レビュー

アクションフィギュア「WFC-11 オプティマスプライム」レビュー

直感的な変形ギミックでいつでもどこでもトランスフォーム!

 本製品最大の魅力は何といっても忠実にトラクターヘッドにトランスフォームできる事だ。変形後のトラクターヘッドの完成度がかなり高い点にも注目だ。

 また、変形の構造が分かりやすく、直感的にトランスフォームできるのも魅力だ。初回はマニュアルなどを見ながら行なうのがベストだが、1度覚えてしまうと、あとは何も見なくても手軽にトランスフォームできるので、手元に置いておいて、何かの待ち時間などのふとした隙間の時間で手軽にトランスフォームが楽しめる。

【トランスフォーム!】
手順は人によって異なると思うが、何はなくともまずは拳を収納するところから。上腕部の1辺が開閉するため、そこを開いて拳を収納する。この時、拳の向きによっては開閉部と干渉する場合があるので、拳の向きを手の甲が開閉部を向くように整えておく。肘は正面に向けて90度にまげて、肩はトランスフォーム最後の収納時に備えて背中まで回転させておく。
 背中にある車輪を開いて、ひっくり返す。ここで腰を半周させて真逆を向かせる。さらに腰部背面の両サイドを開いておく。
次にコンボイの胸部と腰部のロックを外して展開する。ここは個体差があり、物によってはかなりガッチリとハマっている場合もあるので力加減をうまく調整しながら展開する。うまくロックが外れたら、2段階に折り畳まれたトラクターヘッドのフロント部を展開。この時トラクターヘッドのフロント下部を開いた際にフロント上部とロックできるので、カチッとハマるまで開く。そしてフロント部の背面に畳まれた扉をすべて全開にする。
展開したトラクターヘッドのフロント部を元に戻し、そのままバンパー部の爪にカチッとハメる
頭部の収納は後頭部にあるくぼみに爪をひっかけて、後ろに倒して収納スペースを開き、そこに頭部を回転させながら収納する。収納後は再度戻して収納スペースを閉じる
足は爪先と踵を稼働させて畳む。また足は直立状態にすることで、内側の凸部と凹部がカチッとはまるのではめておく。
ここで足を90度倒して、腕部を本体に収納する。腕部の収納スペースはここしかない、というくらい明確に収納可能なスペースがキッチリ空いているので、そこに腕の形状を合わせて収納する。あとはトラクターヘッドのフロント部の扉を全て閉じる。全てがピタッと収まるようになっているので、ピッタリ合わない場合は、状態を再度確認しよう。あとは太腿部の部品を展開すればトランスフォームが完了となる。
「トランスフォーム! 」と声をかけてから素早く自分で変形する楽しみ
トラクターヘッドの完成度がかなり高く、車の玩具として置いておいても遜色ないレベル……はさすがに言い過ぎか

 実際のアニメでは人型ロボットからトラクターヘッドにトランスフォームした後は、どこからともなく現れたトレーラーがドッキングするが、本製品にはトレーラーは付属しない。もしトレーラーが必要な場合は、2020年発売の「ER-02 オプティマスプライム with トレーラー」を購入するか、2021年3月発売の「WFC-16 ネメシスプライム」を購入することでトレーラーが入手できる。

 トランスフォーマーの玩具類の特徴の1つとして、同シリーズであれば武器や装備など、装着可能なアイテムについては共通で使いまわせる。今回のオプティマスプライムも、本体をよく見るとボディの何か所かに穴があり、この穴に径の共通の武器などを装着できる仕掛けとなっている。前述のトレーラーについても、トラクターヘッド変形後にトレーラー装着用の六角形の穴が用意されているので、同シリーズのトレーラーなら装着が可能となっている。子供の自由な発想で色々組み替えて遊べるようになっているのはユニークな仕掛けで好感が持てる。

【広がる遊び】
トラクターヘッド背面にはハンドバズーカを折り畳んで収納できる
オプティマスプライムのボディをよく見ると随所に意味ありげな穴が用意されているが、これを利用して径の同じ武器類を装着してオリジナルの遊び方ができるようになっている

 筆者の手持ちの「PP-09 オプティマスプライム」と比べてみると、こちらは1台のオプティマスプライムからトラクターヘッドとトレーラーの両方に変形できるという大胆な作りになっている。トレーラーがどこからともなく、ではなく本体に一緒になっている作りは非常に魅力的だ。その分変形ギミックが複雑でかなり難易度が高い。正直なところ、マニュアルを見ながら小一時間かけてようやく変形が行なえるくらい難しく、1度変形するとしばらくはそのまま飾っておきたくなるくらい手順が煩雑だ。だが変形したトレーラ付きトラックの完成度はかなり高く、持っていて嬉しくなるアイテムに仕上がっている。

【比較】
PP-09 オプティマスプライムは全体的にかなりサイズが大きく、腕周りも独創的なデザインになっている。可動もかなりあちこちが動作するので遊んでいると面白い
変形すると手や足など本体の大多数の部分がトレーラー部へとトランスフォームし、トレーラーヘッド部のみがトレーラーヘッドに変形するやや特殊な変形となっている

あばよコンボイ! 、よろしくオプティマス!

 トランスフォーマーシリーズは昨年40周年を迎え、今なお、新作が製作、配信される人気シリーズとして定着している。敵味方が明確に分かれているなど、普遍的な勧善懲悪のテーマを扱うとともに、シンボルとしての「オプティマスプライム」を必須の要素として残したことが、今でも人気のポイントなのではないかと考える。

 直接のきっかけはやはり実写映画だろう。マイケル・ベイ監督のド派手な演出やCGによるリアルな変形ロボットのビジュアルは、時代のニーズにもマッチし、トランスフォーマーの知名度をリブートさせた。その結果、2021年の現在でもアニメの新作が継続する流れになった事は古くからのファンとしては喜ばしい限りだ。

 さらにNETFLIX版は見ていないが、情報を見て驚愕したことが、オプティマスプライムの日本語吹替の声優として、声優の玄田哲章氏がクレジットされているからだ。40年前のアニメから変わらず声を続けてくれている。筆者はNETFLIXに加入していないが、この声を聞くために見てみたいと思ったほどだ。

 今回、「WFC-11 オプティマスプライム」を一通り遊んで感じたことは、名前こそ違えど、“コンボイ”の魂はここにあるということだ。今後も“コンボイ”の魂のこもったオプティマスプライムの製品を色々とチェックして遊んでいきたい。

【広がる楽しさ】
変形ロボットの魅力の1つは、変形ギミックを従来の変形以外にも活用できる点だ。例えば「WFC-11 オプティマスプライム」はそのままだと腰部の回転ギミックが活かせない作りだが、トラクターヘッドへの変形時のように背面パーツを展開したままにすることで腰部の回転など可動域が格段に広がる。また、「WFC-16 ネメシスプライム」のトラクターヘッド変形時に、全てのタイヤを回転させる機構を利用して、これらのタイヤ全てを底面に向ける事でオリジナルのホバーモードが爆誕だ!