レビュー

カメラ搭載で突っ走る! トイラジコン「HDカメラ付きオフロード 4WD」レビュー

HDカメラで静止画&動画撮影、スマホ連動でコントロール!

【オフロード 4WD HDカメラ付き】

2022年10月26日発売

価格:5,980円

全長:260mm

材質:ABS

スケール:1/16

※コントローラ用単4電池2本別売

 今回取り上げるのは中国のPEHOSTが販売する完成トイラジコン「オフロード 4WD HDカメラ付き」。この「オフロード 4WD HDカメラ付き」の特徴は、四輪駆動によるダイナミックな走りと、屋根に搭載したHDカメラによる撮影だ。車高の高いオフロード四輪駆動ならではの走行と、HD車載カメラでの映像を見ながらの操縦、撮影はどういったものなのか紹介していきたい。

「オフロード 4WD HDカメラ付き」

 ラジコンはコントローラを操作して思うがまま動かす楽しさがある。「オフロード 4WD HDカメラ付き」は四輪駆動によるオフロードの走破性の楽しさに加え、車載カメラをスマートフォンと連動させて画面を見ながら操縦し、ラジコンに乗って走り回るかの様な疑似体験の面白さも味わえる。また、その画面に映った画像や映像を保存することも可能だ。動画で走りを撮り、車載カメラの映像も用意しているので是非見てほしい。

トイラジコンならではのシンプルな操作性とパワフルな走り

 「オフロード 4WD HDカメラ付き」はパッケージに車両本体、走行用バッテリー1つ、充電用USBケーブル、コントローラ、スマートフォン固定用ブラケット、プラスドライバー、日本語の取扱説明書が入っている。付属のリチウムイオンバッテリーは3.7V1200mAで、およそ4時間で満充電できる。走行にはコントローラ用の単4電池2本も必要だ。

内容物
充電中はLEDが赤く点灯して解りやすい

 まず特徴的なのは、「オフロード 4WD HDカメラ付き」は2つの出力が異なるモードがあるということ。付属のコントローラだけを使って走らせる「40%モード」と、スマートフォンと連動させて機能を全解放させる「100%モード」が選べる。

 スマートフォンに連動させなくても、コントローラ単体でパワー40%のエコモードで走らせられる。さらにスマートフォンと連動させると、HDカメラの映像を画面で確認でき、パワー100%モードで走行出来るようになる。

連動したスマートフォンをブラケットで取り付けると100%で遊べる
スマートフォンでHDカメラの画像を確認できる

 「オフロード 4WD HDカメラ付き」は40%モードで時速4km/h程度。遅く感じるが、迫力が無い走りということはなく、エコモードと言い換えても良いぐらいに、未舗装路も苦にせず走り回れる。バッテリーも長持ちし、室内で遊ぶのには最適なモードとなっている。

 そしてスマートフォンと連動した出力100%のモードは時速7km/h程のポテンシャルを存分に発揮させられるハイパワーモードで、凸凹のダートや坂道を苦にせず登る迫力のオフロード走行を楽しめる。室内で遊ぶには速過ぎるぐらいのスピードが味わえるが、バッテリーの消耗も早くなる。100%のモードは屋外で凸凹の多い悪路でも速く走れる。

【PEHOST「オフロード 4WD HDカメラ付き」、長く走れる40%モードと、爽快感重視の100%モード、2つのモードを搭載】

 2つのモードでは走行感覚が異なる。まず40%モードは、時速4km程で、子供が追いかけるのに丁度良いスピードだ。遊んで15分ぐらいで少しスピードが遅くなるが、バッテリーが大容量なので1時間以上たっぷり走れる。

 そして未舗装の比較的なだらかな芝生の上をグングン走り回る爽快感がある。凸凹した段差などで一度止まっても、勢いを付けると四輪駆動の走破性を活かして乗り越えられるのも楽しい。小回りは利かなくとも、駆動力で乗り越えるのが子供には解りやすい面白さを持っている。

 一方、100%モードは時速7km程で、大人でも追いかけ続けるのが大変なスピードで走る。こちらは5分ぐらいで若干スピードが落ちるが、40分ぐらいは走り続けられる。かなり急な斜面や木の根が出っ張った凸凹道も、高い駆動力でジャンプする様にして勢いよく乗り越えて走れる走破性がある。前方の邪魔者を除けるのではなく、突破する爽快感が味わえ、非常に楽しい。

 登坂力はスピードがなくてもしっかりある感じで、30度くらいの坂も上れそうだ。特に100%モードならばぐんぐんと坂を上れるポテンシャルがある。

両モードそれぞれの楽しさがある

 オフロード 4WD HDカメラ付き」のコントローラは、ゲーム機の様に片手で操作できるデザインになっている。コントローラ以外でも、スマートフォンとの連動によって、ジャイロ機能を使ってスマホを傾けて走らせたり、画面にステアリングと前後進のボタンを表示させて操作することもできる。慣れないうちは、スマートフォンと連動させた上でコントローラで操作すると操縦しやすいだろう。

付属のコントローラ
スマートフォンでの操作画面

 「オフロード 4WD HDカメラ付き」は箱から出してすぐ走らせられる低価格の“トイラジコン”だ。一方、タミヤや京商が販売しているような“ホビーラジコン”は組み立て済みのものでも高価で、使用している部品に明確な違いがある。モーターのパワーが段違いで構造も複雑だ。様々なカスタマイズパーツがあるところも大きな違いだ。トイラジコンはスペック的な意味ではホビーラジコンに及ばないが、手軽に遊べるという大きな利点がある。

 本格的なホビーラジコンと較べて、「オフロード 4WD HDカメラ付き」の操作感はちょっと癖のあるものとなっている。スマホ操作では前後進と左右のステアリングの動きは、オンオフのみのデジタル入力だ。

 また、コントローラの場合も、スティックの傾け具合で強弱2段階のスピードとなっている。ニュートラルからトップスピードまでの範囲が狭く、ピーキーなアクセルになっている。特に路面の抵抗が大きい未舗装路の場合は、フルスロットルでないと走りださない。

 左右のステアリングも徐々に切れるのではなく、2段階でクイックに曲がる感覚だ。こう書くと極端な挙動のように感じるがステックを倒すとその方向に進んで行く。スピードも最高7km/h程度と抑えめで、細かな操縦が不要なトイラジコンらしい直感的な操作感なので、初めて操縦しても特に問題なく走り回れる。

 ホビーラジコンと比較すると、トップスピードでは遠く及ばず、ステアリングの角度も限られているので決められたコースをクイックに曲がって駆け抜ける様な感覚はない。しかし、初心者でも操縦し易いコントローラブルなスピードで、凸凹や障害物は切り返すのではなく、乗り越えて進む走破性がある。凸凹や坂道を乗り越える爽快感と操作しやすいスピードは、楽しい玩具に仕上がっていると感じた。

対象年齢も6歳から。簡単な操作性で子供も初心者も楽しめる

 続いて足回りの特徴を見ていこう。「オフロード 4WD HDカメラ付き」は前後のギヤボックスに2つのモーターを積んでいて、さらに通常のラジコンカーでは左右のタイヤの間にあるデファレンシャルギアをオミットしたフルタイム4輪駆動だ。

モーターが入ったギヤボックス

 本商品のモーターはホビーラジコンの大容量には及ばないものの、トイラジコンとしては大型の部類のモーターを前後に積んでいるので、40%モードでも充分な走破性があり、100%モードとなればオフロードトイラジコンとしてはかなりのスピードで走れる。

 またこのラジコンは「デファレンシャルギヤ」を搭載していない。ディファレンシャルギヤは車体が曲がる時に、内側になるタイヤと外側になるタイヤの回転数の差を調整するための機構だが、「オフロード 4WD HDカメラ付き」はこれがなく、カーブでは大回りになり、スピードが落ちる。最低回転半径も車体サイズに比べると大きい。

 しかしデファレンシャルギヤをオミットしたことでタイヤの空転がなくなり、完全なフルタイム四輪駆動を実現している。凸凹した路面でタイヤが浮き上がった時に残りの3輪による走破性を確保しているのだ。

凸凹道でも駆動力を発揮する

 また、デファレンシャルギヤをオミットしてあるのに加えて、タイヤはブロックパターンで幅広のオフロード向きになっていて、ステアリング系もクリアランスが大きく、遊びが大きい。車体を宙に浮かせて走らせると、タイヤが大きく左右に振れているのが解る。やはり決まったコースを走るのではなく、広い原野を自由に突っ走るのに特化した走行性能を備えている。

オフロードらしいブロックパターンのタイヤ

 多少の障害物は曲がるのではなく突破する、豪快な走行の爽快感が楽しめる。コントロールしやすいスピードのトイラジコンならではの手軽さを、リーズナブルに楽しめるコストパフォーマンスの高い製品だと感じた。

無骨なオフロードボディにHDカメラ&スマホのSFチックな組み合わせがカッコイイ!

 続いて、スマートフォンと連動しての操作系を見ていこう。スマートフォンとの連動と言っても、難しいことはない。説明書に載っているQRコードを読み込むと、iPhoneはappストア、AndroidはDLサイトに繋がって、「LH Car」というアプリをダウンロードできる。

【PEHOST「オフロード 4WD HDカメラ付き」、カメラで広がる走りの楽しさ】
iPhone版のアプリDL画面

 アプリに接続方法も載っているが、車体の電源を入れて、スマートフォンのWi-Fiを「LH-carー」に繋いでやると連動する。

 スマートフォンと連動させると、「LH Car」上の画面にHDカメラで捉えた画像が表示される。ボディの屋根に据え付けられた球体がHDカメラだ。SFの偵察メカ風なデザインに、ピンホール式のレンズが収められている。

球体にアンテナがセットされている

 HDカメラの画質は720Pで、スマートフォンで見るには充分な画質だ。画角はコントロール画面で上下出来る。左右には振れないので、対象には車体ごと向けてやろう。なおマイクは付いていないので音声は拾えないのは残念だ。

録音はできない

 撮影時、HDカメラの画角調整や動画保存はタッチパネルで行える。HDカメラの映像を見ながら操縦することもできるので、他のラジコンを追跡する様な遊び方も面白い。「オフロード 4WD HDカメラ付き」はステアリングの角度が狭いのでどれぐらい撮影できるかを競うのも楽しい。静止画と動画を保存する場合、iPhoneとAndroidでは場所が異なるので注意しよう。iPhoneは写真フォルダに直接取り込まれるが、Androidはいったんアプリ内の保存フォルダに記録される。

 「オフロード 4WD HDカメラ付き」はコントロールしやすいスピードだが、HDカメラはピンホールで画角が狭いので、スマートフォンの画面だけを見ながら走り続けるのは室内など安全が確保できる場所にに留めよう。防水機能もないので、水たまりなどに入ると故障の原因になる。

画角はあまり広くない

 屋外など周囲に人がいる環境では、実際に車体や周囲を見ながら操縦し、スマートフォンの画面を注視しないのが安全だ。Wi-Fiで直接連動するので、カメラと画面はほぼリアルタイムで繋がる。100%モードでも操作に違和感を感じることはない。

 直接見えないトンネルを潜ったりするような楽しい遊び方も考えられそうだ。ラジコンカーならではの動画も撮れるので、SNS等のショートムービーに利用する実用性も兼ね備えている。

【PEHOST「オフロード 4WD HDカメラ付き」、トンネルをカメラ視点でくぐる! スマホ操作も可能!】
安全に気を配れば、見えない所を走るのも楽しい

 このほか、スマートフォン用のVRゴーグルを使って、VRモードと重力センサーモードを組み合わせるとより臨場感のある操縦が楽しめる。重力センサーモードにすると、スマートフォンを水平にしていないと不意に走り出すので注意しよう。

VRモードの画面。保存は1画面のみになる

「オフロード 4WD HDカメラ付き」で大バズり!?

 「オフロード 4WD HDカメラ付き」はボディに金属パーツを多用して剛性もあり、手頃な価格ながらオフロード走行を楽しめる製品だ。

 全体のフォルムもカッコ良くまとまっていて、飾っても楽しめるが、やはり色々な場所で細かい事を気にせず豪快に走り回りたいマシンだと感じた。

 今回は、以前に走行の許可を得ている公園、自宅の部屋やベランダで「オフロード 4WD HDカメラ付き」を走らせてみた。そこでまず、2つの走行モードで場所を選ばず走り回れる走破性、高い走行性能に感心した。そしてもう1つは、HDカメラ越しの操作と、撮影の面白さも堪能した。

色々な楽しみ方が考えられる玩具だ
ボディは金属パーツが多用されている
ボディの下面に収納するバッテリー。消耗時間は100%の場合、車輪を浮かせた無抵抗の状態で70分ほど、実走行ならば40分ほど走行可能だ。
走れて撮れるオフロードマシン

 是非とも「オフロード 4WD HDカメラ付き」で映える動画を撮ったり、自由に走り回ったりしてほしい。

 弊誌では手軽に購入でき様々な遊びが楽しめる「トイラジコン」の世界を今後も深掘りしていく。楽しみにして欲しい。