レビュー

「METAL BUILD Hi-νガンダム専用 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」レビュー

全長450mmの大迫力! 2モードに変形するオリジナルデザインの魅力

【METAL BUILD Hi-νガンダム専用 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー オプションセット】

2022年12月23日発売

価格:16,500円(税込)

全長:約450mm

材質:ABS

 「METAL BUILD Hi-νガンダム専用 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー オプションセット」は、7月に発売された「METAL BUILD Hi-νガンダム」の追加装備である。本商品はプレミアムバンダイ専売の商品であり、受注は締め切られている。

 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーは、Hi-νガンダムが登場する小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」において、地球に落下しようとする小惑星基地アクシズを遠距離から射撃するために急造された武器だ。

 METAL BUILDではそれを全長450mmという大サイズで表現、さらに「拡散砲撃形態」と「収束砲撃形態」の2モードに変形するというオリジナルギミックを盛り込んでの表現となった。筆者の撮影スペースギリギリの巨大アイテムだが、そのディテール表現は非常に細かく、METAL BUILDならではの高い満足感を得ることができた。

【METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー】
本商品は「ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」とそのオプションセット。装備する「METAL BUILD Hi-νガンダム」は別売となる
「拡散砲撃形態」と「収束砲撃形態」の2モードに変形。METAL BUILDでのオリジナルギミックだ

 今回は「METAL BUILD Hi-νガンダム専用 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー オプションセット(以下、METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー)」を写真と共にその魅力を紹介していきたい。

 なお、「METAL BUILD Hi-νガンダム」そのものも"高機動型"に変形できる機構や、大きなフィンファンネルをしっかり支える支柱パーツなどプレイバリューが高い商品であり、その魅力をレビューしているので、併せて読んで欲しい。

2モードに変形するMETAL BUILDオリジナルデザイン

 最初にハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーの設定を紹介したい。この武器は小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」に登場、小惑星基地アクシズを攻撃するため Hi-νガンダムの母艦であるラー・カイラム主砲から急造された。この武器のエネルギーソースはラー・カイラムであり、メインエンジンからエネルギー供給ケーブルを伸ばし、これを接続する形で運用する。

 アクシズは巨大な各パルスエンジンを持っており移動可能な要塞である。シャアはこのエンジンを起動し、アクシズを地球に落下させ地球環境を破壊しようと試みる。地球連邦軍の部隊ロンド・ベルに所属するブライトやアムロはこれを阻止しようと作戦を立てる。核ミサイルでの攻撃と、このハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーの狙撃、2段構えの作戦であった。

 アムロはHi-νガンダムのハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーでアクシズのメインノズルを狙うものの、敵艦が射線上で自身を犠牲にしてこれを阻まれてしまう。第2射を撃とうとするが殺到する敵MS部隊に阻まれケーブルを切断され、ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーは使用不能となってしまう。核ミサイルもシャアに撃墜されてしまったロンド・ベルは、アクシズに乗り込んでこれを破壊しようとするのだった……。

【ガンプラでのハイメガバズーカ】
「RG 1/144 Hi-νガンダム専用ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」。こちらはコミック版のデザインを立体化している

 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーは小説では設定画が存在しない。ゲームで設定され様々な作品で"Hi-νガンダムの強力な武器"として活躍、このイメージを持っている人も多い。またコミック版「ベルトーチカ・チルドレン」でも新たに設定画がデザインされた。ガンプラはこのデザインを立体化している。

 「METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」は商品オリジナルデザインである。最大の特徴は"変形機構"。砲身を装甲がカバーしている「拡散砲撃形態」は発射するメガ粒子を拡散させることが可能。射程距離は限定されるものの、MS部隊などをまとめて攻撃できる。

【拡散砲撃形態】
METAL BUILDオリジナルデザインのハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー。原作にはなかった拡散メガ粒子砲を射撃できる形態だ

 砲身に加え機関部もむき出しにした「収束砲撃形態」は、メガ粒子を収束、超遠距離を打ち抜ける精密射撃を可能とする。アクシズのエンジンを攻撃する本来の機能を実現させた形態である。

【収束砲撃形態】
こちらは超長距離狙撃用の収束砲撃形態。アクシズを攻撃するための形態だ

 「METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」のもう1つの特徴が、「着火用バッテリーパック」である。ケーブルはラー・カイラムではなくこのパックに接続されている。着火用と言うことはあくまで補助用な意味だと考えられるが、「METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」は戦艦に接続しなくても使用できるのだろうか?

【着火用バッテリーパック】
MSのサイズを考えると巨大なバッテリーパックだが、射撃用の電源と考えると心許ない。細かい設定はされてないので、1~2発分の電源として持ち運べるという解釈も面白い

 もう1つ「シールド」にも触れておきたい。「METAL BUILD Hi-νガンダム」ではオリジナルデザインである出渕裕氏がデザインした水玉模様の明細が入ったシールドが同梱されていたが、本商品ではオリジナルデザインのシールドが用意されている。コミック版やゲーム版に近いデザインで、こちらを好むユーザーも多い。本商品のもう1つの目玉となっている。

【オリジナルシールド】
オリジナルデザインのシールドは本体のデザインともよくマッチしている
こちらが「METAL BUILD Hi-νガンダム」に付属する水玉迷彩のシールド

 本商品はあえて細かい設定を語っていない。ユーザーのイマジネーションで様々に解釈し遊ぶことが可能なのだ。2モードに変形するというのもアクションフィギュアとして楽しい仕掛けだ。次章ではディテールに迫っていこう。

装甲が大胆に展開していくアクションフィギュアとしてのギミック

 まずは「拡散砲撃形態」から見ていきたい。ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーはいわばビームライフルを巨大化した存在だが、この形態はまるで宇宙戦艦のようにも見える。カバーからのぞく砲口は「宇宙戦艦ヤマト」の波動砲を思わせる。

 前方に取り付けられた大きなロールバーは車のカンガルーバーのように砲身を保護するためのものだろうか? 底部のディテールやセンサーなどは機能を想像したくなるし、注意書きなども細かく書かれていて細部を見ているとその情報量が楽しくなる。

 本来ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーはシャアの作戦に合わせて急造されたものであるが、「METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」はHi-νガンダムのポテンシャルを活かすためきちんと開発された武器ではないか? という想像も面白い。

【拡散砲撃形態のディテール】
スマートな宇宙戦艦のようなシルエット
カバー内部には砲身がのぞく
砲基部も装甲に覆われている。注意書きなども細かい
上部にはセンサーも。ビームライフルを巨大化したデザインだ
砲口を正面から
砲身の底部にもメカディテールが盛り込まれている

 この拡散砲撃形態を「METAL BUILD Hi-νガンダム」に構えさせてみよう。この形態では尾部からバーがガンダムの肩を囲むようになっており右肩に担ぐように構える。拡散砲撃形態の全長は420mm。ガンダムそのものの全長は205mmと倍以上も大きい砲を構えるその迫力は凄まじい。

 「METAL BUILD ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー」は縦置き用のジョイントも用意されていて砲を垂直に立ててディスプレイすることも可能だ。こうすると砲の巨大さが改めて実感できる。拡散砲撃形態の砲口から飛び出す拡散メガ粒子はどのようなものだろうか、どんな活躍をするのか? 想像が膨らむ。

【射撃ポーズ】
拡散砲撃形態では、尾部を担ぐように構える。ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー自体にもスラスターがあって引っ張られるように移動するのだろうか? 運用方法も想像力が刺激される
縦置きができるようにジョイントも用意されている。立たせてみるとその長大さが改めてわかる

 それでは収束砲撃形態へ変形をさせていこう。まず砲身カバーの上部を開く。そこからカバーのロックを外し、砲身をとりだしていく。砲身はマットな塗装が施されており金属感が強調されている。白い装甲カバーから黒光りする砲身が出てくるのが楽しい。カバー内部にもディテールがしっかり入っているのにも感心させられる。

 砲口カバーは折りたたみ拡散砲撃形態では下につく。面白いのは砲口があった部分が砲口カバーに塞がれセンサーになるところ。精密射撃用の大きなセンサーを砲口カバーで表現するアイディアは感心させられた。

 そして砲身はさらに伸張する。むき出しになった砲身はそれだけで魅力的なのだが、太い基部がさらに長くなり、砲身全部を覆っていたカバーが後退する。こうすることでビームが拡散から収束に変わるのだろうか?

【変形】
カバーが大胆に折れ曲がり中から黒く巨大な砲身が現れる
カバー内部にもメカディテールがぎっしり
カバーは砲の下に移動する。先端の砲口部分にはセンサーが現れる
【砲身の伸張】
長い砲身がさらに長く。膨らんでいる部分も移動している。ビームの収束に影響するユニットと考えると面白い。

 さらに砲の基部も装甲が展開、内部のコイルのような構造が明らかになる。こちらも「ヤマト」の波動砲内部を想像させるデザインだ。射撃時にはこれらが激しく回転するのだろうか? 開いた方の装甲の裏側も放熱を意識した金色の差し色が入っていたりしてイメージが膨らむ。

 収束砲撃形態ではさらに尾部が展開、砲に較べるととても小さなMS用のグリップが出てくる。このグリップと、砲の基部についたフォアグリップをガンダムに握らせることで収束砲撃形態の完成となる。

【基部の変形】
基部も装甲が外れ内部機構があらわになる。空気のない宇宙空間ではカバーを開いても冷却は高まらないとは思うが、収束砲撃形態では機関の発熱が大幅に上がるためカバーを外すという解釈かもしれない
尾部を展開。本体に較べ小さなグリップが出現する
【収束砲撃形態】
収束砲撃形態の完成。シルエットが大幅に変化、長い砲身、底部のセンサーなど超長距離射撃の説得力を感じさせるデザインだ
【射撃ポーズ】
こちらはフォアグリップとで両手で構えるため印象も変わる。巨大なスナイパーライフルのようにも見える。凄まじい威力がイメージできる

 片手で構える拡散砲撃形態と、両手で構える収束砲撃形態はガンダムのポーズも変わりプレイバリューが広がる。なにより大きなカバーが分割変形し黒く巨大な砲身が出てくるというアクションフィギュアならではのギミックがいいい。そしてその形態を様々なアングルから写真で取るのが楽しいのだ。

【色々なアングルから】
アイテムが大きいだけにフォーカスをどこにしようか考えさせられる。2つのモードで構え方が違うのが楽しい

 「METAL BUILD Hi-νガンダム専用 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー オプションセット」はプレミアムバンダイ限定商品であり、かなり人気を集めた商品のため2次販売まで行われたため、これから届くという人もいるが、今から購入することは難しい。ただ「METAL BUILD」はカラーや細部のデザインを変えたバリエーション展開も多く、「METAL BUILD Hi-νガンダム」と共に何らかの形で再販する可能性もあるだろう。

 本商品はやはりこの巨大感こそが大きな魅力だ。強力なMSであるHi-νガンダムが凄まじい火力を発揮できるこの武装にオリジナルアイディアを盛り込み、プレイバリューを拡げた「METAL BUILD Hi-νガンダム専用 ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー オプションセット」はMETAL BUILDの可能性を広げた商品と言えるだろう。