レビュー

「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3」レビュー

精緻な造形と柔軟な可動が魅せるV3の真骨頂

【S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

12月15日 発送

価格:8,250円(税込)

ジャンル:アクションフィギュア

サイズ:約145mm

 BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部より「プレミアムバンダイ」限定商品「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3」の1次発送分が12月15日より発送された。価格は8,250円(税込)。

 本商品は特撮テレビドラマ「仮面ライダーV3」の主役ライダーである仮面ライダーV3を「S.H.Figuarts 真骨彫製法」シリーズで立体化したもの。

S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3

 仮面ライダーV3は2012年に「S.H.Figuarts」シリーズで発売されたが、今回グレードアップした真骨彫製法で登場した。

 今回は本商品の魅力とともに、仮面ライダーV3の魅力についても触れていきたいと思う。

仮面ライダー3号。その名はV3

 「仮面ライダーV3」は1973年に放送された「仮面ライダー」シリーズの第2作目となる。主人公・風見志郎は悪の組織デストロンによって両親と妹を殺害され、デストロンへの復讐を誓う。一度は仮面ライダー1号、2号に改造手術を拒否されるも、彼らを救うため重傷を負った風見の姿を見たダブルライダーは改造手術を施す。

 そして、風見志郎はダブルライダーの特性を引き継ぐ3人目の仮面ライダー「仮面ライダーV3」としてデストロンに立ち向かっていく。

 明るい緑のスーツに赤い仮面、そして、ベルトのダブルタイフーンと派手なカラーリングとなっている。また、バッタがモチーフの仮面ライダー1号、2号とは異なるトンボをモチーフとしたデザインとなっている。

 物語も主人公が命を狙われ、家族を失い、そして、先輩である1号、2号までが離脱する壮絶な幕開けとなっており、デストロンとの戦いの過酷さが伝わる導入となっている。また、ダークな雰囲気も随所に散りばめられ、怪しくも惹かれる正義と悪の戦いが繰り広げられる。

 中でも筆者が衝撃的だったのが、相手を白骨化させる牙を持つドクロイノシシの初登場で、デストロンの冷酷さや怪人の恐ろしさに震えあがった。

【仮面ライダーV3 第01話[公式]】
【仮面ライダーV3 第02話[公式]】

 「仮面ライダーV3」はもちろん立体化もされており、2012年に「S.H.Figuarts」シリーズで発売されている。

 そして、新たな技術を注ぎ込んだ「S.H.Figuarts 真骨彫製法」シリーズで再び立体化を果たした。可動や材質の変更はもちろん、デザインもより劇中に近いものとなっている。

 さらに仮面ライダーV3とともにデストロンと戦ったライダーマンも「S.H.Figuarts 真骨彫製法」シリーズで立体化が決まり、「仮面ライダーV3」の人気は今も続いていると感じた。

 それでは「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3」を見ていこう。

エネルギー全開の開封作業

 パッケージは「S.H.Figuarts 真骨彫製法」シリーズではお馴染みの正面に商品のアップが描かれ、背面にはポーズ例が掲載されている。

【パッケージ】

 パッケージを開封するとフィギュア本体を収めたブリスターと交換用手首とオプションを収めたブリスターの2枚と取扱説明書が入っている。

 フィギュア本体の首や胴体にはフィルムが挟まっており、パーツ同士の擦れ防止となっている。

フィギュア本体
交換用手首各5種、交換用V3ホッパー、予備アンテナ
取扱説明書

 中身を確認したところで本体をじっくり見ていこう。

 本体はがっしりとした体格で造形され、マスクも「S.H.Figuarts」のものよりも複眼が大きくなり、全体も丸みのある造形となっている。また、首元の襟も大き目にデザインされ、劇中に近い印象となっている。胸のレッドボーンとコンバーターラングの下部には軟質素材が使用され、前屈の動きにも対応している。

 スーツの質感もマットで柔らかい印象で、真骨頂製法ならではの存在感が演出されている。

フィギュア本体

 また、各部の精緻な造形には思わず感嘆の声が漏れた。

 まずマスクは大きくなった複眼は表面のクリアパーツの奥にトンボのような複眼表現が施されている。また、真ん中を走る白の部分も鼻先ほどまでは真っ白で、口元はグレーが掛かった白に分けられいる。アンテナパーツも再現され、造形は申し分なしだが、ふとした拍子に壊してしまいそうな部位でもある。

 コンバーターラングも劇中の戦いによって汚れた雰囲気が感じ取れる淡いグラデーションがあり、デストロン怪人と激闘を繰り広げるヒーローの存在感が表現されている。

 そして、仮面ライダーV3の命といえるベルト、ダブルタイフーンは実に精巧に表現されている。真ん中のV3マークもさることながら、ベルトの質感やボタンなども再現されている。風車部分も羽が別パーツを埋め込む構造で立体感ある造形となっている。左腰に備えた収納状態の「V3ホッパー」もしっかりとV3マークが見えるように造形されている。

ダブルタイフーンは立体感ある造形で存在感バッチリ
腰に備えた「V3ホッパー」にも行き届いたデザイン再現は嬉しい

 グローブとブーツにも細かい表現が散りばめられ、真骨頂製法ならではのヒーローの存在感へのアプローチがうかがえる。

 手のグローブは手首部分が泥で汚れたようなグラデーションが入り、ブーツも後ろ側にジッパーの造形があるなど、テレビ画面で見た仮面ライダーV3の姿が表現されている。メタ的な側面では当時のスーツ造形を再現し、アクションフィギュアに落とし込んでいることになる。

 “テレビのキャラクター”だからと汚れやジッパーなどの現実的な部分を削ぐこともできただろう。しかし、こと特撮ヒーローは想像の存在を現実に生み出している。そのロマンと夢が形作ったヒーローの姿は“本物”だ。だからこそ、細かい汚れも小物の造形も含めて再現されたことで、そのヒーローの存在感をこの上なく演出しているといえる。

 また、マフラーもワイヤーが入った布製のものとなり、風になびく動きやアクション一つ一つに追従する動きでアグレッシブなポージングを力強く表現することができる。

手首部分は汚れの表現が入っている
ブーツも軟質素材で革製のブーツを彷彿とさせる
裏面にはジッパーとベルトの造形も
マフラーはワイヤー入りの布製
ワイヤーを曲げることで様々な表現が可能

 可動は手足はもちろん、腰、首、つま先と細かな表情付けもできる。軟質素材で可動の干渉を押さえつつ、仮面ライダーV3のバネのあるアクションを楽しむことができる。

 別売りの「魂STAGE」シリーズと合わせれば、大きく足を上げたポージングもでき、必殺技の一つ「V3キック」のポージングも可能。

大きく腕を上げた変身後の決めポーズ
ファイティングポーズも迫力ある
マフラーがなびくことで後ろ姿もカッコいい
印象的な仮面ライダーV3のポーズも再現できる
片膝をついたポーズも可能
「魂STAGE」でよりダイナミックなアクションも
仮面ライダーといえばライダーキック! 仮面ライダーV3の「V3キック」も
「V3ホッパー」を打ち上げるポーズも再現できる

 造形、可動によってテレビで見ていた「仮面ライダーV3」をアクションフィギュアで楽しむことができた。

 ここからは背景とジオラマを使用してより劇中に近いイメージを再現したいと思う。

デストロン怪人と対峙した雰囲気を再現

 「仮面ライダーV3」の戦いを再現するため、背景と岩石地帯をイメージしたジオラマと合わせて撮影。

 仮面ライダーといえば筆者は高いところに立つイメージが強い。そして、仮面ライダーV3はキックからバク宙、必殺技に繋げるアクションも印象的だ。

 背景が青い空になるだけで、「仮面ライダーV3」のシーンに近いものとなり、アクションにも迫力が増す。

変身! ブイスリー!!
デストロン怪人との戦いだ
V3キック!
V3パンチ!
見たか、V3の力を!

 「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3」を触ってみて、作りこまれた造形と柔軟なアクションが楽しめる仮面ライダーV3のアクションフィギュアの決定版といえる出来栄えだと感じた。

 細かい彩色表現によって仮面ライダーV3の存在感が演出されている。パンチやキックも柔軟な可動によって重々しい一撃を放つポーズを取ることができる。

 そして、決めポーズがカッコよく決まるのはヒーローのアクションフィギュアの醍醐味と言えよう。欲を言えば、指先が伸びた手首パーツがあるとなおよかった。

 真骨頂製法による存在感と可動を遺憾なく発揮した「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーV3」。続く「S.H.Figuarts(真骨彫製法) ライダーマン」など今後の仮面ライダーのS.H.Figuartsシリーズにも期待が高まる。

【プレミアムバンダイで購入】

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