レビュー
「S.H.Figuarts アンク(人間態)」&「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ ラトラーター コンボ」レビュー
多彩なコンボと、"相棒"と並び立つ楽しさ! 大きく広がるプレイバリュー
2020年7月17日 12:08
【S.H.Figuarts アンク(人間態)】
ジャンル:アクションフィギュア
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
価格:6,600円(税込)
発売日:6月24日
【S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ ラトラーター コンボ】
ジャンル:アクションフィギュア
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
価格:7,150円(税込)
発売日:6月24日
BANDAI SPIRITSの「S.H.Figuarts(真骨彫製法)」で展開される「仮面ライダーオーズ」関連のプレミアムバンダイ(魂ウェブ商店)限定アイテムが、この6月末にまとめて発送された。今回のレビューで扱う「S.H.Figuarts アンク(人間態)」と、「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ ラトラーター コンボ」の2点である。元々前者は5月に発送予定だったが、新型コロナウイルスの影響により発送が遅れ、2点が同時に発送されることとなった。
アンクは仮面ライダーオーズこと火野映司の相棒といえる存在で、彼自身は敵となる欲望の存在「グリード」だが、右腕のみしか復活できなかったため普段は人間の体に憑依している。今回のフィギュアの"人間体"はその状態を再現した者。「メダルを集める」という目的の下、オーズを助けるが時には敵対もすると言う危うい存在だ。劇中変身したオーズと並び立つ場面も多く、今回のフィギュアでその場面を再現できる様になった。アンクを演じる三浦涼介さんそのままの再現度の高い表情は驚きの一言だ。
「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ ラトラーター コンボ」はオーズの変化形態のうち、3つのメダルの"コンボ"を揃えた状態の1つ。昨年レビューした「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーオーズ タトバ コンボ」と組み替えることで大きく遊びの幅を広げてくれる商品だ。
本稿ではこの2点のレビューをお届けするとともに、これまでに発売された「仮面ライダーオーズ」関連のアイテムと絡ませることで広がるプレイバリューについても言及していきたい。
アンク人間態役の三浦涼介さんの顔をデジタル彩色にて完全再現
「仮面ライダーオーズ」は、ドラマとしての面白さや玩具のヒットなどにより、現在も高い人気を誇っる「(平成)仮面ライダー」シリーズの1本だ。関連アイテムも実に充実していて、フィギュアなどに限らず、「COMPLETE SELECTION MODIFICATION」の「オーズドライバー」や、「TAMASHII Lab」の「アンク」、現在受注中のアイテムの中には「火野映司 明日のパンツ」なる、映司が大事に持っていたパンツまであるほどだ。アンクについても、「仮面ライダー」シリーズにおける怪人の人間態としてのS.H.Figuarts化は異例のことで、実写の人間のキャラクターに用いられる「魂のデジタル彩色技術」を導入して造形されている。
アンク人間態を演じたのは、俳優の三浦涼介さん。特徴的な髪型と横暴な性格のアンクと、それとは正反対の心優しい刑事でアンクに取り憑かれる泉信吾の2役を好演し、火野映司との仮面ライダーと怪人の異色コンビも話題となった。この「S.H.Figuarts アンク(人間態)」は、そんな三浦涼介さんの顔を骨格から立体化し、不敵な表情や編み込まれた髪の毛まで「魂のデジタル彩色技術」にて再現している。
劇中でアンク人間態が着ていた服は何種類か存在したが、このフィギュアでは冬の彼を印象づける右袖の赤い革ジャンを採用している。可動は「S.H.Figuarts」シリーズとしての基礎的な可動範囲を持たせつつ、革ジャンの胴体部分は軟質パーツで造形し、見た目と可動を両立させている。なお公式サイトには「真骨彫製法」で体型を再現していることに触れられていて、パッケージも同シリーズの雰囲気を出しているが、商品ブランドとしては「真骨彫製法」ではないこともお知らせしておきたい。
付属品は持ち手が10種類と、表情3種、アンクの好物である3本のアイスキャンディーを持った手、そして泉比奈より送られたオーメダルホルダーが付属し、劇中のシーンを再現可能だ。顔パーツは通常顔と笑みを浮かべた顔、歯をむき出した怒り顔の3種あり、前髪を外して交換する。オーメダルホルダーは折りたたみが可能で、オーメダルも24枚収納可能だが、オーメダル自体は付属しないため、「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーオーズ タトバ コンボ」などの別アイテムから持ってくる必要がある。
このアンク人間態を何よりも引き立てるのが、今年1月に一般販売された「S.H.Figuarts(真骨彫製法) アンク」である。アンクの象徴であり、単独行動もしていた右腕を「真骨彫製法」にて造形したアイテムで、このアンク人間態とも互換性がある。右腕のヒジから先を外して真骨彫アンクを接続すれば、劇中でもよく見せていた右手だけがグリードの姿を再現できる。
また真骨彫アンクに付属する小物も、アンク人間態を引き立てる。映司に渡すオーメダルや自身の体を再生させるために執着したセルメダル、情報収集のために愛用していたスマートフォンなど、人間態のアンクが使って画になる小道具が揃っている。いっそのことセット販売してもよかったと思えるぐらいの充実ぶりだ。
筆者は以前、「S.H.Figuarts」で発売された「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカーのレビューを執筆したことがあるが、“実在する人物(が演じるキャラクター)のフィギュア化”というアイテムが好きで、これまで好きな人物やキャラクターのものをいくつか購入しているが、このアンク人間態もそんなコレクションの1つとなった。
ただ、筆者の手持ちの個体は、付属の怒り顔のジョイント穴が小さく、取り付けたときに穴がちぎれてしまった。他にも笑い顔の左に塗装のムラがあるなど、気になるところがあり、せっかくの限定アイテムなので、品質管理は徹底してもらいたいとも思った次第だ。
敵の目をくらまし、猛スピードで翻弄するラトラーター コンボ! そしてコンボチェンジも実現!
続いては「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ ラトラーター コンボ」に移ろう。真骨彫オーズのタトバ コンボは昨年8月に一般販売されたが、その後発売された「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ ガタキリバ コンボ」とこの真骨彫ラトラーター コンボはプレミアムバンダイでの受注販売されたものだ。
このシリーズは、オーズのメダルによる変身ギミック「コンボチェンジ」を実現していたが、真骨彫タトバ コンボ単体ではそれを楽しむことは物理的にできなかったため、今
年2月の真骨彫ガタキリバ コンボの発売によって、ようやくそれが実現できたのだ。
今回紹介するラトラーター コンボは、グリードのカザリのコアメダルであるライオン・トラ・チーターで変身する形態だ。第9話で初めてその形態となり、変身時のフラッシュだけで対峙したメズールのコアメダルを引きはがしている。ライドベンダーとトラカンドロイドが合体した「トライドベンダー」に乗ることで、そのオーバーパワーを制御し、サメヤミーを撃破したシーンも印象的だ。
この真骨彫ラトラーター コンボは、たてがみが厳つい「ライオンヘッド」と、ブーツが特徴的な「チーターレッグ」を新造形。そこにタトバ コンボの「トラアーム」を加えると、このラトラーター コンボとなる。先に発売されたガタキリバ コンボは、仮面ライダーらしい虫のモチーフと色使いだったものの、配色としてはやや地味めだったが、ラトラーター コンボはゴールドとイエローの配色がよく映え、たてがみやトラクロー、そしてバッタレッグよりも太いチーターレッグと、ワイルドさが際立っている。
そして待望のコンボチェンジは、本体を頭部、胸部+腕、腰部+脚という3つの部位にそれぞれを分解し、オーラングサークルの下部を外して行なう。今回は発売済みの真骨彫ガタキリバ コンボも含め3体を揃えたことで、その組み合わせにより12種類のコンボチェンジが可能だ。劇中のシーンを再現するもよし、登場しなかったコンボを作って楽しむもよし、番組放映当時に発売された玩具「オーズコンボチェンジシリーズ」と同じプレイバリューを、真骨彫製法のプロポーションや可動で味わえるのである。
先頃行なわれた「TAMASHII Features 2020」では、「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ シャウタ コンボ」の受注が7月17日よりプレミアムバンダイで開始されることが発表され、真骨彫タトバ コンボは8月に再版されることもアナウンスされた。同じ8月には「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ タジャドル コンボ」の一般発売が予定され、「仮面ライダーオーズ」関連アイテムのさらなる充実に期待するとともに、まだ入手できていないという人も、この8月には注目していてほしい。
(C)石森プロ・東映