特別企画
ボークスのプラモデル「1/35IJ ATM-09-STCBS デスメッセンジャー」をウェザリング特盛りで仕上げる!
歴戦の重武装機体でボトムズの世界観を表現
2022年1月31日 00:00
- 【1/35IJ ATM-09-STCBS デスメッセンジャー】
- 発売元:ボークス
- 価格:8,250円(税込)
今回は人気のロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」より、はままさのり氏の外伝小説「青の騎士ベルゼルガ物語」シリーズに登場するスコープドック型カスタムAT「デスメッセンジャー」の作例をご紹介します。使用するのはボークスから発売中のプラモデル「1/35IJ ATM-09-STCBS デスメッセンジャー」です。「ボトムズ」といえば“むせる”ような戦場の演出が特徴。今回はウェザリング特盛仕上げでその世界観を表現したいと思います。
死を伝える疫病神ラドルフ・ディスコーマが操るカスタムAT
今回製作する「1/35IJ ATM-09-STCBS デスメッセンジャー」は装甲騎兵ボトムズの公式外伝小説である「青の騎士ベルゼルガ物語」に登場するスコープドック型カスタムATです。このATと対戦した相手は後日、謎の黒いAT「シャドウフレア」に対戦を申し込まれ必ず死亡してしまうことから「デスメッセンジャー」と呼ばれているATとなります。
パイロットは元レッドショルダー隊員のラドルフ・ディスコーマで、右肩を赤く染めたカラーリングと重心の低い骨太な体躯、ミッションパックとライフルからなる重装備が特徴です。
ボークスのインジェクションキットとしての「1/35IJ ATM-09-STCBS デスメッセンジャー」
本キットは、ボークスのインジェクションプラキット1/35スケールの第5弾として2019年2月23日に発売されたプラモデルです。小スケールとなる1/35スケールでありながら情報量を損なわない構成となっており、ミッションパックに可動機構を設けることで装着したまま降着ポーズを決めることができるなど、プレイバリューの高い仕上がりとなっています。
成形色は計6色となっており、組み立てるだけで設定に近い配色となるようになっています。また、初回生産限定盤にはアンテナやレンズパーツをディテールアップできるメタルパーツや貼り付けるだけでディテールアップができるエッチングパーツが付属しています。
デスメッセンジャーをウェザリング特盛で製作する
それではデスメッセンジャーを製作していきましょう。まずはキットの素性を確かめるために仮組を行なってきます。
仮組が完了したら塗装しやすいように一度解体し、初回生産分の特典であるメタルパーツとエッチングパーツを取り付けていきましょう。本キットにはヘッドパーツ用のメタルパーツとスカートパーツ用のエッチングパーツが付属しています。まずはメタルパーツから取り付けていきましょう。
加工が完了したら塗装に入っていきます。今回は以前紹介したシリコーンバリアー塗装を使用していきます。
まずはメタルパーツとエッチングパーツに下地塗装をしていきます。下地にはフィニッシャーズのマルチプライマーを使用しました。下地塗装が完了したら下地色を塗装していきます。今回はウェザリングを行なうための下地色とするためガイアノーツのサーフェイサーEVOオキサイドレッドを使用していきます。このサーフェイサーは工業製品の錆止め塗料と同じ色調となるため、シリコーンバリアー塗装の下地色とすることでよりリアルな雰囲気にすることが可能です。
下地色の塗装が完了したらシリコーンバリアーでコーティングを行い仕上げ色の塗装をしていきます。まず関節および武器パーツにはガイアノーツのダグラムカラー グレーバイオレットを塗装していきます。
次に装甲部分を塗装していきます。装甲はガイアノーツのボトムズカラー グリーンとライトグリーンによって塗装していきます。
次は特徴的な赤い肩パーツを塗装していきます。肩パーツはガイアノーツの「ボトムズカラー ブラッドレッド」を使用していきます。
次にセンサーパーツを塗装していきます。センサーパーツはガイアノーツの「ボトムズカラー ホワイトグレー」にて塗装していきます。
最後のエアブラシ塗装としてスコープパーツの塗装を行なっていきます。スコープパーツはガイアノーツのExシルバーにて塗装を行ないました。
ここまで塗装が完了したらほかの色を筆塗りしていきます。本来であればマスキングをしてエアブラシ塗装をするところですが、今回はシリコーンバリアーを塗布しているためマスキングテープを張ることができません。そのため、筆塗にて塗分けを行なっていきます。
ここまで塗装が完了したら塗膜をはがす準備として一度キットを組み立てていきます。
組み立てが完了したら爪楊枝で塗膜をはがしていきましょう。キットのエッジ部分を中心に規則的にならないよう注意しながら塗膜をはがしていきます。
塗膜がはがし終わったらウォッシングを行なっていきます。しかし、ウォッシングを行なう前に表面をつや消しにしておく必要があるため表面をクレオスの「Mr.スーパークリアーUVカット つや消し」を使用してつやを消しておきます。つや消しが完了したらウォッシングの開始です。今回はウォッシングにクレオスの「Mr.ウェザリングカラー グランドブラウン」を使用していきます。
ウォッシングが完了したら、次は油だまり表現のため、ピンウォッシュをしていきます。今回のピンウォッシュも以前の量産型ザクの記事と同様にガイアノーツのガイアエナメルカラー オイルを使用して油だまりを表現していきます。
次は錆表現のため、スポンジチッピングをしていきます。スポンジチッピングとはちぎったスポンジに塗料を含ませてスタンプすることでランダムなパターンを描き込む技法です。今回はガイアノーツのガイアエナメルカラー 赤サビと黄サビの2色を使用してスポンジチッピングを行なっていきます。
ここまでくれば仕上げまであと一息です。最後に金属露出部を描き込んでいきます。金属露出部はタミヤのエナメルカラー クロームシルバーを爪楊枝で塗装していきます。
これにて作業はすべて完了です。早速完成したデスメッセンジャーを見ていきましょう。
30B.jpg
ミサイルポッドは外面側が最も塗装が剥離すると考えサビも多く塗装しています。
いかがでしょうか。ウェザリングによって模型とは思えないリアルさ、重厚感のあり仕上がりになったと思います。ウェザリングは模型技術の中でも比較的難易度が低いためおススメの表現技法です。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。
工程 | 使用塗料 |
下塗り | フィニッシャーズ マルチプライマー |
下地色 | ガイアノーツ サーフェイサーEVO オキサイドレッド |
上塗り | ガイアノーツ ボトムズカラー グリーン |
上塗り | ガイアノーツ ボトムズカラー ライトグリーン |
上塗り | ガイアノーツ ボトムズカラー ブラッドレッド |
上塗り | ガイアノーツ ボトムズカラー ホワイトグレー |
上塗り | ガイアノーツ ダグラムカラー グレーバイオレット |
部分塗装 | ガイアノーツ 蛍光グリーン |
部分塗装 | ガイアノーツ ミッドナイトブルー |
部分塗装 | タミヤ エナメルカラー クリヤーレッド |
トップコート | クレオス Mr.スーパークリアーUVカット つや消し |
ウォッシング | クレオス Mr.ウェザリングカラー グランドブラウン |
ピンウォッシュ | ガイアノーツ ガイアエナメルカラー オイル |
スポンジチッピング | ガイアノーツ ガイアエナメルカラー 赤サビ |
スポンジチッピング | ガイアノーツ ガイアエナメルカラー 黄サビ |
金属露出部 | タミヤ エナメルカラー クロームシルバー |
©サンライズ 協力:伸童舎