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京商、価格14万円の最高級ミニカー「1/12 フェラーリ F40 コンペティツィオーネ」や、非接触ライト点灯システム「motn」に注目!【#静岡ホビーショー】

【第62回 静岡ホビーショー】

開催期間:5月8日~12日

会場:ツインメッセ静岡

(静岡県静岡市駿河区曲金3-1-10)

入場料:無料

 京商はRCカーに加え、ミニカーのトップメーカーとして知られている。その市場は日本はもちろん、欧米や東アジア、昨今では特に中国市場が大きいという。京商のミニカーは様々なサイズ、規格での商品があるが、どれもまるで実車を目にしたかのような臨場感がある。

 今回、その京商のミニカー部門から1つの製品「1/12 フェラーリ F40 コンペティツィオーネ (レッド)」と、今年始動するプロジェクト「motnシステム」を取り上げたい。ミニカーの表現としても最先端を目指す京商のチャレンジに注目して欲しい。

レーシング仕様のフェラーリの魅力をとことん楽しめる最高級ミニカー

 「フェラーリ F40 コンペティツィオーネ」は、サーキットを走るためのレースカーだ。公道を走るものとは異なるレースのための改造が随所に施されている。ちなみに実際にレースに参加したものは「フェラーリ F40 LM」、レース仕様のまま、サーキットで使用する前提で、コレクター向けに販売されたものが「フェラーリ F40 コンペティツィオーネ」となる。

 「1/12 フェラーリ F40 コンペティツィオーネ (レッド)」はそのコンペティツィオーネを1/12サイズ、外装を含めダイキャストをふんだんに使用したミニカーとなる。発売時期は未定で、価格は143,000円。

京商の「1/12 フェラーリ F40 コンペティツィオーネ (レッド)」は外装などにふんだんにダイキャストを使用した高級ミニカーだ

 ミニカーの楽しいポイントの1つは手に入れることもかなわないスーパーカーも手にできること。特に本商品はスケール、質感もあって、本当にF40 コンペティツィオーネを目の前にしている気持ちにさせてくれる。しかも多彩なギミックで、ドアやエンジンルームの開放はもちろん、フロントカウルの着脱で内部機構がチェックできるという、ある意味"実車以上に遊べる"商品となっている。

 その表現力はすさまじい。ダイキャストのなめらかなボディ、ディテールの表現、フロントガラスから覗くコクピットや、透明なカバーの向こうに見えるエンジン、エアスポイラーの形状、ホイール、ライトなど本当に見ているだけで時間を忘れてしまう。

 しかも「1/12 フェラーリ F40 コンペティツィオーネ (レッド)」はギミックもたっぷりなのだ。ドアを開ければ印象は大きく変わるし、シートは本物を意識した素材で肌触りまで再現。さらにシートの位置まで動く。エンジンの独特の形状も興味深い。

手軽にドアやハッチの開閉ができ、細部まで楽しめるのがミニカーの魅力。ボディ前部の取り外しギミックは実車も同じ仕様だという
手に持つとダイキャストがずしりと重い
ボディ裏のセラミックを使用した構造もしっかり再現
冷却効率を追求したラジエター
エアダクトだけを上にのせ、空気の流れを想像する

 フェラーリ F40 コンペティツィオーネならではの要素がボディ前部の取り外し。実車も同じ仕様だという。実車はこの前部分に大きな特徴があり、通常のF40からフロントカウルに冷却用のエアダクトを設け、冷却効果を高めている。ミニカーでは取り外したカウルを裏側から見ることもでき、強度と軽さを両立させたカーボンの質感までチェックできる。

 そして前部のメカは大型化されたラジエターが目を惹く。エアダクトからの風を当て、冷却に集中している機構がしっかりとわかる。コクピットも見所たっぷり。前述のシートに加え特殊な構造、助手席の足下には冷却用の機器が増設されるなど、レース仕様の面白さがわかる。またドアは徹底的な軽量化がなされており、内装は取り外され、開け閉めも張られた一本のワイヤーを引っ張るだけだ。

 「1/12 フェラーリ F40 コンペティツィオーネ (レッド)」は本当にいつまでも見つめていたくなる"宝物”であることを実感させる商品だ。実車ほどではないにしてもこの高級な価格帯だからこそできる表現は会場や、京商の直営店でぜひチェックして欲しい。

ドアを開けて車内をのぞき込む
シートの位置の調整も可能。シートの質感にも注目だ.助手席の足下にはボンベがある
ドライバーズシートには強度を高めるバーがある
徹底的に軽量化されたドア
エンジンはその複雑な描写に目が吸い寄せられる
本当にいつまでも眺めたくなる

非接触でライトの点灯を実現する「motnシステム」

 「ミニカーのヘッドライトを光らせたい!」という要望はユーザーの強い願いである。特にLEDの普及で、ジオラマなどのライトアップがより手軽になった。街の電灯などは明かりがつき、夜の情景などは表現できるのに、車だけ明かりがついてないのは臨場感に欠ける。かといって給電用のケーブルを仕込むのも興ざめだ。

 「motnシステム」はスマホの給電システムのように、接続せずに電気を供給することができる。1/64スケールのミニカーに対応しているのが大きな魅力だ。1/64スケールはコレクション性の高い大きさだが、ディテールにはこだわっており、価格は3,000円から4,000円ほどだという。

1/64のミニカーのライトを点灯させるmotnシステム
テールランプも点灯する

 京商は自社のみならず、ミニカーメーカーの「ignition model」、「TARMAC WORKS」、「INNO64」と協力し開発を進めており、今年中には「motnシステム」を搭載したミニカーと、給電システムを展開したいとのことだ。

 「motnシステム」の給電システムはケースの台座の形をしており、こちらはUSBケーブルを通じて電源の供給を行う。この台座の上にミニカーを置くことで非接触でミニカーのライト、テールランプが点灯する。これまで1/64のミニカーで難しかった「夜の闇の中を走るイメージ」を実現できるようになるのだ。

 この台座型給電システムの魅力は、「コレクションのミニカーをケースから出さずにライトの点灯が楽しめる」ということ。コレクターだからこそミニカーに触って指紋をつけたくない、ケースから出したくないという要望にも応えたフォーマットなのだ。

 また、台座の形はジオラマに仕込むことも容易だ。ミニカーの台座という手頃な大きさのシステムは様々な活用が可能。中国では大きなジオラマに複数のミニカーをセットする遊び方も多いということで、ジオラマとしての活用も前提としたシステムとなっている。

 「motnシステム」による非接触給電はライトのみならずサウンドや、可能ならば動きも実現できるかもしれない。まずはそのスタートに注目していきたい。

給電システムは台座の形。ミニカーをケースごと乗せればライトがつく
給電システムをジオラマに活用
ライトがついたミニカーは独特の魅力がある