レビュー
「IMS 1/100 ナイト・オブ・ゴールド・A-T」レビュー前編
「K.O.G.」の2番騎を全塗装で煌びやかに仕上げるフレーム組み立て&塗装編
2021年12月9日 00:00
- 【IMS 1/100 ナイト・オブ・ゴールド・A-T】
- 開発・発売元:ボークス
- 発売日:2021年5月22日
- 価格:9,900円(税込)
- サイズ:全高約273mm
今回のレビューでは、ボークスのプラモデルシリーズ「IMS(Injection Assembly Mortar Head Series)」にて5月に発売した「IMS 1/100 ナイト・オブ・ゴールド・A-T」を塗装込みで仕上げていきます。IMSは、造形村F.S.S.プロジェクトチームが手掛けるインジェクションプラキットというカテゴリのプラモデル。モーターヘッドを研ぎ澄まされた造型で再現できますが、高い組み立て難易度を誇るキットです。前編ではモーターヘッドの特徴的な内部フレームの組み立てと塗装を扱います。
そもそも「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」とはどんなロボットなのか?
今回制作する「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」(KOG-AT)について模型誌などで見たことがある方はいると思いますが、いったいどんなロボットなのか知らない方も多いと思います。そこで、この「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」について軽く解説いたします。
「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」とは、1986年より月刊ニュータイプにて永野護氏が連載中の漫画作品「ファイブスター物語」に登場するロボット兵器「モーターヘッド」の1つ。4つの恒星で構成されるジョーカー太陽星団を舞台に、ロボット兵器であるモーターヘッドを駆る騎士たちが繰り広げる数千年の歴史の物語、その中でもひときわ輝きを放つ黄金の騎体です。
「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」は、同作の主人公・アマテラスがヒロインのラキシスを失った後に創り上げた2騎目の「ナイト・オブ・ゴールド」(K.O.G.)です。ラキシスの姉であるアトロポスのために創られ、「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」と名付けられました。「A-T」はアトロポスを指します。
本機に搭乗する騎士(ヘッドライナー)はアマテラス及びユーパンドラ(アマテラスのコピーとして作られた人造人間)。機体制御を司る生体演算機・ファティマとしてアトロポスを内蔵します。作中では星団歴3960年に星団統一に参戦。その後星団歴4100年に解放軍との戦いでも活躍し、解放軍のリーダーと相討ちました。
プラモデルとしての「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」、IMSシリーズとは
次にプラモデルとしての「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」について紹介していきます。今回作成する「IMS 1/100 ナイト・オブ・ゴールド・A-T」は、ボークスのプラモデルシリーズ「IMS(Injection Assembly Mortar Head Series)」より2021年5月に発売したプラモデルとなります。IMSシリーズのキットとしては比較的新しいキットになります。
IMSキット製作に必要なツール
IMSシリーズのキットはガンプラにて採用されているスナップフィットではなく接着剤必要のキットとなっています。そのため、ニッパーややすりに加え、プラモデル用接着剤が必要となります。今回はタミヤの流し込み用接着剤を使用しました。また、本キットでは一部パーツにビス止めを採用しているため、プラスドライバーが必要となります。
「IMS 1/100 ナイト・オブ・ゴールド・A-T」を制作していく
それではキットを制作していきます。まず外箱ですが大型のMGガンプラと同じくらいのサイズ感と言ったところでしょうか。
箱の中身は19ランナー502パーツとなっており、成型色はフレーム色となるブラウンゴールドと外装色のゴールドとなっています。今回制作するフレーム部は9ランナーとなっています。
組み立て説明書では外装を組みつけながら制作する手順となっていますが今回は塗装を考慮し、内部フレームのみを組み立てていきます。それでは脚部から組み立てていきます。
足首フレームは特徴的なピンヒールとなっており、可動はありません。つま先まで内部フレームが再現されています。
続いて脚部フレーム。膝に可動部があるものの、可動域はほとんどありません。
腰部フレームは脚部付け根のパーツまでが一体化した構造となっています。股関節の固定はビス止めで、好みの固さに調整できます。
胴体パーツは腕付け根部分にビス止めが採用されており、肩の可動範囲を変更することが可能です。また、腹部は軸となるパーツに前後左右から蛇腹パーツを取り付ける構造となっています。
腕部パーツは肩基部のパーツに対し腕と肩部装甲を取り付ける構造となっています。肘は可動しますが、二重関節になっているわけではないので可動範囲は90度程度です。
ハンドパーツは分割が細かく、モールドも細かく入っています。形状は開き手、握り手、武器持ち手の3種類、左右計6個が付属します。
ヘッドパーツはボールジョイントにて胴体と接続する方式です。本キットではヘッドパーツ側がオスで、ボディ側に軸受けがあります。
これにてフレームの組み立てが完了しました。本来ならばこれから塗装に入るところですが、その前に一度組み上げて全体を見てみましょう。
いかがでしょうか。このままで塗装して完成としたくなるほど造形が細かくされています。ここまで組み立ててみた感想ですが、接着剤を使用する以外はそれほど難しくはないキットだと感じました。それでは塗装準備に入っていきましょう。
塗装を行なう前の準備として表面に付いた油や削りカスを除去するため洗浄作業を行なっていきます。まずは一度組み立てたフレームを頭部、腕部、脚部といったブロックごとに分解。超音波洗浄機(シチズン 超音波洗浄機 SWS510)に入れます。続いて水、台所用洗剤を入れて5分間洗浄しました。今回はパーツ数も多く1回ではすべてのパーツが入らなかったので2回に分けて洗浄を行ないました。
洗浄が完了したら塗装に入ります。今回のキットは内部フレームも金属色のため、下地色もそれに合わせていきます。下地にはGSIクレオスの「Mr.フィニッシングサーフェイサー1500 ブラック」を選びました。
次に上塗りを行ないます。本キットのフレーム色はカッパーに近いゴールドとなっているため、今回はガイアノーツの「Exゴールド」とガイアノーツの「部長カッパー」を調色して塗装していきます。
上塗りが完了したらスミ入れを行なっていきます。今回は濃いゴールドのため、エナメルカラーのブラックを使用してスミ入れをします。
スミ入れ作業が完了したら最後に光沢クリアーで全体をトップコートしていきます。使用した塗料はガイアノーツの「Exクリアー」を使用しました。トップコートが乾燥したら全体を組み立ててフレームの完成です。早速いろいろな方向から見ていきましょう。
いかがでしょうか。可動範囲はほぼありませんが造形の細かさはこれを補って余りあるように思います。このままフレーム状態にて飾ってしまいたくも思いますが、後編ではこのフレームに外装を取り付け「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」を完成させていきます。次回外装編をお楽しみに。
工程 | 使用塗料 |
下地 | GSIクレオス Mr.フィニッシングサーフェイサー1500 ブラック |
上塗り | ガイアノーツ Exゴールド |
上塗り | ガイアノーツ 部長カッパー |
スミ入れ | タミヤ エナメルカラーブラック |
トップコート | ガイアノーツ Exクリアー |
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創作造形©造形村/ボークス