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鉄道模型のKATO新工場が埼玉・鶴ヶ島に落成。ナローゲージの小型蒸気機関車がデモ走行する記念イベントに鉄道ファン熱狂!

【Railway Parkフェスティバル】

6月9日開催

開催場所:関水金属鶴ヶ丘工場

 埼玉県鶴ヶ島市にて6月9日に「Railway Parkフェスティバル」が開催された。これは鉄道模型メーカーKATOこと、関水金属の鶴ヶ丘工場が落成したのを記念して開催された特別なイベントとなる。関水金属鶴ヶ丘工場は敷地面積3.25ヘクタールという広大な敷地に設立されたものだ。工場の他隣接する敷地には鶴ヶ丘児童公園やイングリッシュガーデンも整備された。

 イベントでは出店や市民団体による吹奏楽演奏やキッズダンスが行われたが、目玉となるのは「ナローゲージ」の展示とデモンストレーション走行。当日は15,000人が会場に訪れ、とてもにぎわっていた。本稿ではこのナローゲージを中心にイベントの様子をレポートしたい。

関水金属鶴ヶ丘工場

 ナローゲージとは、線路幅(ゲージ)が国際標準軌1,435mmよりも狭い鉄道のことを指す。国内の鉄道では、JRなどが採用している1,067mmゲージよりも狭い線路幅の鉄道のことを言うが、実際に敷設されている営業線としては、三重県北勢地方にある三岐鉄道北勢線があり、この線路幅は762mmだ。

 工場の周囲には軌間762mmと610mmという2種の軌道が敷設された三線軌条のナローゲージ「Kato Railway Park・関水本線」(以下、関水本線)が整備され、新工場を周りをぐるっとエンドレスで取り囲む形で、一周620メートルの軌道が常設で敷設されている。関水本線にはナローゲージ展示室と機関庫が設置されており、ナローゲージ車両が保存展示される。

敷設された3線軌条
3線軌条の特殊なポイント

 ナローゲージ車両は5両あり、1つは1948年に製造された元台湾糖業公司のベルギー製蒸気機関車362号で、1986には日本に渡り、長野県内の観光施設で長年活躍・保存されていた。それが今回関水本線を走る機関車「OLIVER(オリバー)号」として再整備され、走ることになった。、もう1つは神奈川・辻堂にあった関東特殊製鋼工場の専用線で利用されていた7トンディーゼル機関車DL3 143号機だ。こちらは新たに「BILLY(ビリー)号」となり、関水本線を走ることになる。

 そして元西武鉄道初代山口線で狭山・多摩湖畔を走っていた蒸気機関車532号と木造客車34号、同路線で走っていた蓄電池機関車に加えて全国各地に散らばって保存されていた遊覧客車(通称:おとぎ電車)も関水本線に移設して、こちらも再整備された。

 最後の1両は英国の2軸タンク式機関車からインスピレーションを得た新造車両の蒸気機関車「OSCAR(オスカー)号」だ。羅須地人鉄道協会のTiny Engineeringという工場で作られた。OSCAR号は軌間610mmの機関車で、それ以外は軌間762mmのレールを走る。Railway Parkフェスティバル当日はOSCAR号が機関庫とそれに引かれた側線を走り、多くの鉄道ファンがその姿を見守っていた。

左からOSCAR号、BILLY号、OLIVER号、532号
軌道を往復したOLIVER号
【「Railway Parkフェスティバル」、新造蒸気機関車「OSCAR(オスカー)号」デモ走行】

 会場ではこの他、ホビーセンターカトー東京の鉄道模型販売や東武鉄道坂戸駅管区による物販や制服写真体験といった出展の他、焼き鳥やおにぎり、ホットドッグなどの出店もあり、それぞれの店舗には来場者が多く並んでいた。

子供用の制服を着て記念撮影ができた
記念撮影に並ぶ来場者たちの列
東上線改行110周年を記念した切符も販売された。すぐに売り切れていた
きかんしゃトーマスのNゲージも展示
ホビーセンターカトー東京の物販の様子
ミニジオラマと木片ジオラマのワークショップも開催されていた
埼玉県立鶴ヶ島清風高等学校によるジオラマも展示
焼き鳥の屋台に並ぶ来場者たち

 このように開催されたRailway Parkフェスティバルだが、これだけ多くの人が集まっていたことに驚いた。鉄道というコンテンツが広く人気のあるものだということがよく分かる出来事だった。今回のイベントでは、あくまで新工場の完成を記念したイベントで、新工場そのもののお披露目ではなかった。今度は鶴ヶ丘工場の中をメディアとして取材を申し込みたいと思う。