レビュー

「チェインレンサー」レビュー

うまくチェインレンサーを配置しないと途中で止まってしまうのが面白い

 「スターターセット DX」には、001~008までのチェインレンサーが1個ずつと、009が3個の合計11個のチェインレンサー、ストレートロード4個などが付属している。これらを組み合わせるだけでも、かなりいろんなレイアウトが実現できる。

 そこで「スターターセット DX」に付属する全てのチェインレンサーとストレートロードを組み合わせて、コースを作ってみた。写真を見れば分かるように、「スターターセットDX」だけでもかなり長いコースを作ることができる。

 まず、見事に成功した動画から紹介する。この動画を見ると、簡単にゴールまで達成できたように思われるかも知れないが、実はゴールにたどり着くまで、10回近くやり直しているのだ。チェインカーが途中で止まってしまうと失敗だが、特にトラブルが多いのが「009 カーブR90ロード」で方向を転換した直後である。「009 カーブR90ロード」には引き出せるジョイントがあり、ジョイントを最後まで引き出し、カーブ先のチェインレンサーの側面の凹みとジョイントの出っぱりを合わせてはめ込む必要がある。この位置あわせと角度あわせが結構シビアである。何度かやってコツを掴めば比較的簡単だが、最初はかなり手こずるだろう。

 また、まっすぐな道でも途中で止まってしまうことも多いが、これはチェインカーの速度が足りないか、チェインレンサーのつなぎ目部分に隙間があったり、つなぎ目で微妙に角度がずれてしまっていることが原因である。チェインカー自体には動力がないので、ストレートロードばかりを繋げていくと、当然速度が落ちていく。そこで適度にチェインレンサーを配置し、チェインレンサーのスロープによって、チェインカーを加速してやる必要があるのだ。最も加速できるのは「007 バーティカルロード」であり、長いコースを完走させるには、「007 バーティカルロード」の配置がキモになるだろう。

 ちなみに、チェインレンサーがチェインカーを加速させる動力源となっているのだが、物理学的に考察すると、チェインレンサーを畳むときに加えた力が、内部のばねに弾性エネルギーとして蓄えられ、チェインカーが通るときにその弾性エネルギーが解放されてチェインレンサーが変形し、スロープが作られる。チェインカーがスロープの上に上がることで、その弾性エネルギーの一部がチェインカーの位置エネルギーとなり、チェインカーがスロープを下るときに、チェインカーの位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、チェインカーが加速するという仕組みであろう。

【「スターターセット DX」で遊んでみた】
このように出っぱり部分と穴部分をあわせて繋げていく
隙間を作らないようにしっかりはめ込むことが大切
スターターセットに含まれている全てのチェインレンサーとストレートロードを組み合わせてコースを作った
【スターターセット DX その1】
見事ゴールに成功
【スターターセット DX その2】
ゴールしたら、また走らせるためにチェインレンサーを畳んでいく必要がある
【スターターセット DX その3】
今度は最後のカーブ直後で止まってしまった。カーブR90ロードの次のチェインレンサーの位置が悪かったのだと思われる
「009 カーブR90ロード」の側面には引き出せるジョイントがある(この写真はジョイントを収納している状態)
ジョイントを引き出したところ
チェインレンサーの側面には凹みがある
この凹みとジョイントの出っぱりをぴったり合わせてはめ込む必要がある

他のスターターセットやブースターパックを紹介

 このように、チェインレンサーは「スターターセット DX」だけでも十分に遊べるのだが、今回は他の製品もまとめてお借りしたので、そちらも簡単に紹介する。

 「スターターセットα」には、5個のチェインレンサー(「001 カタパルトロード」「005 トリスロープロード」「006 タワーロード」「007 バーティカルロード」「009 カーブR90ロード」)と「ストレートロード」2つ、チェインカー「α」と4つのブロックゴールが付属している。

【スターターセットα】
「スターターセットα」のパッケージ
「スターターセットα」のパッケージ裏面
「スターターセットα」の内容物。5つのチェインレンサーと2つのストレートロードが付属する
「スターターセットα」にはチェインカー「α」と4つのブロックゴールが付属する

 また、「スターターセットβ」には、5個のチェインレンサー(「002 クイックカタパルトロード」「003 スロープロード」「004 リフトロード」「008 メガリフトロード」「009 カーブR90ロード」)と「ストレートロード」2つ、チェインカー「β」と4つのブロックゴールが付属している。

【スターターセットβ】
「スターターセットβ」のパッケージ
「スターターセットβ」のパッケージ裏面
「スターターセットβ」の内容物。5つのチェインレンサーと2つのストレートロードが付属する
「スターターセットβ」にはチェインカー「β」と4つのブロックゴールが付属する

 ブースターパックとしては、「006 タワーロード」「007 バーティカルロード」「009 カーブR90ロード」の3種類のチェインレンサーが単品販売されているほか(「ストレートロード」も1つ付属する)、「ストレートロード」6個とチェインカー「βブラックVer.」がセットになったものが販売されている。

【ブースターパック】
「CR-04 ブースターパック タワーロード」のパッケージ
「CR-04 ブースターパック タワーロード」のパッケージ裏面
「CR-04 ブースターパック タワーロード」の内容物。「006 タワーロード」と「ストレートロード」が1つずつ入っている
「CR-05 ブースターパック バーティカルロード」のパッケージ
「CR-05 ブースターパック バーティカルロード」のパッケージ裏面
「CR-05 ブースターパック バーティカルロード」の内容物。「007 バーティカルロード」と「ストレートロード」が1つずつ入っている
「CR-06 ブースターパック カーブR90ロード」のパッケージ
「CR-06 ブースターパック カーブR90ロード」のパッケージ裏面
「CR-06 ブースターパック カーブR90ロード」の内容物。「009 カーブR90ロード」と「ストレートロード」が1つずつ入っている
「CR-07 ブースターパック ストレートロード」のパッケージ
「CR-07 ブースターパック ストレートロード」のパッケージ裏面
「CR-07 ブースターパック ストレートロード」の内容物。ストレートロードが6個とチェインカー「βブラックVer.」が1つ入っている

チェインレンサーを余すことなく使って大型コースに挑戦

 最後に、今回試用したチェインレンサーのほとんどを使って、3レーンのコースと巨大レイアウトに挑戦してみた。3レーンのコースは、娘がタワーロードなどの変形を見て、「エヴァンゲリオンの第3新東京市の戦闘形態への移行みたいだ」と呟いたのをヒントに、それらしく見えないか考えたものだ。しかし、3レーン全て同時に完走させるのは想像以上に大変で、20テイク近く繰り返してようやく成功した。

 巨大レイアウトでは20個のチェインレンサーを使っているのだが、こちらもカーブで止まることが頻発して、完走させるのはかなり大変だった。チェインレンサーを数個繋げるだけならそれほど難しくはないが、十数個を超えると完走はなかなか難しくなる。その分、やり甲斐もあり、達成したときの喜びは大きい。そのカタルシスはドミノ倒しに近いと思われるが、もちろんドミノ倒しほど地道な作業を要求されるわけではない。

【3レーンコースに挑戦】
3レーンのコースを作成
【3レーンコース その1】
真ん中のレーンのチェインカーが途中で止まってしまった
【3レーンコース その2】
20回近くの挑戦の末ようやく3レーンとも走り抜けることができた
【3レーンコース その3】
この角度だとよりエヴァ感が増す
【巨大レイアウトに挑戦】
20個のチェインレンサーを使った巨大レイアウト
【円形コース その1】
3回目のカーブ直後で止まってしまった
【円形コース その2】
今度は1回目のカーブ直後でストップ。やはりカーブは鬼門だ
【円形コース その3】
挑戦を繰り返すこと10回目くらいでようやく完走(最後のクラッシュゴールは開いてないのだが)

 公式サイトでは、今後、ミッションが提示され、そのミッションクリアの動画を募集して投稿者の中から抽選で景品をプレゼントする企画が行われる予定だ。また、スタートからゴールまでの時間を競うRTA(リアルタイムアタック)イベントなども開催される予定とのことであり、今後の展開が楽しみだ。

 大きなレイアウトを作るには多少のスペースが必要だが、工夫して作ったコースを完走したときはとても嬉しい。親子でワイワイ遊ぶにもぴったりのアクションホビーとしてお勧めしたい。