ニュース

タミヤ初のモデルアップ「1/35 ドイツI号戦車B型」【#全日本模型ホビーショー】

第二次大戦期のドイツ戦車を語る上で欠かせないピースがついにはまる

【第62回 全日本模型ホビーショー】

開催日:10月11日~13日(11日は業者招待日)

会場:東京ビッグサイト南1、2ホール(東京都江東区有明3-11-1)

入場料
当日券:1,200円
前売り券:1,000円
※中学生以下は無料

 タミヤは第62回 全日本模型ホビーショーにおいて、プラモデル「1/35 ドイツI号戦車B型」を出展した。11月16日発売で、価格は3,520円。会場では試作品のランナーや素組み状態も見ることができた。

 ドイツI号戦車は第一次大戦の敗戦後、戦車開発を禁止されていたドイツが初めて量産した実用戦車となる。他国の目を逃れてA型が開発され、馬力などをアップしより実用的となったB型が生まれた。第1号戦車は砲塔には7.92mm MG13K機関銃を搭載。運転手と車長兼砲手の2名が定員で、全長4mほどの小型な戦車は、当初は実戦を想定したものではなく、"訓練用"のものだったという。

ドイツI号戦車は、戦車長と運転士2名が定員の小型戦車。ドイツの戦車史において非常に重要な意味合いを持つ存在だ
パッケージアート

 訓練とは兵隊達に戦車とはどのようなものか、を説明し練習させるという意味だけではなく、「戦車とはどのような部品でどう作るか」という、工場を含め、戦車の生産設備環境を確立させる意味合いも持っていた。しかし実際には訓練のみならず、1936年に勃発したスペイン内戦を皮切りに、1939年9月のポーランド侵攻作戦や1940年のフランス戦線、さらに1941年のバルカン侵攻作戦、そして初期のロシア戦線などでも投入される。もちろんドイツI号戦車はその後の様々な戦車が生まれる基礎となった。ドイツI号戦車はドイツ戦車の歴史の上で欠くことができない存在だ。

 プラモデルではこの戦車を1/35スケール、全長123mm、全幅60mmで再現。スペインに残っていた実車を取材し再現したものとなる。最大の特徴はその細かなディテール表現だ。ドイツI号戦車は装甲を溶接して作られている。面と面が合わさる場所の溶接後もモールドで細かく表現。リベットの表現などはこれまでも行われていたが、最新技術により、より踏み込んだ表現を行っているという。

実車の全長は4mほど。車長との対比でも小型の戦車であることがわかる
プラモデルも手のひらサイズ。部品点数も抑えてあり、作りやすいという

 また、車長の半身像は戦車の大きさを語る上でも重要な要素だが、商品では「ベレー帽」と「サイドキャップ」が選択可能。ドイツ戦車兵は初期はベレー帽をかぶっていたとのこと。時代に合わせ車長の服装も変更可能なのだ。

装甲表面のリベット表現や、溶接跡に注目
ワイヤーは造型で表現
スライド金型を採用することで、ディテール表現は非常に近田が入っている
部品点数は抑えて、作りやすくしている
スペインで行われた実車取材
時期による帽子の違いも表現

 もう1つ、「1/35 ドイツI号戦車B型」はタミヤファン、戦車ファンには大きな意味合いを持つ。タミヤにとってドイツI号戦車のモデルアップは初めてとのこと。大きさや、活躍、人気度などでこれまでスポットが当たっていない存在だった。

 今回の「1/35 ドイツI号戦車B型」の登場により、タミヤはI~IV号、V号戦車パンター、ティーガーI、キングタイガーと続く、第二次世界大戦期のドイツ戦車をずらりとモデルアップしたことになる。今回の「1/35 ドイツI号戦車B型」は、ドイツの戦車の歴史のみならず、タミヤの戦車プラモデルでも記念碑的な意味合いを持つのだ。

【タミヤの戦車モデルの歴史】
ずらりと並んだドイツの第2次大戦期の戦車
今回、I号戦車が加わることで、第2次大戦期のドイツの世代ごとの戦車がそろうこととなった
ドイツ戦車は大型化、複雑化していく。戦場での知名度も含め大きなモデルが人気だったため、I号戦車はこれまでモデルアップされなかったという