レビュー
フィギュア「THE合体 グリッドナイト&ゴルドバーン」レビュー
大迫力の「カイゼルグリッドナイト」へ合体!
2021年8月6日 00:00
- 【THE合体 グリッドナイト&ゴルドバーン】
- 開発・発売元:グッドスマイルカンパニー
- 発売日: [先行抽選販売] 2021年7月
- [一般販売] 2021年11月
- 価格:8,800円(税込)
- ジャンル:アクションフィギュア
グッドスマイルカンパニーより、「THE合体 グリッドナイト&ゴルドバーン(抽選先行販売)」が7月30日に発売された。
本商品は本商品はアニメ「SSSS.DYNAZENON」に登場した「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」をグッドスマイルカンパニーのトイブランド「THE 合体」シリーズからの立体化となっている。
「SSSS.DYNAZENON」からこの2体が立体化されたことは、アニメを視聴していた筆者にとっても非常に嬉しかった。しかし、それは本商品だけで完結しない、壮大な「THE 合体」だからこそできる遊びの広がりがあるからだ。
何といっても、本商品の最大の魅力は5月に発売された「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」と合わせることで、劇中の「超合体竜王 カイゼルグリッドナイト(以下、カイゼルグリッドナイト)」が再現できることだ。本商品は抽選先行販売で、前述の「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」についているシリアルコードを使い、一足早く抽選購入することができた。
そこで10月に通常販売される「THE合体 グリッドナイト&ゴルドバーン」を購入するか迷っている人や、「THE 合体」シリーズを知らない人にその魅力を伝えたい。
「SSSS.DYNAZENON」について
まずはアニメ「SSSS.DYNAZENON」について説明したい。
本作は前作「SSSS.GRIDMAN」と同様、特撮テレビドラマ「電光超人グリッドマン」を原点とした作品。主人公、麻中蓬は「怪獣使い」と名乗る謎の男ガウマと出会う。そして、彼が住む街に「怪獣優生思想」が操る怪獣が出現し、ガウマによって怪獣に対抗する巨大ロボット「ダイナゼノン」が現れる。麻中蓬と、その場に居合わせた南夢芽、山中暦、飛鳥川ちせは怪獣との戦いに巻き込まれていく。
その物語の中で、「グリッドナイト」が登場した。
「グリッドナイト」の初出は前作「SSSS.GRIDMAN」だ。元は新条アカネが対グリッドマンに生み出した怪獣アンチで、「グリッドマンを倒すため」能力をコピーし、様々な形で挑んでは敗北を喫してきた。
そして、「自分がグリッドマンを倒すため」にグリッドマンのピンチにグリッドマンの姿と能力をコピーした姿「グリッドナイト」へと変身した。怪獣からヒーローへ変身する驚きの展開や特撮のニセモノヒーローにも、第2のヒーローにも見える造形や活躍は当時筆者にとって衝撃的であった。
そんな「グリッドナイト」が「SSSS.DYNAZENON」に再び登場したことは予想外であり、前作と比べた時の成長ぶりにも思わずニヤリとするキャラクターとなっていた。
そして、「ゴルドバーン」はアニメ「SSSS.DYNAZENON」の終盤、第9話にて登場。「ダイナゼノン」のパイロットではない飛鳥川ちせの前に現れた飛竜型のメカニカルな怪獣で、劇中では盾に変形し、「ダイナゼノン」と「グリッドナイト」を守ったり、「グリッドナイト」と合体した「グリッドバーンナイト」としてアシストした。
「意志を持った怪獣」という前作での「グリッドナイト」とシンパシーを感じる表現や主人公たちをサポートする姿は、登場時期は短いながらも印象に残る活躍を見せてくれた。
しかし、「ゴルドバーン」の登場にとどまらなかったのがこの第9話。
主役の巨大ロボット「ダイナゼノン」、「グリッドナイト」、「ゴルドバーン」が合体し「カイゼルグリッドナイト」となった。ヒーローとメカの合体という「グリッドマン」ならではの要素に加え、怒涛の展開での登場に筆者は放送当時大興奮だった。
武骨で巨大感ある姿や合体シーンの熱さは、物語終盤の最強形態の登場という作品随一の熱量が感じられた。
筆者にとっても、ロマンの塊ともいうべき「カイゼルグリッドナイト」はドストライクで立体化が待ち遠しかった。
そして、本商品で「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」との合体が楽しめることに心が躍った。
しかし、追加による合体拡張は合体トイによって泣き所でもある。ひと昔前は合体変形の都合上、プロポーションがアニメや設定画からかけ離れていることが多かった。
だが、今は令和の時代。進化を続けるフィギュアの技術は「そのひと昔の技術」をはるかに超えていた。
パッケージ、中身を確認。
最初はパッケージデザインを確認。「カイゼルグリッドナイト」を中央に据え、左右に「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」の商品画像を配置している。
また、「THE合体 グリッドナイト&ゴルドバーン(抽選先行販売)」と別売りの「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」を収納できる特製パッケージスリーブが付属し、そこには大張正己氏による大迫力の「カイゼルグリッドナイト」が描かれている。
特製パッケージスリーブの豪華なイラストはアニメの活躍が頭の中でよみがえる心憎い演出だと筆者は感じた。
それでは、中身を見ていこう。ブリスターの中に「グリッドナイト」、「ゴルドバーン」が収まり、他にも補助パーツ類と交換用手首パーツ、そして、マント、取扱説明書が収まっている。
内容物を改めてみると「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」と合体用のジョイントとなっており、あくまで「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」と合わせて遊ぶのが前提な印象となっている。
しかし、ブリスターに収まっている状態でも、「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」がアニメに近い造形となっているのがわかる。合体に入る前に、まずはこの2体について詳しく見ていこう。
「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」の造形を確認。スタイリッシュでエッジの効いたデザイン
最初は「グリッドナイト」を見ていこう。劇中の紫を基調としたカラーリングに、幾何学的なアーマーにスーツ的な独特なスタイルが再現されている。
スタイリッシュな劇中のプロポーションが見事に立体化され、単体でのディスプレイも映える。裏面はネジ穴が露出している部分があるが、背面向きでディスプレイしない限り目立たない配置となっている。
単体フィギュアとしても作りこまれ、筆者は改めて「THE 合体」シリーズのこだわりに脱帽した。
続いて、「ゴルドバーン」を見ていこう。「ゴルドバーン」は胴体と首部が分かれており、差し込むことで完成する。そして、翼や脚部の位置を調整して基本形態にすることができる。
完成した「ゴルドバーン」基本形態も、劇中のデザインが再現されている。全身のゴールドが眩しい、存在感抜群のカラーリングとなっており、エッジの効いた各所の造形がメリハリのあるプロポーションを表現している。
翼を広げた状態では背中の模様がはっきりとして、さらに迫力のあるディスプレイができる。
造形は劇中のデザインが再現され、単体でのディスプレイも映える出来栄えとなっている。
そして、次は気になる各可動域を見ていこう。
「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」の可動域を確認。変形のための保持力と柔軟性が頼もしい
「グリッドナイト」の可動は首、肩、肘、手首、股関節、膝、足首となっている。肩はアーマーパーツが干渉しないよう、アーマーにも独立した可動がある。
可動は最小限となっており、単体でぐりぐり動かすと物足りない感じがする。特に腰部が動かないため、キックやパンチなどの溜めの動作が表現しにくい。
しかし、各関節がしっかりしており重さでヨレにくく、信頼感のある構造となっている。
「ゴルドバーン」の可動は顎、首、翼、脚部となっており、特に翼と脚部は変形機構もあって柔軟に可動することができる。
また、首の付け根部分は差し込む箇所を変えることで、合体変形に対応や首の角度調整ができる。単体では飛翔状態がより自然な配置が可能となっている。
可動範囲は最小限にして、「THE 合体」シリーズの醍醐味である合体変形に特化した印象となっている。
しかし、「グリッドナイト」は単体でのアクションが厳しく印象で、「ゴルドバーン」や別売りの「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」の「ダイナレックス」と合わせることでその幅を広げることができる。
「グリッドナイト」のアクションを広げる遊び。「ゴルドバーン」の変形
「グリッドナイト」は「ゴルドバーン」を変形させて、遊びの幅を広げることができる。
まずは「ゴルドバーン」シールド状態を見ていこう。「ゴルドバーン」を変形させ、持ち手のアタッチメントを取り付けることで完成する。
「ゴルドバーン」シールド状態は基本形と異なり厚みのある造形となっている。脚部や尻尾の破綻なく纏まり、重厚感と頑強さが演出されている。
「グリッドナイト」に武器の持ち手ハンドパーツに差し替えることで、構えた姿を再現できる。
さらに、「ゴルドバーン」は「グリッドナイト」の背中に装着した「グリッドバーンナイト」にすることもできる。
「グリッドバーンナイト」にすると翼を広げたダイナミックな「グリッドナイト」が表現できる。
また、商品にとどまらず別売りの「THE合体 合体竜人 DXダイナゼノン」と合わせた変形装備がある。
それは「ダイナレックス」を変形させた「ダイナミックキャノン」を持たせた状態だ。
「グリッドナイト」に持たせることで、「SSSS.DYNAZENON」第8話の再現ができ、ダイナミックな射撃体勢を取ることができる。
ここまで「グリッドナイト」と「ゴルドバーン」について紹介してきた。単体でも「ゴルドバーン」の変形によって、様々な劇中の形態やシチュエーション再現が楽しめる。
一方で単体のアクションフィギュアと見してみた時、「グリッドナイト」は腰が回らないことがネックで物足りない感が否めない。中でも印象的な腕組みポーズができないのは残念な点だ。
しかし、本商品の「グリッドナイト」は単体としての魅力以上に、やはり「THE 合体」シリーズならではの合体変形遊びがメイン。
いよいよ本命の「カイゼルグリッドナイト」の紹介に入っていこう。