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「ベイブレードX」世界大会「BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025」
初のオープン世界大会、優勝はイスタンブール代表Fahreddin選手!
2025年10月14日 13:03
- 【BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025】
- 10月11日、12日開催
- 会場:RED° TOKYO TOWER
タカラトミーは10月11~12日、同社の展開する現代版べーゴマ「ベイブレード」最新シリーズ「BEYBLADE X」の世界大会「BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025」を東京タワー内のデジタルアミューズメントパーク、RED°TOKYO TOWERにて開催した。
「BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025」は文字通り、世界21地域で開催した大会で優勝した選手を集めて世界の頂点を決める世界大会。年齢6~12才(地域により参加可能な年齢は異なる)限定のレギュラークラスはこれまでのベイブレードの大会でも行なわれていたが、今回は世界大会としては初となる6才以上で年齢制限なしのオープンクラスも開催された。レギュラークラスは19名、オープンクラスは14名の選手が世界大会に参加する事となった。
10月11日は予選が行われ、レギュラークラスは19人の参加者から8人まで絞られ、オープンクラスについては、14人の参加者から4人へ絞られ、本日12日の決勝戦にて世界王者が決する事となった。
日本(東京)代表は8月3日に開催した「X-TREMECUP 2025」で優勝した2人が選出されており、レギュラークラスはミナト選手、オープンクラスにはおまんじゅうキング選手が出場した。
初日に行なわれた予選において、ミナト選手、おまんじゅうキング選手ともにトーナメントで勝利し、ベスト8/ベスト4進出を決めている。特におまんじゅうキング選手については、対戦した全ての試合において、4-0の完封勝利を決めており、優勝への期待が高まる。
本稿では、大会の試合結果や会場の雰囲気などについてレポートしていく。なお、本大会の模様や最新情報については、「BEYBLADE X」公式YouTubeチャンネル「ベイチューブ」にてライブ配信が行なわれており、後日アーカイブについても公開予定とのことなので、各試合の詳しい模様などは動画が公開された際に確認してみてほしい。
4ポイント先取は変わらず。「座り姿勢」の新レギュレーション対策が勝敗のカギか
「BEYBLADE X」の大会レギュレーションは3個のベイブレードを使用した1対1の「3on3バトル」で行なわれる。スタジアムには「エクストリームスタジアム」を使用し、4ポイント先取制のトーナメント方式で進行し、決勝戦で勝利したブレーダーが優勝となる。
世界大会においては、9月末までに全世界で登場したベイブレードが対象となっている。そのため、10月に発売されたベイブレード「クロックミラージュ」は使用できないが、海外で発売済みながら、国内未発売の「Hover Wyvern(ワイバーンホバー)」は使用できる。なお、ワイバーンホバーを日本で入手するには10月24日発売の「BEYBLADE X DMMくじ」で当選する必要があり、海外から直輸入したHover Wyvernについては日本では使用できない点には注意が必要だ。また、大会参加者については、こうした地域未発売のベイについて事前に提供しているという。
加えて世界大会では日本での大会と異なる点がもう1つある。それはスタジアムを地面に直接置き、選手たちがどちらかの膝を地面につけた座り姿勢でシュートする必要があることだ。国内大会からのレギュレーション変更について、同社では「原点回帰」としている。多くのG1/G3大会において、専用台に設置されたスタジアムに対して立ち姿勢でシュートするのが主流だった選手たちがこのレギュレーション変更にどのようにうまく対応できるかも世界を制するカギの1つとなるのかもしれない。
ポイントについては、相手より長く回り続ける持久勝ちの「スピンフィニッシュ」が1ポイント、ビットが抜けたり、ラチェットが外れるなどパーツが分解してしまう「破壊(バースト)」が発生した場合には「バーストフィニッシュ」となり2ポイント、スタジアム下部両端にある「オーバーゾーン」に相手を叩きこむと「オーバーフィニッシュ」で、こちらも2ポイント、スタジアム下部中央の「エクストリームゾーン」に相手を弾き飛ばせば「エクストリームフィニッシュ」となり、3ポイントが獲得できる。
同社が発売する専用ケースにバトルに出す並び順でベイブレードを収納し、その順番で3個のベイブレードを使用して3回対戦を行う。3回で4ポイントに到達しない場合には、順番を変更して試合を続行する。なお、イレギュラーな事象が発生した際には同じベイブレードでやり直しとなるので、1回の対戦でどちらかに最低1ポイントが必ず入る事になるため、最長でも7回の対戦で決着がつく仕組みだ。
ベイブレードを知らない人であっても、スタジアム内で激しくぶつかりあうベイブレードのド迫力のバトルを1度見ると、興奮してテンションが上がってしまうのは間違いないだろう。今回の世界大会において、一般の観戦者は入場できないが、会場には各国選手に付き添う親族や関係者、各国メディアらが来場しており、自国代表選手の応援にはかなり力が入る人たちもかなり多く、会場はかなりの賑わいだった。
ベイブレードを知らない、または昔やっていたが最近は触れていないという人は、是非最新の「BEYBLADE X」の大会配信などをチェックしてみてほしい。実際に触れてみたい人は「コート・ダジュール」や「快活CLUB」、下北沢の「BEYBLADE BAR TOKYO」などで実際に遊んでみてはいかがだろうか?
東京代表ミナト選手はTOP8初戦敗退の大波乱
前半は6歳以上12歳以下の年齢制限のあるレギュラークラスから決勝トーナメントが行なわれた。初日のDAY1では19人が5つのブロックに分かれてそれぞれトーナメントを戦い、そこで勝ち残った5名に加えて各ブロック2位となった5名のうち、よりポイントを多く獲得した上位3名が敗者復活として決勝トーナメントに残る流れでTOP8が選出された。
TOP8に勝ち残った出場ブレーダーはパリ代表のBerguin選手y、サンパウロ代表のMarcelo選手、ジャカルタ代表のBalya選手、シカゴ代表のSebastian選手、メキシコシティ代表のLeobardo選手、東京代表のMinato(ミナト)選手、香港代表のAdrian選手、ソウル代表のKim Jung U選手、の8名(トーナメント順)。ちなみに選手の名前はいずれもブレーダーネームのため、本名などとは異なる。
TOP8の1試合目はパリ代表のBerguiny選手とサンパウロ代表のMarcelo選手の1戦で、ここはパリ代表のBerguiny選手が4-0で勝利し、ベスト4進出を決めた。2試合目はジャカルタ代表のBalya選手とシカゴ代表のSebastian選手による1戦で、こちらはジャカルタ代表のBalya選手が4-1で勝利となった。
注目の東京代表ミナト選手はTOP8の3試合目に登場し、メキシコシティ代表のLeobardo選手と戦った。予選では圧倒的な力を見せつけてTOP8進出を決めていたミナト選手だったが、なんとここで大波乱!ミナト選手の放つベイの勢い以上にLeobardo選手のベイの動きがよく、4-1でメキシコシティ代表のLeobardo選手が勝利! TOP8まで順調に進んできた東京代表のミナト選手はここで敗退する流れとなってしまった。
TOP8第4試合は香港代表のAdrian選手とソウル代表のKim Jung U選手によるバトル。3-3のフルカウントまでもつれ込む大接戦だったが、最後はAdrian選手のエアロペガサスがスタジアム上部に乗っかってしまい、最後にスタジアム内に落下してそのまま回転が停止するというトラブルが発生する。VAR(ビデオアシスタントレフェリー)判定も行なわれたが、判定は変わらずスピンフィニッシュとなり、ソウル代表のKim Jung U選手の勝利となった。
もしベイブレードが最終的にスタジアム外に落下したり、シュート時に接触があるなどしていた場合はやり直しとなるのだが、こうした接触はなくスタジアム内に戻ってしまったことでやり直しが起こらず、スピンフィニッシュの判定になってしまうかなりイレギュラーな展開だったが、この筋書きのないドラマもまたベイブレードのバトルと言えるだろう。
白熱の準決勝でまさかの自滅オーバーフィニッシュ
準決勝第1試合はパリ代表のBerguiny選手とジャカルタ代表のBalya選手の1戦だったが、ここはジャカルタ代表のBalya選手がバーストフィニッシュ、Berguiny選手のシュートミスによる自滅オーバーフィニッシュが重なり、4-0のストレート勝利で決勝に進出。惜しくも敗れたパリ代表のBerguiny選手はこの後3位決定戦で順位を決する。
準決勝第2試合はメキシコシティ代表のLeobardo選手とソウル代表のKim Jung U選手の1戦で、ここはメキシコシティ代表のLeobardo選手が4-1で勝利し決勝進出を決め、惜しくも敗れたソウル代表のKim Jung U選手は3位決定戦へと向かうこととなった。
3位決定戦はソウル代表のKim Jung U選手とパリ代表のBerguiny選手の1戦でここは再び底力を発揮したパリ代表のBerguiny選手が4-0のストレートで勝利し、見事に3位の座に輝いた。
レギュラークラスの覇者はメキシコシティ代表のLeobardo選手
いよいよ迎えたレギュラークラス世界大会決勝戦。メキシコシティ代表のLeobardo選手とジャカルタ代表のBalya選手による頂上対決の1stバトルはシャークスケイル同士、2ndバトルはウィザードロッド同士と2戦とも同じベイの対決となり、ここはどちらもLeobardo選手がスピンフィニッシュでポイントをゲットし、リードを広げる展開に。続く3rdバトルはLeobardoのエアロペガサスに対して、Balya選手のコバルトドラグーンの対決で、ここはBalya選手のコバルトドラグーンがスピンフィニッシュで1ポイント取り返す。
ベイの順番を入れ替えての4thバトルはLeobardo選手のウィザードロッドとBalya選手のコバルトドラグーンの対決となったが、ここは早々にウィザードロッドがオーバーフィニッシュを決める衝撃の展開で一気に試合が決着! Leobardo選手が決勝戦に勝利し、「BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025」レギュラークラスの世界王者の座はメキシコシティ代表のLeobardo選手が勝ち取った。
試合終了後は、上位3名の選手たちに話を聞くことができた。3位となったパリ代表のBerguiny選手は、「フランスのベイブレードのコミュニティがあり、そこのメンバーたちと話し合って彼らの提案を受けてデッキを構築したので、メンバーたちに感謝したい」とコメント。今日使用したデッキの中で1番好きなベイブレードを聞くと、ウィザードロッドと即答した。初心者へのアドバイスとしては「1日30分練習してください」とのこと。「次回は世界王者を目指したい」と、インタビューを締めくくった。
準優勝となったジャカルタ代表のBalya選手は、今日のデッキについて、「シャークスケイルとウィザードロッドについては、自分の思う中で一番強いベイだ」と感じて選んだという。コバルトドラグーンは相手のスタミナを削るのにとても優れているので選んだという。まだまだ若輩のブレーダーたちに向けて、強くなるコツを聞くと、こちらも「コミュニティなどに参加してトレーニングするのが1番です」と語った。Balyaは「準優勝はうれしくない、次の大会があれば絶対に参加して優勝したい!」と気合いの入ったコメントをくれた。
世界王者となったメキシコシティ代表のLeobardo選手は「今日のデッキの中では、ウィザードロッドが最も自身で意識して選出したベイブレードだ」と語った。アタックに対して最も強いベイとして選んだという。エアロペガサスもお気に入りのブレードで、これに7-60を組み合わせることで相手への攻撃性能を高めているという。シャークスケイルについては、アニメ版でこれを使用しているキャラクター「冥殿メイコ」が好きという点に加えて、下からのアッパー攻撃が優れたブレードということで選んだと語った。なお、お気に入りのベイブレードもシャークスケイルだが、アタックタイプのベイブレードが好きだからという理由も追加した。
メキシコのベイブレードコミュニティはかなり大規模で、練習やデッキ構築などにおいて力になったとコメント。「特に会場に来ている師匠たちが、戦略や戦い方などを指導してくれたことで強くなれた」と師匠たちへの感謝を語った。強くなるコツを聞くと、「好きという気持ちを持って毎日楽しく遊ぶのが1番だと思う」と、非常に大人なコメントをしてくれた。
最後に世界王者になった気持ちを聞くと、「優勝できたことを大変嬉しく、誇りに思います。メキシコシティにあるBEYBLADE Xコミュニティがこの勝利をもたらせてくれたので、コミュニティもすごく誇りに思います。ありがとうございます」とインタビューを締めくくった。
4名で頂上決戦、おまんじゅうキング選手の戦いは?
休憩を挟んでからは、いよいよ年齢上限なしのオープンクラス、TOP4の試合が行なわれた。出場選手は香港代表のKyle選手、ソウル代表のYoo Ha Jun選手、東京代表のおまんじゅうキング、イスタンブール代表のFahreddinの4名(トーナメント順)。こちらもDAY1にて14名でトーナメントを競い、勝ち上がった4名が本日の決勝トーナメントで王者を決する流れとなっている。
準決勝第1試合は香港代表のKyle選手とソウル代表のYoo Ha Jun選手の1戦。ここはKyle選手が全てスピンフィニッシュという慎重な立ち回りを見せて4-1勝利で決勝戦進出を果たした。惜しくも敗れたソウル代表のYoo Ha Jun選手は3位決定戦で順位を決する事になる。
続く準決勝第2試合は東京代表のおまんじゅうキング選手とイスタンブール代表のFahreddin選手の対戦。ところがここで再度の大波乱だ。1stバトルはスピンフィニッシュでFahreddin選手が先制。2ndバトルはスピンフィニッシュで粘りを見せて1ポイント取り返す。3rdバトルはFahreddin選手のシャークスケイルがおまんじゅうキングのフェニックスウィングをバーストさせ、バーストフィニッシュで一気にFahreddin選手が3ポイントとリーチを掛ける。デッキ入れ替え後の4thバトル、両者ともウィザードロッドをチョイスするも、カスタマイズはFahreddinが1-60Hでおまんじゅうキング選手は9-60B。
一般的に1-60Hのカスタマイズは攻撃的になる反面、スタミナが減りやすいカスタムで、一方の9-60Bはスタミナ重視の防御タイプのカスタムとなるため、スピンフィニッシュを狙う場合、9-60Bの方が残りやすい。ところがスタミナをうまく削る事に成功したFahreddin選手のウィザードロッドが勝利する想定外の展開となり、勝負は4-1でイスタンブール代表のFahreddin選手が勝利! 決勝進出を果たした。おまんじゅうキング選手は、いつもの豪快な動きが感じられなかった。
決勝戦に先駆けて行なわれた3位決定戦は、ソウル代表のYoo Ha Jun選手と東京代表のおまんじゅうキング。1stバトルではYoo Ha Jun選手がスピンフィニッシュで先制するも、2ndバトルはおまんじゅうキング選手がスピンフィニッシュで取り返す。3rdバトルはYoo Ha Jun選手がスピンフィニッシュを決めて2-1とポイントでリードする展開となった。
そしてデッキ入替からの4thバトル、ここでおまんじゅうキング選手が出したエアロペガサスが、Yoo Ha Jun選手のウィザードロッドに対して、おまんじゅうキング選手ならではの豪快なエクストリームフィニッシュを決めて一気に大逆転! 4-2で試合を決めて、見事に3位入賞を果たした。
オープンクラスはイスタンブール代表のFahreddin選手が優勝!
そして、いよいよ迎えたオープンクラス世界大会の決勝戦。香港代表のKyle選手とイスタンブール代表のFahreddin選手による頂上決戦となった。1stバトルはFahreddin選手がワイバーンホバーでKyle選手のウィザードロッドにいきなりのバーストフィニッシュを決めて2ポイント先制! さらにウィザードロッドで相手のエアロペガサスの猛攻を逃げ切り、スピンフィニッシュで3-0とリードを広げた。そして迎えた3rdバトル、お互いがシャークスケイルを出してきた激闘の結末は、なんとFahreddin選手のエクストリームフィニッシュ! 世界大会の頂点にはイスタンブール代表のFahreddin選手が到達、見事に世界王者の栄冠に輝く事となった。
惜しくも3位入賞になった東京代表のおまんじゅうキング選手は、試合の感想について、「悔しい思いもあるが、全て出し切って楽しくやれたので良かった」とコメント。世界各国の盛り上がりを受けての感想を聞かれると、「本当にベイブレードは、国境を越えて楽しめる遊びだと改めて感じた」と応えた。なお、予選終了後のパーティなどでは、他国の選手たちと食事をともにしたり、一緒にフリーバトルを遊ぶことで、言葉は分からなくても心が繋がるのを感じられたという。
今回のレギュレーションとして、いつものシュートスタイルではなく、座り姿勢でのシュートになった点について聞いてみると、最初はやはりパワーが出せないので、ランチャー変更を検討したが、1か月しかない中でのランチャー変更は厳しいので、それは止めて発想の転換を考え、膝つきの態勢で打つことによって、今までの自分に足りなかったところが補えると考えて前向きに取り組んできたとのこと。
大会の練習については大体1日2時間程度。単に対戦を繰り返すだけではなく、どこに打ちたいかのコントロールを磨くための反復練習を中心に行なっていたという。そうした練習の結果、人差し指にはマメができて1週間前に破れてしまい、なんとか大会前に完治できた。なお、マメによる試合への影響はなかったともコメントしてくれた。
大人として見たベイブレードの魅力を聞かれると、「現在の『BEYBLADE X』は戦略性もあり、大人が遊んでも十分に楽しめる魅力的なホビーになっており、もっとポップになってくれると嬉しい」。さらに「お金が多少はかかるものの、3回分の飲み代程度で済むため、大人の趣味としては安上がりですよね」と言葉を続けた。
今日の敗因については、「前日に優勝したFahreddin選手ともフリーバトルをやってみた結果、かなり余裕で勝てる相手と分かったため、リスクを抑えて安全に戦うべく、慎重にシュートするようなプレイ、いわゆる置きに行くようなスタイルで挑んだのが敗因だった」とのことだ。
最後に勝負強さのコツについては「緊張しないように呼吸法を使うなどして心を整えている」という。また、「相手やデッキの構築において点数を落とさない戦い方と勝ちを取りに行く戦い方」の2種類をうまく使い分けることでここまで上がって来れたと語った。
つまり、準決勝では本来勝ちを取りに行く戦い方をするべきところで、点数を落とさない戦い方をしてしまったことが準決勝の敗退に繋がったのだろう。ただ、悔しさも感じながら、大会自体は心から楽しんでいた様子を改めて感じさせてくれるコメントだった。
惜しくも敗れ、2位となった香港代表のKyle選手は、普段の練習量について聞かれると毎日2~3時間ほど練習しているという。ベイブレード歴は前シーズンの「ベイブレードバースト」から始めているとのこと。周囲にどのくらいプレーヤーがいるかについては、香港での地元のコミュニティはかなり大きく、30~40人の選手たちがおり、日々しのぎを削っているという。
座り姿勢でのシュートについては、やはり立ち姿勢のシュートは足の力が活かせるのでフルパワーが出せるが、座り姿勢のスタイルでは力を伝えるのが大変だったとコメントしてくれた。
世界王者となったイスタンブール代表のFahreddin選手は、1日の練習量については、「大会出場が決まってからは1日100ゲームほどプレイしてきた」とコメント。また、周囲のコミュニティについて尋ねると、Fahreddin選手が所属するコミュニティには大体150人前後のメンバーがおり、その中は子供たちが中心のグループと20歳以上の様々な世代の大人たちが集まるグループがあるという。日本について感想は、「日本には初めて来たが、とても好きになったので、来られるなら何回でも訪れたい」と語った。
座り姿勢でのシュートについては、「確かに立ち姿勢と違いはあるが、自分にとってはその変更はむしろアドバンテージだった」という。Fahreddin選手は近所の公園などで普段練習する時には、スタジアムを地面に置いて座り姿勢で練習をしていたからだという。また、今回使用したデッキでお気に入りのベイブレードについて聞いてみると、「ワイバーンホバー」の名を挙げた。
最後に世界王者になった感想は、「イスタンブール代表として優勝できたのはとても嬉しく、誇りに思う」とコメント。昨日と今日の2日間、世界各国のベイブレードに熱中している人たちと接せた事も、とても貴重な体験ができたとしたと語った。
国ごとにカスタマイズなどの特色が感じられた「BEYBLADE X」世界大会
以上「BEYBLADE X WORLD CHAMPIONSHIP 2025」のイベント全体の雰囲気や会場の模様などをレポートした。全体としては、やはりレギュラークラスの子供たちの様子は見ていてとても印象深い。負けて涙ぐむ子供や、勝ってはしゃいだり、笑顔を見せる子供たちの様子は見ていてとても微笑ましい。
また、今回が初となるオープンクラスの世界大会においても若い子供から学生、さらには大人まで様々な年齢層、多くの国々の選手たちが集まって競い合う様子は、まさに「ギアスポーツ」の名に相応しく、選手たちのコメントなどから多くの学びがあるなど、心に残る大会だった。
さらに今回は一般入場はないにも関わらず、来場した各国の関係者たちの声援がとても凄まじく、配信などでもよく聞いてみると、マイクが向けられていないのに音を拾ってしまうほどに凄まじい応援の声が飛び交っており、その熱狂っぷりはお国柄が感じられてとても面白い。
ベイのカスタムについても学びの多い2日間だった。個人的にはウィザードロッドに1-60ラチェットを組み合わせるカスタマイズが多く見られたのが意外に感じた。というのも日本では、1-60を攻撃タイプのベイに組み込むことが多いため、3-60や9-60などと組み合わせるのが一般的のため、あまり見かけないカスタムだからだ。だが、ウィザードロッド自身も偏重心のため、本来は相性のいい組み合わせだという。こうした定石にとらわれないカスタムが楽しめるのも「BEYBLADE X」ならではの魅力の1つと言える。
また、シカゴ代表のSebastianが愛用していたブレードの1つには、日本ではあまり使われていないナイトメイルがデッキに採用されていた点も驚きだ。他にもブレードについて言えば、「ホバーワイバーン」がかなり海外における「環境」の1つになっている印象が強く感じた、日本国内ではDMMくじ限定アイテムだ。
一方で1点だけ気になる要素は「X-TREMECUP GP」について、予選大会は応募多数の際には抽選になってしまう。そのため、希望する全ての選手が予選に参加できないという問題がある。せめて全国で行なわれる予選は応募者の上限をなしにして、人数が多すぎる場合には日数を増やすなどしてでも門戸の幅を広げてほしいところだ。また、より多くの国でベイブレードが広まり、さらに多くの国が参加する世界大会になってほしいとも感じた。
筆者は、過去のシリーズで遊んでいた人にこそ、最新の「BEYBLADE X」に触れてみてほしいと思う。過去のデザインをモチーフにした新たな「BEYBLADE X」も多く発売されているので、懐かしさも感じられつつ、最新の「BEYBLADE X」の遊びやすさやカスタマイズ性の奥の深さは新たな世界が開ける事は間違いないからだ。
最近筆者は大会の取材を通してかなり勇気をもらったので、もっと積極的に大会に多く参戦して腕を磨き、来年の全国大会「X-TREMECUP GP」には是非申し込みをして挑戦してみたい。本稿や配信の様子などを見て、1人でも多くの人たちに「BEYBLADE X」の魅力を知ってもらいたい。
(C)Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO
(C) TOMY

















































































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