レビュー

アクションフィギュア「G.F.F.M.C.MS-05S ザクⅠ(シャア専用機)」レビュー

赤い彗星の原点! ザクなのに「こいつ動くぞ!」と感動する可動に大歓喜!

【GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE MS-05S ザクⅠ(シャア専用機)】

ジャンル:アクションフィギュアフィギュア

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

価格:22,000円(税込)

発売日:1月30日

全長:約180mm

 「ザク」といえば、動力パイプむきだしのMS-06系統を思い浮かべる人が、ほとんどだろう。しかし、1年戦争時のザクで、忘れてはいけないザクがある。それはMS-05……つまり「ザクI」だ。しかし、劇中では「ザクII」を「ザク」と呼称しているため、一般的には旧ザクとか作業用ザク……なんて言い方もされている。ちなみに、劇中では補給艦パプアの艦長ガデム大尉が、アムロ搭乗のガンダムに挑み、予想以上に奮闘するものの撃墜されている。

 ……とまあ、ちょっと不遇の機体だったが、「機動戦士ガンダム」の前日譚を描く安彦良和の「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」では大活躍し、なんと「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE(G.F.F.M.C.)」シリーズで商品化された。「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE MS-05S ザクⅠ(シャア専用機)」は、一見すると既発のMS-06をベースにすれば簡単に商品化できそうに思えるが、実はよく見るとかなり異なる機体なので、どのような造型をされたのか楽しみである。

 ちなみに、私は中学生のころプラモデルの「1/144 旧型ザク」を購入し、これをベースにザクIIに改造しようとして失敗した黒歴史を持つので、ディテールの違いをイヤというほど目の当たりにしているのだ。そういうわけで、今回は満を持して「G.F.F.M.C. MS-05S ザクⅠ(シャア専用機)」をレビューしていくぜ!

【G.F.F.M.C. MS-05S ザクⅠ(シャア専用機)】
「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE MS-05S ザクⅠ(シャア専用機)」は、劇場アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のストーリー後半にシャア・アズナブルが搭乗した「MS-05S ザクI」をモチーフにしている。カトキハジメ氏プロデュースによるプロポーション再現している

パッケージを開封しまずは素立ちを愛でる

 「GUNDAM FIX FIGURATION」は、メカデザイナー カトキハジメ氏プロデュースによる完成品モデルそしてさらに「METAL COMPOSITE」がつく「G.F.F.M.C.」は金属パーツを多用した高級フィギュアで、“超合金”シリーズで培った重量感や強度の増した関節構造など、ユーザーに高い満足感を与えるシリーズとなっている。

 まずは、パッケージと内容をチェックしていこう! パッケージは細長タイプで「G.F.F.M.C.」の名前に相応しく、文字が箔押しされていてきらびやかな感じで高級感がある。どことなく「METAL BUILD」シリーズに通じるパッケージかもしれない。旧GFFのように透明で中身が見えるパッケージもワクワクするが、高級感溢れるパッケージは、宝物を手に入れた気分になれるので好きだなぁ。

 パッケージを開けると発泡スチロールに抱かれた本体や透明のブリスターに入ったパーツ類、説明書が躍り出る。特に武器や交換用の手がたくさん入ったブリスターが武器庫のように見えてきて、一刻も早く取り出して遊びたい!!……だが、ちゃんと仕事としてチェックしなければならないのが辛いところだ。

【パッケージ】
豪華なパッケージの中にはお宝満載

 パッケージからザクIを取り出し、硬い“気をつけ状態”にならないよう、多少ハの字に立たせてぐるりと1周させて眺めてみる。こうしてみると、パッケージに入った状態とは異なり、プロポーションや色味などがよく見えるのだ。

 正面から見ると若干脚のボリュームがあるような気がするが、大河原さんの初期スケッチはかなりずんぐりな感じもあるし、あくまでも安彦版のザクなのだから、これでいいのだ! 個人的には旧ザクというと肩のアーマーにスパイクもないし、肩のシールドもない。だが、これは旧ザクではなく、ザクI……しかもシャア専用のMS-05“S”なのである。

 カラーリングの赤は、ピンクとうよりも赤に近いダークピンクで、鳥肌が立つほどシビれる色に仕上がっている。そこに、気の利いたマーキングが、うるさくならない程度に書き込まれていて、兵器としてのリアリティをアップさせていた。

【素立ちのザクを愛でる】
スマートで見応えがあるザクIの全身

 そして何よりも気にいったのは、モールドの豊富さ。模型雑誌で見るようなスジ彫りや小さなスラスターなどの演出が随所にあり、著名モデラーの超絶テクで作り上げられたモデルのような作り込みがされている。

 例えば肩アーマーのスパイクにはリベット跡のようなモールドがあったり、ふくらはぎ部分には中心部に筋彫りのような線がある。このような筋彫りモールドは、プラモデルで合わせ面の跡を消すのではなく、ワザと合わせ面部分に線を入れるテクニックの応用ともいえるだろう。このような丁寧な仕事は、見ているだけで幸せな気分になれる。

【各部ディテール】
肩アーマーやコクピット、スラスターなど細部をチェックするほどそのディテールに感心させられる