特別企画

ガンプラ「HGUC 1/144 ガンタンク」を缶スプレーでサンドカラーに全塗装

専門設備がなくても大丈夫!屋外作業で準備も片付けも楽チン

【HGUC 1/144 RX-75 ガンタンク】

発売日:2000年1月

価格:880円(税込)

 皆さんはプラモデルを全塗装するエアブラシやそれに付随した専用ツール・設備が必要だと思っていませんか?確かに雑誌作例等で全塗装されているプラモデルの多くはエアブラシ等を使用して塗装されています。しかし、プラモデルを全塗装するためにそういったツールが必須というわけではありません。

 今回はお手軽な塗装手段として缶スプレーを用いた方法をご紹介します。キットとスプレー塗料を用意すれば、屋外で新聞紙を敷くだけで実施できるので、準備も片付けも手間は最小限です。2000年発売のガンプラ「HGUC 1/144 ガンタンク」をエアブラシなしで簡単に全塗装していきます。

今回使用する塗装ツール

 今回の塗装で使用するツールを紹介していきましょう。今回は缶スプレーを使用してガンタンクをサンドカラーに塗装していきます。以前の作例で「HGUC 1/144 ガンキャノン」のサンドカラーをご紹介しました。同じくV作戦に属するガンタンクもそろいのカラーとし、地球に降下したホワイトベース隊も余裕があればこのようなカラーリングに変更していたかも、というIFのストーリーを再現してみましょう。

今回の作例で使用したツール。缶スプレー4色とトップコートで塗装を行なっていきます。つまようじと紙コップはゲート跡の処理に用います。

「HGUC 1/144 ガンタンク」を缶スプレーで全塗装

 今回はこれまでのガンプラ作成とは違った順番で制作をしていきます。これまでは組み立て後に塗装を行なってきましたが、今回はランナーからパーツを切り出す前にまとめてスプレーで塗装、その後パーツを切り出して組み立てという手順です。この手法はマスキングなどの手間がかからないためお手軽で、塗装初心者の方にもオススメです。

 まずは塗装準備として各ランナーを洗浄していきましょう。今回はパーツ単位の洗浄ではないため超音波洗浄機は使用せずに洗浄を行ないます。水を張ったバケツに中性洗剤を入れ、歯ブラシで洗浄を行なっていきます。

今回のパーツ洗浄は歯ブラシで行なっていきます。

 洗浄が完了したら塗装色単位でランナーを分割しておきます。今回制作するガンタンクはA1ランナーが多色成型となっているため、塗装色ごとに分割しておきます。

分割を行なったA1ランナー。今回は成型色ごとに塗装色を変更します。

 これにて塗装前準備は完了です。それでは塗装に入りましょう。今回は手軽さを重視して、いつも使用している塗装ブースではなく屋外での塗装を実践します。屋外で塗装を行なう際は、塗料が飛び散っても良いように新聞紙等で周辺をマスキングすれば準備は完了です。換気に気を遣わなくてもいいので、ベランダや庭など私有スペースさえあれば気軽に挑戦できるのが魅力です。

屋外での塗装環境。風通しのいい場所であれば塗装ブースがなくても塗装可能です。

 缶スプレーで塗装を行なうときは20~30cmほど離れた場所から一箇所に吹き付けすぎないように塗装していきます。この時、一度で仕上げようとはせず、薄く何層も重ねるように塗装していくとムラなく仕上がります。

塗装時は近くから吹きすぎないように注意していきます。

 これにて塗装はほぼ完了です。それでは塗装が完了したランナーを見てみましょう。

塗装を行なったA1ランナー。灰色の関節部はブラックで、白色部と黄色部はタンで塗装し、キャノピーのクリアパーツは無塗装としています。
塗装を行なったA2ランナー。全体をブラックで塗装しています。
塗装を行なったBランナー。全体をウッドブラウンで塗装しています。
塗装を行なったCランナー。全体をレッドブラウンで塗装しています。
Dランナー及びポリキャップ。今回は無塗装としています。

 それでは組み立てを開始していきましょう。今回は説明書の順番に沿って組み立てを行ないます。まずは車輪部から組み立てを行なっていきます。

切り出した車輪部のパーツ。左右各7個の車輪を切り出します。

 しかし、このままではゲートカット跡に塗装できていない面が残ってしまいます。そのため、ゲートカット跡のタッチアップ塗装を行なっていきます。まずは紙コップの中に缶スプレーを噴射し、中の塗料を取り出していきます。

紙コップの中に塗料を取り出す際は吹き返さないように注意しましょう。

 紙コップの中に塗料を取り出すことができたら爪楊枝を使いゲートカット跡に塗料を塗っていきます。

爪楊枝にてゲートカット跡をタッチアップしていきます。爪楊枝は筆の代わりに使用することもできて大変便利です。

 タッチアップが完了したら組み立てを行ないます。今回は先行して塗装を行なっているため、合わせ目消しは行なわず組み立てていきます。

組み立てを行なった車輪部。左右対称で2セット作成します。
切り出した脚部本体。全6パーツ構成となっています。
組み立てを行なった脚部本体。上下分割の本体に牽引用アイプレートと思われるパーツを取り付けます。
切り出した腰部パーツ。全6パーツ構成となっています。
組み立てを行なった腰部パーツ。ガンタンクは脚部がキャタピラなのでスカートは一体の形状となっています。
車輪部、脚部本体、腰部パーツ、車輪カバーを一体化していきます。
一体化した下半身。この時点では内側の車輪色がウッドブラウンになっていますが次工程にて履帯を取り付けると目立たなくなるため今回はそのままとします。
一体化した下半身に履帯を取り付けます。履帯パーツは左右各1パーツにて構成されています。
履帯の取り付け終わった下半身。これにて下半身は完成です。
切り出した腕部パーツ。左右各12パーツにて構成されています。
組み立てた腕部パーツ。腕部はすべて関節色の成型色のため黒一色となっています。
切り出した頭部パーツ。全7パーツにて構成されています。
組み立てた頭部パーツ。パイロットのパーツは内部に挟み込みとなるため、頭部の合わせ目消しを行なう場合は後ハメ加工が必要となる構造となっています。
切り出した胴体パーツ。全6パーツにて構成されています。
組み立てた胴体パーツ。腕部及び主砲の接続部が内部フレームとなっている珍しい構造をしています。
切り出した主砲パーツ。全3パーツにて構成されています。
組み立てを行なった主砲。中央に分割線が入ってしまいます。
切り出したバックパック。全2パーツにて構成されています。
組み立てを行なったバックパック。ガンダムなどのモビルスーツのバックパックと違いスラスターは搭載されていません。

 ここまでで、パーツの組み立てはすべて完了です。パーツをすべて組み合わせて完成させていきます。

組み立てを行なう全パーツ。ガンタンクはシンプルな造形のためパーツ数も多くありません。
組み立てを行なったガンタンク。このままでは各色のツヤが一定ではないためつや消しトップコートを吹いていきます。トップコートはクレオスの「Mr.スーパークリアUVカット つや消し」を使用。こちらも缶なので塗装時と同様に吹き付けます。

缶スプレー塗装で手軽に完成!ガンタンク サンドカラー

 これにてガンタンクの完成になります。早速完成した姿を見てみましょう。

前後及び側面の写真。下半身がキャタピラということもありどっしりしています。
アクションポーズを取らせてみました。腰の可動は大きくありませんが腕は比較的自由に稼働させることができます。
下から撮影してみました。やはりガンプラは下から撮影することで迫力を出すことができます。
履帯のアップ。ガンタンクの一番大きな特徴のひとつ。今回はウェザリングを行なっていませんが、ここにウェザリングを加えるとよりかっこよくなりそうです。
背面のアップ。主砲の台座があることもありかなりマッシブなスタイルとなっています。
斜め後ろから見上げてみました。もし、ガンダムの世界に歩兵がいたとしたら、このようなアングルでガンタンクを見ているかもしれませんね。
せっかくなので、以前作例で紹介したサンドカラーのガンキャノンと並べてみました。ウェザリング塗装によるディテールの差はありますが統一感があって良いですね。

 いかがでしたでしょうか。缶スプレーだけでここまで綺麗に仕上げることができました。缶スプレーは一缶でガンプラ2体分くらいは塗装可能なので複数を全塗装して小隊を組んでみて遊ぶのも楽しいと思います。この記事をきっかけに全塗装にチャレンジしてみてください。

今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
上塗りGSIクレオス Mr.カラースプレー ブラック
GSIクレオス Mr.カラースプレー レッドブラウン
GSIクレオス Mr.カラースプレー ウッドブラウン
GSIクレオス Mr.カラースプレー タン
トップコートGSIクレオス Mr. スーパークリアUVカット つや消し