特別企画

「HGUC 1/144 サザビー」をキャンディ塗装!新生ネオ・ジオンの旗印を新車のような輝きで彩る

加工いらずですぐ塗装できる優秀なキット

【HGUC 1/144 サザビー】

発売日:2008年6月

価格:3,080円(税込)

キャンディ塗装を施した「HGUC 1/144 サザビー」

 今回はガンダムシリーズの中でも屈指の人気を誇る映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」よりシャア・アズナブル専用MS「サザビー」の作例をご紹介します。使用するキットはBANDAI SPIRITSから2008年発売、2021年に再販されたプラモデル「HGUC 1/144 サザビー」です。シャア・アズナブルの搭乗機ということでそのカリスマ性を表現するためにキャンディ塗装にて仕上げていきたいと思います。

シャア・アズナブル最後の愛機となったニュータイプ専用MS

 今回制作する「HGUC 1/144 サザビー」は1988年に劇場公開された映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場するニュータイプ専用MSです。新生ネオ・ジオンのフラッグシップMSとしてシャア・アズナブルによって運用され、宇宙世紀0093年に勃発した「第二次ネオ・ジオン抗争」においてシャア・アズナブル最後の愛機となりました。

シャアが最後に乗った赤いモビルスーツ「MSN-04 サザビー」
今回は写真のように全身をキャンディ塗装でツヤツヤに仕上げました。

「HGUC 1/144 サザビー」をキャンディ塗装で全塗装

 今回の作例で用いるキャンディ塗装は、シルバーやゴールドといったメタリックカラーの下塗りの上からクリアカラーを吹くことで鏡面のような光沢を出す塗装手法です。キャンディのように透き通ったツヤが表面に生まれるため、このように呼ばれています。納車したての自動車のボディに似た仕上がりとなるので、模型制作ではカーモデルなどにも適しています。

 それではサザビーを制作していきましょう。まずはキットの素性を確かめるために仮組を行ないました。

仮組を行ったサザビー。「逆襲のシャア」のMSは大柄な機体が多いためHGながら十分なサイズ感があります。

 仮組が完了したら塗装しやすいように一度解体。合わせ目消しを行なっていきます。ところが、本キットはパーツ分割が極めて優秀で本体に合わせ目は発生しませんでした。そのため、武装のビームショットライフルのみ合わせ目消しを行ない、塗装に入っていきます。

 まずは主となる赤い外装パーツから塗装していきましょう。下塗りはクレオスのクレオス Mr.フィニッシングサーフェイサー1500ブラックを使用しました。このサーフェイサーは、他の製品と比べて粒子が細かく表面がより滑らかになるのが特徴です。

サーフェイサーを塗布した背部スカートパーツ。通常のサーフェイサーより滑らかに仕上がっています。

 サーフェイサーの塗装が完了したら下地色としてメタリックカラーを塗装していきます。通常はシルバーを塗装することが多いです。しかし、今回は上塗りにクリアーレッドを塗装するので、その発色をよくするためにゴールドを下地に用います。ガイアノーツのEx-ゴールドを使用しました。

ゴールドを塗布した背部スカートパーツ。艶やかないいゴールドに仕上がりました。また、ダクト部分は下地のゴールドをそのまま残すためマスキングゾルにてマスキングをしています。

 ここからは上塗りとしてガイアノーツのクリアーレッドを使用していきます。塗布する際は一度に多くを吹き付けてしまうと塗料が垂れて汚くなってしまうため、注意しながら少しずつ塗装していきます。

クリアーレッドを塗布した背部スカートパーツ。艶やかで深みのあるメタリックレッドに仕上がりました。ダクトのマスキングも上手くいきました。

 次にシールド等の黒色パーツを塗装していきます。こちらは通常のメタリック色で塗装していきます。まずは発色がわかりやすいようにクレオスのMr.サーフェイサー1000で下塗りを行ないました。

サーフェイサーを塗布したシールドパーツ。ここからメタリックブラックを塗装していきます。

 今回、黒色パーツへの塗装はクレオスのMr.カラー メタルブラックを使用しました。

メタルブラックを塗布したシールドパーツ。オーソドックスなメタリックブラックに仕上がっています。

 次に関節等のパーツを塗装していきます。本キットの関節パーツにはABSというプラスチックが使用されています。この素材は外装等に使用されるPSというプラスチックより強度が高い反面、ラッカー溶剤により侵食し割れてしまうという弱点があります。その対策として、塗装前にプライマーで一度コーティングを行なっていきます。

 今回はプライマーにフィニッシャーズのマルチプライマーを使用しました。コーティングが完了したらメタリックブラックと同様にMr.サーフェイサー1000で下塗りを行なっていきます。下塗り完了後は上塗りとしてガイアノーツのバーチャロンカラー フレームメタリック(1)を使用しました。

フレーム色を塗装した股関節パーツ。明るすぎず暗すぎないちょうどいい明るさに仕上がっています。

 ここまで塗装が完了したら最終コーティング前にある程度まで組み立てを行ないます。これによりコーティングの塗膜によってパーツのはめ合いが悪くなることを防止していきます。組み立てが完了したらクリアーコートを行なっていきます。今回はより光沢が出るようにガイアノーツのEx-クリアーを使用しました。

クリアーコートを行なった太ももパーツ。コート前と比較して輝きが増しています。

 コーティングが完了したら最後の仕上げとしてハセガワのコーティングポリマーで磨きをかけていきます。

コーティングポリマーは柔らかい布に適量しみこませ、塗装面を磨いていきます。

 これにて作業完了です。早速完成したサザビーを見ていきましょう。

素立ちの状態で四方から撮影してみました。サザビーの造形のカッコよさもありますが輝くメタリックレッドがとても美しいです。
ビームショットライフルを構えてみました。武器が大型なこともあり威圧感があります。
接近武器のビームトマホークを構えてみました。こういったオリジナルのビームエフェクトが付属するのもサザビーのいいところです。
顔のアップ。サザビーはモノアイMSの中でもトップクラスのイケメンです。
下から、煽りで撮影してみました。下からあおることでMSの大きさを感じることができます。
ビームサーベルを構えてみました。このビームサーベルもサザビー専用のエフェクトパーツとなっています。
サザビーといえば物語終盤の格闘戦も見どころということで武器を持たせずに構えてみました。武器が無いため、より装甲の輝きを感じられます。

 いかがでしょうか。キャンディ塗装による輝きがサザビーの特別感をより一層高めてくれていると思います。キャンディ塗装はエアブラシがないと行なうことができない手法のため、敷居の高い表現方法ではありますが、完成した時の達成感は大きいものがあります。この記事をきっかけにエアブラシへの挑戦。そして、キャンディ塗装への挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下塗り(ABSパーツ)フィニッシャーズ マルチプライマー
下塗りクレオス Mr.サーフェイサー1000
下塗りクレオス Mr.フィニッシングサーフェイサー1500ブラック
下地色ガイアノーツ Ex-ゴールド
上塗りガイアノーツ クリアーレッド
上塗りクレオス Mr.カラー メタルブラック
上塗りガイアノーツ バーチャロンカラー フレームメタリック(1)
トップコートガイアノーツ Ex-クリアー
磨きハセガワ コーティングポリマー