レビュー

人体構造無視の可動域で遊びが無限大!究極のポージングフィギュア「Stickybones」レビュー

脅威の可動と保持力で格ゲー「ストリートファイターV」のバトルを再現してみた

【Stickybones】

クラウドファンディング受注期間:4月21日23時59分まで

発送日:7月下旬~8月初旬

価格:1体セット13,800円(税・送料込)

2体セット26,400円(税・送料込)
3体セット36,400円(税・送料込)
5体セット52,500円(税・送料込)
Fly-Rig 2.0(フィギュアスタンド)4,450円(税・送料込)
ジャンル:ポージングフィギュア

サイズ:全高約20.5cm

 今回、かなり特殊なフィギュアレビューの話を頂いた。アニメやゲームのキャラクターではなく、絵描きの人に重宝される「ポージングフィギュア」である。

 これから紹介する「Stickybones」は海外のクラウドファンディングで1億円以上の支援を集め、日本でも1日で目標金額を達成したモンスター級の注目フィギュアなのだ。

 絵を描かない人からしたら興味無しと思うかもしれないが、「Stickybones」はイラスト用としての実用性はもちろん、純粋なアクションフィギュアとして“動かしていて非常に面白い”商品となっている。

 そんな本商品は4月21日23時59分までクラウドファンディングサービス「Kibidango」にて支援を受け付けている。そして気になる価格は1体13,800円(税・送料込)と、脊髄反射で買えるほど安価な物ではない。

「気にはなっているけど購入に踏み切れない」と悩んでいる人もいると思うので、本稿では「Stickybones」をガチで遊び倒していきたいと思う。本商品のクオリティがどれほどのものなのかぜひ参考にしてもらいたい。

独自の関節可動システムによる、圧倒的な可動域

 「Stickybones」の基本スペックを見ていこう。フィギュアの大きさは直立の状態で20.5cmあり、なかなかに遊び応えのあるサイズ感。手を左右に広げた際の全幅は実測で約24.5cm、本体重量は110gだ。

 カラーバリエーションは「ダークストーム」、「ソーラーフレア」、「ブルースカイ」の3種類用意されている。ソーラーフレアやブルースカイはとても映えるカラーリングで、素体人形でありながら個性が際立っている。

筋肉などはついておらず、関節剥き出しのシンプルなデザイン
カラーは全3色。色だけで印象がガラリと変わる

 本フィギュアは「プレテンション・ソケット・システム」という独自の関節可動システムを採用。見た目はごく普通のボールジョイントなのだが、触ってみて驚きなのが可動範囲の広さが尋常じゃなく、どんなデタラメなポージングであっても楽々とらせることができるのだ。可動域の詳細は後述で触れていく。

独自のジョイントにより、様々なポージングが可能

 両手と両足に磁石がついているのも特徴的。商品に同梱されているマグネット用のステンレスベースを使って手足を固定させることで、ポージング遊びの幅がさらに広がるのだ。ちなみに磁石はかなり磁力が強く、片脚で全身を支えることができるのには正直かなり驚かされた。

手足の強力な磁石がついているのも、本フィギュアならではの特徴
マグネットがくっつくステンレスベース
たった1本の手足で全身を支えられる驚異の磁力

「Stickybones」をグリグリいじり可動範囲の検証

 本フィギュア自慢の可動範囲で、一体どんな動きができるのかを見ていこう。各関節のボールジョイントは軸で回転させることができ、人体の構造を完全に無視した可動域を実現している。

 首や肩回りを最大限まで可動させてみると、普通の人間ならば怪我どころでは済まないレベルまで動かすことができた。ここまで自由度の高いフィギュアに触れるのは初の体験である。

首の可動域をチェック。最大まで後ろに倒すと後頭部が背中につく
肩の可動域もハンパじゃない。両腕をへし折られたくらいまで動かすことができる

 動かして遊ぶことを想定したアクションフィギュアでも大きく可動させることが難しい腰回り。しかしそんな問題も「Stickybones」は楽々クリアしている。腰を最大限まで反らせれば“尻に頭頂部がつく”くらいに反り返すことができるのだ。尻に頭頂部という状況が現実離れし過ぎていてビジョンが見ないかもしれないので、写真を参照にしてもらいたい。

最大まで上体を反らせるとこんな感じに

 もちろん、前屈みの可動も凄まじく、額が脛につくほどダイナミックに腰を曲げることができる。この可動域を活かすことで体育座りなど、従来のアクションフィギュアでは困難なポージングも自由自在。

 可動域に制約がないことで人間離れしたポージングがとれるのはもちろんのこと、人間的な動きにも硬さがなく、ナチュラルなポージングを再現できる。

屈む動きもこの通り。異常なほどに曲がりまくる
人間的なポージングもぎこちない硬さがなく、とても自然である

 磁石を使ったアクションも試してみたいと思う。先でも少し触れたが手足の磁力がとてつもなく、磁石がくっつくところなら壁であろうと張り付くことができる。冷蔵庫などに張り付ければ、蜘蛛人間的な遊びも楽しめる。

磁石でくっついて壁登りもできる
壁に立つという、超常的キャラ遊びもできる

 台座となるステンレスベースも使っていこう。ステンレスベース無しでも十分に自立は可能だが、磁石で手足を固定することでアクションの幅が無限大に広がる。

 物理的に不可能な、映画「マトリックス」のあのポーズや、マイケル・ジャクソンのゼログラビティなどの重力無視なアクションも実現可能。ジョイントの保持力も強いので、関節がクニャクニャでポーズがうまく維持できないなんてことがないのも嬉しいポイントだ。

 いろいろなポージングをとっていじり倒した結果、「Stickybones」のウリである「無限のポージングを生み出すジョイントシステム」という文句に偽りはなく、ダイナミックな動きはもちろん、微細な動きもバッチリとれる“動かしていて非常に楽しいフィギュア”であった。

自立不可能とも思える無茶なポージングも、ステンレスベースを使え再現可能
どこまでも自由にポーズをとらせられるので、頭の中を空にして楽しめた