価格は27,500円