レビュー

模型用塗料「BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド」レビュー

お手軽かつ高耐久。ゴールドからグリーンに偏光する輝きを得られる新塗料

【BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド】

発売日:2022年2月12日

価格:440円(税込)

「BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド」にて部分塗装を行なった「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」

 今回は2月にトアミルから新発売となった「BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド」の特徴を検証します。希釈済みで発色に優れるため気軽に使用でき、耐久性も高いというマイカ塗料の実力を見ていきましょう。使用するキットはコトブキヤから2018年に発売されたプラモデル「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」、部分塗装で装甲のみゴールドに仕上げます。

ゴールドからメタリックグリーンに輝きが変化する偏光塗料

 「BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド」は、トアミルが展開する模型用塗料「BORN PAINT ベースカラーシリーズ」の新色です。同シリーズの特徴である高いクリヤ耐性を備え、意匠性の非常に高い微粒子高輝度メタリックのマイカ塗料として商品化されました。内容量は15mlで、価格は440円(税込)。6月現在、模型店ほかAmazonなど通販でも購入できます。

「BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド」1瓶15mlのパッケージで販売中

 まずは塗料の素性を見るためにテストピースに塗装を行ないました。塗装方法による発色の違いを見てみましょう。筆塗とエアブラシによる仕上がりを比較してみます。

塗装方法による発色の違い。左側が筆塗、右側がエアブラシによる塗装。筆塗では均一な塗膜が得られないため偏光しにくく、普通のゴールドに見えます。

 次に下地色による発色の違いを見てみます。下地色が黒の場合と白の場合、透明の場合の3色を比較してみました。いずれもエアブラシ塗装です。

下地色による発色の違い。左側が透明下地、中央が黒下地、右側が白下地での塗装。すべて同じ発色に見えます。隠ぺい力が高いため下地に影響されることはないようです。

 今回使用した「BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド」はラッカー塗料ということもあり完全乾燥してしまえば爪でこすっても剥離しないほどの塗膜強度を有しています。乾燥時間は常温で約30分。また、本塗料は希釈済みの状態でパッケージングされているため、そのままエアブラシで塗布することが可能でありエアブラシ塗装はしやすいです。しかし、筆塗を行なうには少し薄いため、塗りにくさを感じました。

 発色は強く下地の色に影響されないものではありますが、偏光塗料としては偏光量が少なく、不思議な色味をしたゴールドといった感じです。そのため、本塗料を使用する際はエアブラシ塗装を行ない、表面をムラなく仕上げることで本来の特徴が発揮される印象でした。本塗料は仕上げ色でも使用可能ですが、そのままでは偏光塗料として少しシンプルに感じるためキャンディ塗装の下地色として使用してみてもいいかもしてません。

エアブラシで塗装したスプーンを斜め方向から見てみます。スプーンの縁がグリーンに偏光していることがわかります。

コトブキヤ オリジナルロボットコンテンツを島田フミカネ氏が美少女化

 今回制作する「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」はコトブキヤのオリジナルロボットコンテンツであるフレームアームズをイラストレーターである島田フミカネ氏が美少女化したプラモデルシリーズです。本キットのデザイン元となった「フレームアームズ アーキテクト」は2009年の発売からフレームアームズシリーズの基本素体として人気があります。そのキットを美少女化した「フレームアームズ・ガール アーキテクト」はデザインのシンプルさをうまく擬人化したキットとなっています。

 なお、本プラモデルシリーズはジョイントを共通化することでM.S.Gウェポンユニットシリーズやフレームアームズシリーズの武装、外装を使用することができオリジナルの姿を楽しむことが可能です。また、「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」は外装パーツをホワイトの成型色とすることで塗装しやすく配慮されています。

「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」を偏光塗料で部分塗装

 それではキットを作っていきましょう。今回は改造等を特に行なわず、偏光塗料による部分塗装のみを行ないます。まずはキットを仮組していきます。

仮組を行なった「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」。ガンプラとは構造も全く違うため新鮮さがあります。

 今回は白色の外装パーツを偏光塗料で塗装していきます。先ほど、スプーンにて塗装テストを行なった際にこの塗料は下地色に左右されないことがわかったので、パーツにそのまま吹き付けることにしました。

塗装を行なった外装パーツ。一見ゴールドに見えますが、パーツ側面がグリーンに偏光しています。

 塗装が完了したら組み立てて完成です。早速完成した「フレームアームズ・ガール アーキテクト Off White Ver.」を見ていきましょう。まずは塗装前後の比較です。

【正面】
塗装前
塗装後
【側面】
塗装前
塗装後
【背面】
塗装前
塗装後

 白い外装がゴールドに輝くだけでプラスチック感がなくなるだけでなく、パーツの縁がグリーンに輝くことで高級感があります。

脚部のアップ。アーキテクトは脚部全体が装甲となっているため、装甲色が金属色になると見た目の重心が下がるため安定感があるように感じます。
胸部のアップ。各部のゴールドがいいアクセントになっています。

 いかがでしょうか。今回発売の偏光塗料は下地の色にかかわらず安定して発色してくれるカラーだと思います。こういった偏光塗料はアクセントに一部分塗装するだけでも印象を大きく変えてくれると思いますので1本持っておいても損はないかもしれません。

今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
部分塗装BORN PAINT ベースカラーシリーズ 偏光グリーン/ゴールド