レビュー

塗装済み完成品フィギュア「童友社 プラチナコレクションNo.1 T-4ブルーインパルス1番機」レビュー

未知のウイルスに立ち向かっている皆さんに感謝の意を込めて。翔べ、ブルーインパルス!

ジャンル:塗装済み完成品フィギュア
発売元:童友社
価格:3,980円(税別)
発売日:6月13日再販売
全高:約12.5cm

 2020年5月29日、新型コロナウイルスに最前線で対応している医療従事者等に対してブルーインパルスが東京都心上空を飛行し、敬意と感謝を示した。ブルーインパルスは本来であれば同年7月23日、新国立競技場上空で5つの輪を描くはずだが、このコロナ禍でそれどころではなくなってしまった。ブルーインパルスが東京都心上空に飛来するのは2021年に先送りだと思っていた筆者も今回の”感謝飛行”を配信とはいえ観ることができるとは思わなかった。

【令和2年5月29日 新型コロナウイルス感染症へ対応中の医療従事者等に対する敬意、感謝を示すためのブルーインパルスによる飛行】

 解説もコメントもないただ飛行の様子を映すだけの配信を観ただけでグッとこみあげてくるものがあった。配信をご覧になった、実際に飛行を見られた方々も同じ感情をいだいたのではないだろうか。

 感動冷めやらぬ中、模型好きの筆者はブルーインパルスの模型を探し始めた。できれば最新のものでなるべく大きいサイズがいいなぁ……と通販サイトを眺めていると「童友社」のブルーインパルスに目が留まった。それは塗装済み完成品フィギュアで1/72スケール、6月13日発売。ぴったりじゃないか!

童友社 プラチナコレクションNo.1 T-4ブルーインパルス1番機

 コロナ禍とはいえ仕事が立て込んでいる筆者にとっては手軽にあの感動と感謝を感じられる素晴らしい商品だと思われたのですぐに発注を決意。発売日には届いてくれたのでじっくりレビューしていきたい。ホントは2020東京オリンピックをメインターゲットに企画されたんだろうなぁ……。

手のひらに乗るブルーインパルス到着!

 童友社の新ブランドとなる「プラチナコレクション」のNo.1となるブルーインパルス1番機のパッケージ。機体全体が見やすいウインドウパッケージとなっており、今後のシリーズ展開ではイメージに合わせて外装色も白から変わるのかこれからコレクションする方にも気になるパッケージだ。

全面にわたってかっこいいブルーインパルスの写真と解説がびっしりのパッケージ

 箱を開けてみるとブリスタータイプのケースにうずめられたT-4が姿を現す。ケースは機体の形に成形されており機体をしっかり収め、さらに樹脂でコーティングされた針金モールで固定することで機体を傷つけることなく十分に保護できている。ケースの裏側には組み立て式の専用スタンドが収められている。専用スタンドをニッパーで切り出し、組み立てる。少々きつい感覚だがじんわり押し込んでいけば完成する。

完成品フィギュアのたたずまい。表側によくあるクリアーのカバーはなく、すぐに商品に触れる

じっくりとディテールを見ていく。そのリアルなスタイリングに感動!

 機体を取り出してじっくり見てみる。機体本体は左右の貼り合わせなので合わせ目が中央に走っていてそれが少々目立つだろうか。コクピットを覆うキャノピーはパイロットの視界確保のためにバブルキャノピーになっていてこれを忠実に再現している。これも抜き方の宿命か中央にパーティングラインが走っているのでウデに覚えのある方は消してみるといいだろう。

すばらしいプロポーション!まさにT-4たるスタイルを見事に再現している

 機体上面を見ると翼と本体にあるシルバーのラインが太めな印象を受けるが各部の印刷がきれいだ。日の丸や識別番号、”NO STEP”等のコーション、ブルーインパルスのロゴもキッチリ再現されていて気分を盛り上げてくれる。水転写デカールで失敗したらショック大きいし自分で貼り付けるシールだとその厚みからオモチャ感が目立ってしまうので印刷ってすばらしい。ありがとう!

少々視点を上げてみる。ちょっとした角度で表情がだいぶ変わる

 この商品はHIPSとABS(スタンドだけ?)というどちらも耐衝撃性ポリスチレン素材でできており、軽い印象ではあるが強度の問題はない。塗装もきれいでメインカラーの白と青の発色も素晴らしい。1番機を再現する各部マーキングもすばらしい再現度で美しい。ランディング・ギアは出ている状態で固定。ここは取り外してフタができる仕様だと嬉しかったかな。商品をみるとランディング・ギアを切り取ってカバーを着け直せば実現できそうな雰囲気。

エンジンノズル付近を見るとカラーでパーツ分けされているのがわかる

 ランディング・ギアは白一色とタイヤの黒というカラーリング。機体外に露出する機構部分としては少々さびしい印象ではあるので部分塗装でシルバーなどの金属色を入れてやってディテールが引き立つように薄くシャドウを入れてやればグッっと引き締まるだろう。

専用スタンドとりつけ穴は1mm×2mmほど。
スタンドに設置してみた。最初の差し込み時はだいぶ固く感じるがゆっくりやれば大丈夫。

 コクピットは実機同様複座を再現、前後2席のシートが目立つがコクピット自体をゴリゴリに再現しているわけではないようだ。筆者はクルマも飛行機もガンダムにも模型にはフィギュアが乗っててほしいと思っちゃうタイプなので、パイロットフィギュアがいないのは少々寂しいがコストのことを考えると致し方なしか。

機首のピトー管(流速計測器)も塗り分けされている。曲がったり折れやすそうなので注意

 翼を触ってみると意外とでこぼこしているのがわかる。これは悪い意味ではなく、実際の翼にはいろんな機構部分やセンサー、アンテナや空力のパーツがあるのでそのディテールを忠実に再現しているという意味だ。主翼翼下のハードポイント、パイロン(支持機構)もぬかりなく再現している。

あぁ……パイロンに増槽をぶら下げてみたい

飛行機モデルは自然光が似合う!梅雨の晴れ間を突いて太陽光下で撮影してみた

感謝の思いを胸に飛び立つブルーインパルス!
自然光があまりにすばらしかったため創作意欲が爆発!過去に旅行した時に撮った富士山をバックに訓練するブルーインパルスのイメージと、今回実際に感謝飛行を見ることができなかったので”おそらくこういう光景だったのでは……”という思いをCG合成で再現してみた。スモークも加えてみたがいかがだろう? ……すべて1番機なのはご愛嬌ということで

初めて”完成品モデル”を購入

 実は筆者は今回初めて航空機の”完成品モデル”というものを購入してみた。いつもはガンプラメインなので”組み立てる”という手順を踏んで出来上がった瞬間の充実感を楽しむともいうべき商品を触っているわけだが、今回の「童友社 プラチナコレクションNo.1 T-4ブルーインパルス1番機」はすでに完成していて箱から出したらすぐに飾って楽しめる商品だ。

 飛行機モデルなどのスケールモデルといわれるものは組み立てるにしてもそこそこの技術が必要になってくるのと塗装やデカール貼りなどさらに手間がかかったりする。そういうことを考えると今回の感謝飛行を目の当たりにして”すぐに手元に欲しい”という願いをかなえてくれるという、筆者のニーズやタイミングにピッタリあう商品だったし、こういった商品を待っていた方も多かったのではないだろうか。執筆時点で品薄状態になっているようなのでなかなかの人気の様子。

照明ではできないコントラストや陰影を求めて外ロケへ

 この商品は1/72スケールでそこそこ存在感のあるサイズでありながら邪魔になることもなく机の上にポン、と置いとけばいつでも眺められて触れられる。この距離感が楽しいとおもった。今回のレビューにあたり最初は”デスクトップモデルだし通常の撮影だけで十分”なんて思っていたが眺めているうちに”飛行機なんだから本物の空といっしょに写真を撮りたい”と思うようになった。

外だと固定が大変。それでも背景とのマッチングは照明では出せない雰囲気がある

 梅雨の晴れ間を探して、ささっとにブルーインパルスと撮影機材をクルマに積み込んで撮影に出かけたのが今回の外ロケ写真。やはり自然光は素晴らしい。楽しんでいただけたら幸いである。今回のブルーインパルス、”1番機”とあるので”5番機”まで出るのだろうか?5機揃えて飾りたい人もきっといるはず!童友社さま、ぜひともリリースのほどよろしくお願いします!