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ウェーブの1/24スケール「スコープドッグ」は、タカラの傑作プラモのファンも満足できる商品に!【#全日本模型ホビーショー】

【第61回 全日本模型ホビーショー】

開催期間:9月30日~10月1日(業者招待日:9月29日)

会場:東京ビックサイト(南1,2ホール)

入場料:1,200円(中学生以下:無料)

 「装甲騎兵ボトムズ」、そして「ボトムズ」のプラモデルファンにとって見逃せないのが、ウェーブが12月に発売予定の「スコープドッグ」だろう。あえて1/24というスケールに挑戦したところにウェーブの"覚悟"が見て取れる。

 1/24というスケールは1983年、アニメ「装甲騎兵ボトムズ」放映当時に発売されたタカラ(現タカラトミー)製の「スコープドッグ」と同じサイズなのだ。タカラの1/24「スコープドッグ」は傑作キットとして現在でもファンの間で語り継がれる商品である。ウェーブの「スコープドッグ」はそのタカラのスコープドッグを覚えている人にも満足してもらえる商品を、という想いを込めて開発したという。

ウェーブが12月に発売予定の「スコープドッグ」は、現在でも語り継がれるタカラの傑作キットと同じ1/24スケールに挑戦している
1/24ならではの大きさを活かした密度の濃いディテール表現を盛り込んでいる

 「スコープドッグ」がまず目指しているのは設定画に近いプロポーションバランス。タカラ製はプロポーションやディテールにオリジナル色が強かった。今回の「スコープドッグ」に関しては大河原邦男氏の設定画をベースに、タカラ製で人気の高かった装甲をリベットで重ねる表現や、肩アーマーの縁の強化などのディテールを盛り込んでいる。

 改めて考えて見るとスコープドッグをはじめとしたAT(アーマードトルーパー)は、玩具的、プラモデル的魅力が詰まっている。最大の魅力はサイズだろう。ATの全高は4mほど。人間と並んだときにそのサイズがイメージしやすいサイズなのだ。そして胴体が丸々コクピットになっている。頭部から胸部の装甲がガバッと開くとパイロットフィギュアが座っている。パイロットにとってかなりギチギチだが、1/35の戦車や1/48の飛行機のプラモデルのような"内部描写"が盛り込めるのは、このサイズならではだろう。

 そして"目"であるカメラが回転し、さらにはレールに沿って左右に移動、頭部も動く。コクピットハッチだけでなくバイザーも可動し、ハッチを開けなくても周囲を肉眼で見ることができる。ロボットならではの手足の可動に、各部につけられた装甲板、手にはいくつもの武器を持たせることができる。さらには手がスライドして打撃を与える「アームパンチ」。すね部分が変形しコクピットを地面に近づける降着機構……。非常に動かしがいのあるギミックと、プラモデルとして表現が面白いポイントが詰まっている。

タカラ版にはなかった降着機構。これまでのウェーブのプラモデルの技術が活かされている
人間との対比でロボットの大きさがイメージできる。コクピット描写も大きな魅力だ

 ウェーブはこれまで1/35スケールでこれらの機能を再現し、きちんと楽しめるプラモデルを展開してきた。「スコープドッグ」ではこれらの技術を活用した上で大スケールでの表現の幅を広げている。ディテールを1/35より多くし、各部をチェックするのが楽しい商品となっている。

 組み立てはこれまで同様、接着剤が不要のスナップフィットモデルとなっている。接着が必要のない組み立てやすい設計もテーマの1つとのこと。成型色の色分けもしっかりされていて、塗装しなくても設定画に近い雰囲気に組み立てられる。レンズはクリアパーツなので、この部分は色を入れることでより雰囲気が出るだろう。

無塗装モデル。成型色のしっかりした色分けが確認できる

 アームパンチ機構はもちろん、足側面に装備された地面に杭を打ち込みこれを支点に急速旋回を行う「ターンピック」も可動する。「これまでの1/35の商品と同様の流れで開発をしていきましたが、ファンの方にも満足していただける商品になったという手応えは感じました」とのことだ。

 展示ではソリッドシューターなどの武器の設定画も展示されていたが商品にはライフルのみが同梱され、他の武器は今後とのこと。ライフルはショートバレルにも組み替えられる。気が早い話だが、スコープドッグのバリエーションはもちろん、1/24で他のATもモデルアップして欲しいと感じた。まずは12月の「スコープドッグ」発売を心待ちにしたい。

ウェーブの「スコープドッグ」は設定画に近いデザインとなっている
武器は今後に期待して欲しいとのこと