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一般ディーラーピックアップ、リアルでユニークな粘土造型「音波屋」、スコープドッグをペーパークラフトで表現した「リアルノッポサンズ」【#ワンフェス】
2023年7月31日 16:45
- 【ワンダーフェスティバル2023[夏]】
- 開催期間:7月30日10時~17時
- 開催場所:幕張メッセ国際展示場1~8ホール
ワンフェスは「日本最大のガレージキット即売会」である。フィギュアやプラモデル、小物など、様々な作品を作り出すクリエイターが、「ディーラー」として自分の作品を販売できる場所なのだ。
現在のワンフェスでは「商業ブース」と「一般ディーラー」に分かれ、商業ブースは商品フィギュアの見本市的な趣も強いが、それとは別に、一般ディーラーの個性的な出展と商品も大きな楽しみだ。そこには濃い作家性だったり、ユニークな切り口があり、商業作品とは異なる独特のこだわりがあって面白い。
本校では多数の一般ディーラーから食品をテーマにした小物を作っている「音波屋」と、ペーパークラフトを作成販売している「リアルノッポサンズ」をピックアップしたい。
ジオラマの技法を活かしたリアルでユニークな食品フィギュア「音波屋」
音波屋はずらりと並んだ商品が圧倒的な迫力で出迎えてくれる。「せくすぃーおすわり野菜」シリーズはまるで手足を持ったような形の大根とにんじんのみにフィギュア。踊っているように見えるもの、どっかりと座ったもの、こちらにお尻を向けたものなどポーズは様々。
食品系は唐揚げやラーメンなどかなりカロリーがあり、”どか盛り”と呼べそうなボリュームたっぷりの料理が並ぶ。造型、彩色、がりアルでまるで食品サンプルのようだがどの料理も妙な迫力がある。さらにキューピーちゃんがいくらにまみれていたり、ラーメンを纏っていたり、かわいらしさと不気味さの境界線にある作品もある。とにかくボリュームと、造型の見事さに圧倒されてしまう商品群なのだ。
音波屋は10年以上前からワンフェスで出展をしているとのこと。元々ジオラマ作家として活躍しているが、"粘土”の面白さにはまり、ジオラマの技法を活かしながら小物の作品を作るようになったという。リアルな情景ものから、不気味な生物など何でも作ることが得意とのこと。
今回の出展では麺は1本1本、米や納豆は1粒1粒すべて粘土で作ってくっつけている。型を作って量産するのではなく、1つ1つてで粘土を丸めて造型しているので同じものは1つとないという。麺の間から液状の樹脂を流し込みスープに見立てるなどこれまでのジオラマ技術が随所を随所に活用しているとのことで、話を聞いてから商品を見ると改めてその技術に驚かされた。
ペーパークラフトのアプローチで様々なキャラクターを表現「リアルノッポサンズ」
「リアルノッポサンズ」の作家赤間たつひろ氏は、児童誌の付録でのペーパークラフトも作成しているプロの作家だが、ワンフェスではその技術を活かし様々なキャラクターをペーパークラフトにしている。
そのモチーフは多彩で、メカ、ロボットにとどまらず「セーラームーン」の様な美少女キャラクターもペーパークラフト化するとのこと。ラシャ紙などモチーフに合わせた紙の素材を選択し、紙の台紙を折り曲げ接着することで立体化するペーパークラフトで様々なキャラクターを立体化している。
今回販売したのは「装甲騎兵ボトムズ」の「スコープドッグ」。メタリックな質感のある特別な紙で立体化している。スコープドッグならではの丸いレンズや、頭なども紙を折り曲げ組み合わせることで曲線を描き出している。
面白いのはスコープドッグの設定画そのままでは無く、一部のメカがむき出しになっているところだ。内部メカは色の異なる台紙を使うことで金属感が強まっている。外装を外し内部機構の見えた「カットモデル」のような趣もあるが、モチーフとしてはOVA「ビックバトル」で登場した、装甲を外し極限まで軽量化を目指した「ライトスコープドッグ」をイメージしているという。
そこから側面の装甲や太ももなども内部機構を見せ、独特のデザインとなっている。ペーパークラフトとしての面白さだけで無く、デザインの面白さも感じさせる商品だ。ちなみにアピール用の巨大なスコープドッグは出力のサイズを変えたもの。ペーパークラフトはPCで3Dデータを作成するため、サイズを変えて大きく作ることも可能とのことだ。