レビュー

ガスブロ「AAP01C アサシン コンパクト」レビュー

高コスパのガスブロ。Action Army純正「ドラムガスマガジン」で制圧力も確保

【ActionArmy AAP01C アサシンコンパクト/ガスブローバック -BLACK-/日本仕様】

価格:12,000円(税込)

全長:182mm

重量:670g(空マガジン含む)

装弾数:23+1発

【ActionArmy AAP01/AAP01C アサシン ファストリロードドラムガスマガジン/日本仕様】

価格:15,400円(税込)

重量:約710g

装弾数:350発

 2020年に発売されるやサバイバルゲームシーンを席巻したActionArmyのガスブローバックガン「AAP01 アサシン」。2023年1月にそのショートバージョンである「AAP01C アサシンコンパクト」が発売された。今回編集部では市販の「AAP01C アサシンコンパクト」を入手、前モデル「AAP01 アサシン」との比較や実際にサバイバルゲームで使用した様子をレポートしていく。

「AAP01C アサシンコンパクト」
「AAP01アサシン」

新興メーカーAction Armyと最強のサバゲ暗殺者「AAP01アサシン」とは?

 「アサシンコンパクト」の前に、メーカーであるACTION ARMY社と、前身の「AAP01アサシン」についておさらいする。

 Action Armyは2010年に台湾桃園市で創業された会社で、各種エアソフトガ用のカスタムパーツを製造していた。その後、VSR-10機関部のクローンを使ったオリジナルデザインのコッキングエアーライフル「AAC T10」シリーズでエアソフトガン製造に進出。そして2020年にリリースしたオリジナルデザインのガスブローバックハンドガンが「AAP01アサシン」だ。

Action Armyのホームページ

 「AAP01アサシン」は全体のフォルムと機構的には、米国スタームルガー社のMKシリーズをイメージさせる。スライドではなくインナーボルトのみが前後するシングルアクションストレートブローバック機構はスタームルガー社伝統のMKシリーズそのものと言っても良い。一方で、22口径(5.6mm)シングルカラムのスタームルガーMKに対し、38口径(9mm)のダブルカラムに相当する太いマガジン、セフティを備えたトリガー、樹脂製(ナイロンファイバー)レシーバーとグリップパネルの構成などは「グロック17」の風味を醸しだしている。

マルシン スタームルガー MK1 ノーマル ABS シルバー(ガスガン本体 6mm)
東京マルイ グロック17 Gen.4 ガスブローバック

 さらに太く短いブルバレルはSFテイストなオリジナリティを感じさせる。また、「AAP01 アサシン」はガスブローバック「グロック」シリーズと共用可能なマガジンなど、内部に既存のガスブローバックガンで培われた信頼性のあるパーツを多用している。(編集部追記:マガジン上部のパッキンの仕様上、Action Army純正のマガジンが推奨されている)

 その上で、作動するスライドを廃して上下のレシーバーとバレルが固定されてボルト部分だけが動くブローバックシステムを新規で開発。通常のブローバックハンドガンよりもシンプルな機構は作動性が高い。実射性能も高く、「AAP01 アサシン」は手頃な価格と相まって、大ヒット製品となった。さらに、「AAP01 アサシン」はスライドが動かないため、外観を大きく変更することも可能。そこで「AAP01 アサシン」用にSFチックなカスタムパーツも多数発売された。

参考例:AAP01 アサシン ガスブローバック用 MG100 GROUNDタイプ キット

 また、これまで海外メーカーのブローバックガスガンは、日本仕様を謳いながらも国内の低圧ガスでは作動が安定しない弱点があった。しかし「AAP01アサシン」はそのシンプルさで快調に作動し、日本国内向け仕様でも海外同様大人気を呼ぶ製品となった。そうして世界のエアソフトガン市場を席巻してから2年、待望のバリエーションが「AAP01C アサシンコンパクト」ということになる。

 次項では「AAP01C アサシンコンパクト」を仔細に見ていく。

ほとんど新型!?「AAP01C アサシンコンパクト」の進化と深化

 今回入手した「AAP01C アサシンコンパクト」は、Action Armyの日本代理店であるミリタリーショップ・プラウダが国内向けに流通させている日本仕様。並行輸入品など海外版は日本のガスが充填できなかったり、パワーの面でも危険なので必ず「日本仕様」の証紙が添付された製品を購入したい。

 では「アサシンコンパクト」を実際に見ていくこう。「アサシンコンパクト」は、「アサシン」同様のシンプルな共通段ボールに入っている。内容物は日本語と英語が併記された詳細な説明書、弾速証明シート、本体、マガジン。他にガスとBB弾を購入すれば、すぐに撃てる。「AAP01C アサシンコンパクト」をパッと見た外観は「アサシン」の銃口を短く切り詰めた形だ。

 「アサシン」の銃身は、フルート加工(主にライフル銃身の軽量化と放熱効果を高める為に付ける溝)の様なモールドが特徴的な、太くて丸いブルバレルだった。「AAP01C アサシン コンパクト」は、一転して多角形の断面で、サイドに2本のスリットが入っている。また、下面には短い20mmのアンダーマウントレイルを一体成型。さらにアウターバレルからレシーバーにかけて20mmアッパーレイルが成型され、微妙に断面の形状も微妙に変えた完全新規の物になっている。

「AAP01 アサシン」(左)と「AAP01C アサシンコンパクト」(右)

 レシーバー後部の金属製リアサイトも「AAP01C アサシンコンパクト」用に形状が変更。フロントは赤、サイトは緑の半透明光ファイバーが埋め込まれたアナログの集光サイトになっている点は「AAP01 アサシン」を踏襲している。シンプルなアナログサイトでありながらダットサイトの様な狙いやすさを実現していて、オープンサイト派にはありがたい仕様だ。

「AAP01C アサシンコンパクト」上面

 加えて、アッパーレシーバーに内蔵の、トリガーを引くとブローバックする金属製ボルトも新規で製作。セミオート/フルオートのセレクターレバーは「AAP01 アサシン」ではボルトを引かないと露出せず、使い難かった。だが「AAP01C アサシンコンパクト」はボルト後端に移設されて露出しており、表示も「1ーA」から「SーF」に変更。操作性が格段にアップしている。

「AAP01 アサシン」(左)と「AAP01C アサシンコンパクト」(右)
「AAP01 アサシン」のセレクター
「AAP01C アサシンコンパクト」のセレクター

 ロアレシーバーのフォルムは共通の物だが、左右のグリップパネルは「AAP01C アサシンコンパクト」の場合フラットなシボ加工に変更され「SHiNoBi」の文字が入っている。後部のチェッカリングも変更され、全体的により細身になった。グリップパネルとチェッカリング部だけ金型を差し替えていると思われるが、グリップ部の肉厚が薄く、9mmダブルカラムタイプのマガジンながら握り易さは「アサシン」と共通。掌の小さなユーザーにはさらに手に馴染む様になった。全体的には新造のアッパーレシーバーと相まって、全くの新製品と言えるぐらいにイメージが変わっている。 既に「アサシン」を愛用していても、また欲しくなる銃と言えるだろう。

「AAP01 アサシン」(左)と「AAP01C アサシンコンパクト」(右)のグリップ部

より実戦向きになった実射性能! 「AAP01C アサシンコンパクト」でサバイバルゲームに参戦

 外観に続いて、実際の射撃性能と、サバイバルゲームでの実戦の使用感を紹介したい。今回も以前からお世話になっている千葉県印西市の「東京サバゲパーク」の定例会に参加、シューティングレンジでの試射とフィールドでのサバイバルゲームを行なった。

東京サバゲパークにて(写真は筆者ではなく編集部員)

 まず、「AAP01C アサシンコンパクト」のマガジンにガスを注入し、BB弾を装填する。ガスは日本国内で市販されている物であれば問題無く使用出来る。1割ほど圧力が低いと言われる東京マルイの「ノンフロンガス」でも問題無く作動した。マガジンはグロックシリーズのクローンで、ガスルートパッキンを交換するとグロックのものが流用出来る。注入バルブはWA社などと共通なので外装式にする場合は注意が必要だ。

ActionArmy ガスルートパッキン AAP-01
カプラプラグ Type3 セット Ver.2 (6mmホース用)
カプラプラグ Type3 セット Ver.2 (6mmホース用)を取り付けた状態のマガジン

 付属のマガジンは「アサシン」と共通で、フォロワーを下げきった所からBB弾を注いでいく。綺麗にダブルカラムで並ぶと、23発装弾できる。マガジンを装填し、アッパーレシーバー後端のボルトを摘まむようにして引き、戻せばコッキング出来る。この状態だとコッキングされたか否かが解らないが、マガジンを抜いて中を覗くとインナーハンマーの状態を確認出来る。マガジンを抜く為のマガジンキャッチと、トリガーの上のセイフティを利き手に応じて変更出来るのも「アサシン」と同じ仕様だ。

ローダーで給弾
コッキングすると銀色のインナーハンマーは引っ込む

 ハンドガンなのでBB弾は0.2gを使ったが、1月の屋外でも充分な初速が得られていた。バレルが短くなったとは言え、サバイバルゲームのハンドガンとして充分なパワーは健在だ。

真冬の朝に初速80.18。サバイバルゲーム用の充分なパワーが出ている

 ホップアップも「アサシン」と共通で、エジェクションポートからバレル横のダイヤルで調整する。フルオート射撃でも緩みにくいのも「アサシン」と同じだが、アッパーレイルが若干せり出しているので、指の太い人は調整し難い。細いマイナスドライバー等があれば便利だ。

ホップダイヤルはエジェクションポートの奥

 海外製品としてはトップクラスの集弾性も「アサシン」譲りで、カスタムパーツで培った技術を感じる。また、ボルトも陽が昇りきらない冬の朝方から、セミオートは勿論、フルオートも点射であれば問題無く作動した。実戦のサバイバルゲームでは、通常のフルオート戦もセミオート限定戦もメインウェポンで使ってみた。セミオート/フルオートのセレクターが切り替えやすく、よりサバイバルゲームでの実戦向けになっている。また、レイルが標準装備となったことでカメラを付けたり、バーチカルグリップを付けたりといった拡張性が増したのも、実戦向きと感じる。ショートバレルの「アサシンコンパクト」は「アサシン」とは違い標準ではサプレッサーが付けられなくはなったが、それを補って余りある機動性を発揮できる。

実戦向きのエアソフトガンだ
レイルの標準装備で拡張性が高い
サプレッサーを付けない秘匿性が持ち味

Action Army純正「ファストリロードドラムガスマガジン」装着で制圧力も確保!

 「AAP01C アサシンコンパクト」と同時に購入した同じく新発売の「ファストリロードドラムガスマガジン」も試してみた。ガスを注入し、BB弾は電動ガンの連射マガジンの様にジャラジャラ注いでやり、下の紐を牽いて戻してやるだけでハンドガンの域を超えた連射が可能になる。ハンドガンナーとして隠密行動を取ったり、浸透攻撃する場合に頼りになる制圧力を持っていた。

ActionArmy AAP01/AAP01C アサシン ファストリロードドラムガスマガジン/日本仕様
BB弾はジャラジャラ給弾
かさばるが携行可能
サブマシンガンのドラムマガジンパウチに入る

 この「AAP01/AAP01C アサシン ファストリロードドラムガスマガジン」にガスとBB弾を入れておけば、すぐにゲームに参加出来る安心感があるのも大きい。

メインウェポンもサイドアームもこなせる「AAP01C アサシンコンパクト」はあれば便利な一挺

 実銃の世界で革新的なMKシリーズを送りだしたスタームルガー社は、SAAを現代風にアレンジしたブラックホークや、M14を小口径化したMINIー14といった、他社製品のクローンモデルを廉価に量産し、北米市場を席巻した。

 既存のデザインや規格を利用しながら、クローンに留まらずオリジナルに昇華させたAction Armyはエアソフトガンにおけるスタームルガー社といった印象だ。そして市場を席巻した「AAP01 アサシン」はデザイン以外の点でも、エアソフトガン界のMKシリーズと言える。その新製品「AAP01C アサシンコンパクト」は「AAP01 アサシン」の性能を受け継ぎながら、携行性、拡張性、操作性を増している。

 具体的にはコンパクトなのでホルスターから抜き易い。拡張性を活かした機動的な闘いも可能だ。セレクターの使い勝手の向上で、より戦闘力も高まっている。メインウェポンとしてハンドガンナーになるのも良いし、電動ガンを使う場合のサイドアームにもなる。電動ハンドガンに比べてパワーで勝るガスガンをサイドアームに使うゲーマーは多いが、「AAP01C アサシンコンパクト」のコストパフォーマンスはエアソフトガンの中でもトップクラスの高さを誇る。

 デザイン的な面では好みの問題となるが、サバイバルゲーマーであれば持っていたい一挺であろう。海外メーカーは再生産のサイクルが不明なので、早めに確保しておきたい。

レイルにカメラを付けて撮影も可能
とにかくコンパクト
【AAP01Cとファストリロードドラムガスマガジンをサバゲーで使ってみた!】