レビュー

ガンプラ「MG 1/100 V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka」レビュー前編

プレバンガンプラ総選挙2022で1位。宇宙世紀が生んだ究極の機体をチェック

【MG 1/100 V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2018年12月(プレミアムバンダイ限定)

2022年12月 3次再販
価格:7,700円(税込)

ジャンル:プラモデル

全高:約167mm

 今回レビューするのはプレバンガンプラ総選挙2022【MG/RG/PG etc部門】で見事1位に輝いた「MG 1/100 V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka」です。このガンプラはTVアニメ「機動戦士V(ヴィクトリー)ガンダム」の物語後半に主人公「ウッソ・エヴィン」がそれまでに搭乗していた「LM312V04 V(ヴィクトリー)ガンダム」から乗り換える、後継機にあたる機体です。

【ヴィクトリーガンダム|昼MS【ガンチャン】】

 「LM314V21 V2ガンダム」は劇中でも「ヴィクトリーマーク2」や「ヴィクトリーのタイプ2」と呼称されるなど「ヴィクトリーガンダム」の後継機とされているものの、新規に搭載された「ミノフスキー・ドライブ・ユニット」を当初予定していた「Vガンダム」に搭載(“セカンドV”として)することができなかったため新規設計された機体です。

 「Vガンダム」と同様、V2コアファイターを核として、上半身のV2トップリム(ハンガー)と下半身のV2ボトムリム(ブーツ)で構成され「Vガンダム」の設計思想を受け継ぐ機体となりましたが、「ミノフスキー・ドライブ・ユニット」を搭載することでそれまでのモビルスーツをはるかに凌駕する性能を獲得し「宇宙世紀が生んだ究極のモビルスーツ」と呼ばれるほどの機体とされています。

【V2ガンダム|昼MS【ガンチャン】】

 宇宙世紀0079年、「RX-78 ガンダム」から始まったガンダムの系譜は宇宙世紀0105年、「RX-104FF ペーネロペー」や「RX-105 Ξ(クスィー)ガンダム」のような「ミノフスキー・フライト・ユニット」を搭載して単独で飛べる巨大モビルスーツへと進化、そして宇宙世紀0153年には「ミノフスキー・ドライブ」を全高15.5mの「LM314V21 V2ガンダム」に搭載、この「ミノフスキー・ドライブ」は推進剤を必要としないため理論上は稼働時間は無限、大気圏外であれば亜光速まで達するとされ、“ガンダム”はこの約74年の間にとてつもない進化を遂げたということになります。

 そんな「V2ガンダム」ですが、劇中後半には「ミノフスキー・ドライブ」の余剰すぎるパワーをV2本体のパワーアップに回すために「アサルト(攻守強化)」「バスター(重武装化)」という2種類の増加装備が用意されることになりました。劇中では「アサルト」「バスター」どちらかを装備して出撃したり、終盤には双方のパーツを部分的に装備した「最終決戦仕様」ともいうべき状態で出撃、パイロット「ウッソ・エヴィン」の能力も相まって多大な戦果を挙げました。「アサルト」と「バスター」の全パーツをフル装備した「アサルトバスター」形態は、実は劇中には登場していません。

【V2アサルトバスターガンダム|昼MS【ガンチャン】】

 話をキットに移していきましょう。まず素体となる「MG 1/100 V2ガンダム Ver.Ka」(2015年)ですが、それまでずっとキット化が希望されていたにも関わらずなかなか発売には至らなかったという経緯があります。それもそのはず、「V2ガンダム」は全高15.5mという小サイズに複雑な分離変形合体機構を搭載したモビルスーツなのです。そのキット化はなかなか難しいというインタビュー記事が上がるほどでした。

 組んでみると一見どういう意味があるのかがわからないくらい、複雑な形状のパーツ構成でありながら無理なく分離変形合体機構を実現していることがわかるのですが、“Ver.Ka”シリーズでキット化することで一段も二段も上を行く設計となっています。その分難しくもあるのですがそこは“ガンプラ”! 注意して組み立てればすべてが“パチピタ”でとても気持ちのいい組み応えを感じられ、出来上がった「V2ガンダム」を見ていくと思わずうなるほどの完成度となっています。

 そして「MG 1/100 V2アサルトバスターガンダム」(2018年)がプレミアムバンダイで受注が開始されました。筆者も「V2ガンダム」を手にするなら「V2アサルトバスターガンダム」がいい! と思っていたのでこの知らせを今か今かと待っていました。素体の「V2ガンダム」の時から「アサルト」「バスター」の増加装備の取り付けを考えて設計されたとのことですが、その接続機構も相当に悩ましい構造だったに違いありません。実際に組んでみて開発者の気持ちにも触れられるのではないかとそこも楽しみなキットとなっています。

「MG 1/100 V2アサルトバスターガンダム Ver.Ka」のパッケージ内容をチェック!

 それではパッケージの内容をチェックしていきましょう。パッケージは“Ver.Ka”ならではの白背景に「V2アサルトバスターガンダム」があしらわれたフルカラー仕様となっています。プレミアムバンダイ専用商品ではありますがこれは嬉しい仕様です。ランナーは全23枚、ポリパーツランナー、PET素材のビーム・シールド、細かなフレームや機構を実現するためのパーツ、ツヤ消しゴールドのメッキパーツが目を引きます。とてもいい色です。パーツ数が多い部類のガンプラですがじっくり取り組めるキット内容となっています。

【パッケージ内容】
流麗なV2ガンダム本体から迫力のある装備が四方八方に伸びるシルエットが文句なしにカッコイイ!
Aランナー【2枚】 コアファイターや両腕・両脚など2つ揃うもののいろプラです
Bランナー V2ガンダム本体やミノフスキー・ドライブの青部分です
Cランナー【2枚】 V2ガンダム本体の白部分です
Dランナー 主に腰部を構成します
Eランナー メカフレームパーツ
Fランナー メカフレームパーツ
Gランナー メカフレームパーツ
Hランナー こちらは「MG 1/100 Vガンダム」と共通のビーム・ファンとビーム・サーベル
XAランナー ここからアサルトバスター用の追加パーツとなります
XBランナー メカフレームパーツ 大きなランナーなので中央で左右に割ると作業性が上がります
XCランナー メカフレームパーツ
XDランナー 外装パーツ
XEランナー【2枚】 外装パーツ
XFランナー 外装パーツ
XGランナー ツヤ消しゴールドメッキの外装パーツ
組立説明書、ポリランナー、ホイルシール、水転写式デカール、ビーム・シールド