レビュー
「京商 1/5 RC サーファー4」レビュー
波にのまれてもすぐに復帰! 華麗なライディングをRCで満喫できる!
2021年12月10日 00:00
- 「1/5 RC サーファー4 カラータイプ3 キャッチサーフ レディセット」
- 開発・発売元:京商
- 発売:12月下旬予定
- 価格:39,380円(税込)
- ジャンル:RCボード
- 全長:660mm
- 最高時速:約21km/h
京商が12月末に発売を予定している「1/5 RC サーファー4 カラータイプ3 キャッチサーフ レディセット(以下、「1/5 RC サーファー4」)」は、“サーフィンが楽しめるRCボート”である。その名の通り海で波に乗り、自分がサーフィンを楽しむかのように、RCボートを操作できるのだ。
サーフィンはやはり“ボードの上に乗る”というのが難しい。それに波にのまれるとその激しいエネルギーにボードや体が翻弄されてもみくちゃにされてしまう。しかし「1/5 RC サーファー4」は転覆自動復帰機構により波から頭を突き出し、実に華麗な姿で波の上を滑っていくのである。
筆者が住む千葉県一宮町は「オリンピックのサーフィン会場になった場所」である。今回せっかくなので、発売に先がけてサンプルを借り、このオリンピック会場で「1/5 RC サーファー4」を遊んでみた。誰でも気軽に“波乗り体験”が楽しめる、非常に面白い商品であることが実感できた。感触をレポートしていきたい。
大きなサイズが楽しい
「1/5 RC サーファー4」は京商の「RC サーファーシリズ」の第4弾となる。ボードに人が乗っている姿を再現したRCボードで、波にのまれても転覆自動復帰機構によりライディング姿勢に復帰、サーファー気分が味わえる。「4」は「3」よりもパワーが上がり、よりパワフルな走航が楽しめるという。
「4」はこれまで「ブルー」と「ブラック」が発売されており、今回発売される「カラータイプ3 キャッチサーフ」で3機種目となる。各機種の違いは色。サーフボートだけでなく、ウエットスーツの色も違う。今回取り上げるものはボードは明るく鮮やかな緑に、サーファーのウエットスーツの上半身に蛍光ピンクが配置され、鮮やかで派手な印象を与える。
まず主張したいのは本商品の“デカさ”だ。全長660mm、サーファーの頭までの全高325mm。大人が両手で胸の前で持つとちょうど良いくらいの大きさだ。RCカーの標準的なサイズが全長450mmくらいだから、それよりもさらに大きい。1/5というスケールのサーファーフィギュアも、ホットトイズのムービーマスターピースよりさらに大きい。ホビーユーザーには店頭で見かける大型フィギュアがそのスケールのサーフボードに乗っている、というのが伝わるかもしれない。
このため、目の前にするとかなりの迫力だ。フィギュアは手足などが分割されているが可動は無く、ボードはゴム製のOリングでフィギュアを固定している。波の衝撃を逃がす構造になっているので、人形部分に波が当たっても外れない。ボードは底面にスクリューと舵がある。舵は逆V字型になっており、舵を動かすことで左右に曲がる。スクリューを逆回転させることでバックも可能だ。
電源を入れるにはボードの上部の蓋を外し、バッテリーを接続し受信機のスイッチを入れる必要がある。上の蓋部分はパッキン付きのネジでしっかり止めてある。内部はしっかり密閉されるので水に浮かせても簡単には水が入らない。バッテリーは1度の充電で約5分30秒遊ぶことができる。
内部はシンプルな構造に見えるが、パイプがモーター部分に巻き付いているところに注目したい。これは底面から水を吸い上げモーターの周りを循環させる水冷機構なのだ。スイッチを入れるには毎回4つのネジを外さなくてはいけないのはちょっと面倒かなとも思ったが、それだけ防水をしっかりしていると言うことだろう。かなり堅牢な構造だと感じた。
「1/5 RC サーファー4」は“レディセット”となっていて、送信機(プロポ)も同梱されている。購入者は送信機用の電池単3乾電池4本を購入し、バッテリーを充電するだけですぐに水上走航を楽しむことができるというわけだ。
プロポはRCカーなどにも使う「ホイーラー式」と呼ばれるもので、ハンドリングをホイールで、アクセルを銃のようなトリガーで操作する。銃の引き金を引くようにトリガーをぐいっと引くと前進、外側にトリガーを広げるようにするとバックする。上部には幾つもつまみがあり、これで中央値などの調整ができる。初心者でも直感的に操縦できるだろう。
「1/5 RC サーファー4」は見た目だけでも面白く、「ちょっと水辺を走らせてみよう」と思う商品だ。今回は「釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ」で水上走航を楽しんでみた。次項でその模様をお伝えしたい。
オリンピック会場の荒波に乗る「1/5 RC サーファー4」のカッコ良さ!
「1/5 RC サーファー4」は水上走航を楽しめるが、そのためには広い水辺が必要だ。「1/5 RC サーファー4」を走航させるためにはスポーツ使用が認められる場所が望ましい。サーフィンを行なっている海岸や、ジェットスキーやボートなどで遊べる場所はスポーツ使用が許可されているので、こういった場所を探すのが良いだろう。もちろんサーフィンをしている人たちの迷惑にならないように、走航する場所は気をつけたい。
筆者の住む千葉県一宮町はサーフィンの町と知られ、海岸沿いには何件ものサーフィンショップが並ぶ。正直オリンピック自体は新型コロナウィルス感染防止のための自粛により無観客で行なわれたため、町自体も全然盛り上がらなかったが、それでもサーフィン人気はここ数年でさらに勢いを増している印象がある。一宮は九十九里海岸の南端にある町だ。釣ヶ崎海岸以外の場所でも海岸には平日でもサーファー達の姿がある。
今回はこの釣ヶ崎海岸サーフィンビーチで「1/5 RC サーファー4」を遊んでみた。動画を見てもらえれば一発で伝わると思うがかなりパワフルに波間を進み、楽しい。「1/5 RC サーファー4」はそのモーターのパワーでぐいぐいと波をかき分けて進み、向かってくる波を越えることができる。
「1/5 RC サーファー4」は約21km/hで波の上を進むことができる。スクリューで進むので波に逆らっても前進することが可能で、うまく波を使えばジャンプすることもできる。1つのバッテリーで約5分30秒の走航が可能。使用している「7.2Vニッケル水素バッテリー」を複数持っていればたっぷり楽しめるだろう。ただし、バッテリーの交換にはドライバーと作業する場所が必要となるので注意したい。
やはり驚かされるのは転覆自動復帰機構だろう。重心、ボードの底面の設計などで「1/5 RC サーファー4」は波に跳ね上げられても、波にもみくちゃにされてもサーファーを上にした姿勢に瞬時に復帰する。波を越えてどんどん沖まで行くことも可能だ。
そして最高に楽しいのが波に乗るところだ。飲み込まれると激しく逆さまになってしまうが、そこから復帰、波に乗って岸まで一直線に進む「1/5 RC サーファー4」はカッコイイ。筆者達が遊んでいるとサーファーの人たちもこのRCを楽しそうに見ていた。RCが見事にサーフィンをするこの“絵”こそが、本商品の最大の魅力だろう。
ボードが海を進むにはある程度の水深が必要となる。すねくらいまで海に入れば、海にボードが浮き沖に向かって進んでいける。しかし波に乗り完全に砂浜まで運ばれてしまうと、ボードの底が砂浜に当たり完全に打ち上げられ、自力では海への復帰ができなくなる。砂浜に打ち上げられたボードを回収し、海に戻すという行動が必須になってくる。
すねのあたりまでぬれるくらいの深さまでボードを運べば、そこからは沖を目指して波を越え、ぐんぐん進むことができる。これからの季節は海水が冷たいが、ゴム長靴か、さらに念を入れるなら腰まで防水装備で固めれば、真冬でも「1/5 RC サーファー4」をしっかり楽しめるだろう。
海に入る場合プロポに海水がかからないように注意したい。海水は電子部品の天敵だ。プロポは防水されていないので波がかぶらないように注意しよう。また、ボードそのものも蓋をネジ止めし極力水が入らない構造になっているが、これだけ激しく波にもまれると砂が内部に入り込んでしまう。遊んだら外側はしっかりと真水で洗い、内部も砂を払ったり、シャフト部分に油を差すなどしっかりと掃除とメンテナンスをしておきたいところだ。
「1/5 RC サーファー4」は海で遊ぶと最高に楽しいRCボートだ。何よりも波に乗るその姿がカッコイイ。波にもみくちゃにされても華麗に復帰し、カッコ良く波乗りを決めるRCサーファーの姿をぜひ楽しんで欲しい。