レビュー

壁を駆け上がる! トイラジコン「DEERC R-751S」レビュー

垂直の壁に張り付き進む、プログラム機能搭載! 楽しいトイラジコン

【DEERC R-751S】

2022年12月13日発売

価格:3,295円

全長:128mm

走行時間:約10分(壁モード)/30分(床モード)

 今回取り上げるのは中国「DEERC(ディーイーイーアールシー)」の完成トイラジコン「R-751S」。この「R-751S」の大きな特徴は「壁を走る」というもの。もちろん地上も走り回る。どのようなギミックで壁にくっつき走るのか? 走行ギミックや遊びの感触などを紹介し、外見など細かい魅力も紹介していきたい。

近未来的なデザインも魅力

 「トイラジコン」は様々なラジコン玩具の中で、完成品の手軽なラジコンを指す。様々な商品が販売されている人気の高いジャンルで、本格的なものから、「チョロQ」サイズの小さなもの、恐竜やロボット型など大きさや遊び方も様々である。

 ラジコンはコントローラーを操作することで思うまま動かせるのが楽しいが、「R-751S」はそれに加え壁を駆け上るのだ。まるで大きな虫のように壁を登るその姿はとても衝撃的だ。動画も用意してるのでぜひ見て欲しい。

壁を駆け上がるのが脅威の能力! 動画でもきちんと紹介する

2つの車輪とエアーカバーが産み出す独特の面白さ!

 「R-751S」は近未来のスポーツカー風の外見だが、ついている車輪は2つ。車体を裏返すと底面には左右2つの車輪がついている。4輪で前輪を傾けて曲がるという通常の車の方式ではなく、車輪は左右同じ向きに動くか、逆に動くかになるので、普通の自動車のように走りながら曲がることはできず、「前進/後退」か「左右旋回」のどちらかしかできない。

【裏面】
裏から見ることで車輪が確認できる。赤丸で囲ったところが車輪。左右の車輪の取り付け位置は対角線上になっている。このため直進より旋回の方がしやすい配置だ。壁を駆け上る能力を重視したレイアウトなのだろう

 「R-751S」はそれほどスピードは出ず、通常のラジコンカーのようにスムーズに走る能力はないが、その代わり壁を登ることができるというユニークな能力を持っている。壁に張り付いて前後に進み、左右に旋回することができるのだ。

 「R-751S」はパッケージに車両本体、コントローラー、充電用USBケーブル、コントローラー用プラスドライバー、日本語の取扱説明書が入っている。コントローラー用の単4電池2本を入れ、USB充電アダプターに繋いで充電すれば、すぐに走らせられる。

日本語の説明書が入っているので安心

 壁に張り付くメカニズムが車体下面の空気取り入れ口と薄いスカート状のエアーカバー。このメカで車体を壁に押しつけ、車輪で走ることができる。一方で地上を走る場合はこのメカが地面にこすれてしまうのであまりスピードが出ないし、凹凸があるとひっかかって走れない。「R-751S」は平坦な床の上での走行と、そして壁を登らせて遊ぶトイラジコンと言える。まず動画で床面を走る「R-751S」を見て欲しい。

【DEERC「R-751S」、前進/後退と左右旋回を駆使した走行「床モード」】

 操縦に関しては、前後はスティックを倒す角度と移動距離が感覚的に掴みやすい。逆に左右はかなりピーキーな操作感なので、曲がる角度を決めるのが難しい。前後左右でスティックの倒す感覚が違い、操縦が独特だ。しかし慣れるとある程度自由に走れる様になる。筆者は比較的狭い場所でUターンしたり、ミニチュアのコーンを8の字を描いたりと、トリッキーに走らせることで楽しめた。

「R-751S」ならではの定置旋回

 そして「R-751S」最大の特徴が、壁や天井に張り付けることだ。壁や天井も、床同様平らな面でなければ張り付けないので、場所は選ぶ。やはり室内向けに特化した製品というイメージだ。真っ直ぐ登って降りてという前後移動は簡単。

 自動車が垂直な壁を登るというプリミティブな面白さがあり、何度も繰り返し夢中に走らせた。板を使って角度を変えて、垂直より鈍角にして何度まで耐えられるかチャレンジするのも楽しい。また、車輪が2つなので、張り付いて左右に移動するのは滑らかにはいかない。エアーカバーの角度を直したり、壁を掃除したり工夫して上手くいくと達成感がある。

【垂直の壁を進む! DEERC「R-751S」の「壁モード」】
走行時にライトが点灯するのも楽しい
壁をぐんぐん登っていく
家の壁をぐんぐん登る。ちょっと大きな虫みたいな雰囲気もあるが、シンプルな驚きがあり、楽しい

 このように「R-751S」は室内向けで、床では定置旋回し、壁を登り、天井に張り付くという普通の自動車では味わえない独特のギミックを楽しむ製品となっているのだ。「R-751S」の独特の走行の楽しさを紹介したところで、車体の詳細を見ながら特徴を語っていきたい。

近未来的フルカバーボディと直感的に操作できるコントローラー

 ここからは「R-751S」の外観デザインやメカなどを紹介していきたい。「R-751S」は車輪が2つのため思い切ったデザインとなっている。ボディに普通の自動車ならば必要な車輪用の半円の切り欠きも不要で、空気抵抗を重視したソーラーカーの様な近未来のレーシングカーを思わせるデザインだ。また、素材はしなやかさをもつ樹脂製で、落下した時に衝撃を吸収してくれる。筆者も何度か壁や天井から落下させてしまったが、破損した部分はなかった。簡単には壊れない安心感のあるボディだ。

「R-751S」ならではのカッコ良さがある
バリエーションで赤いボディもある

 また、前方のヘッドライト、後方上部にはテールランプ、後方中央には充電ポートと電源スイッチを配している。ボディに溶け込んだ電装系が、より未来感を増している。

テールランプはバックすると光るリアルさ
スイッチと充電ポートを巧みにまとめてある

 ボディが先進的なフォルムであるのに対し、操縦するためのコントローラーはゲーム機でお馴染みのデザインを採用している。両側に前後と左右のスティックを配し、中央に電源ボタンなどをまとめて視覚的に解りやすくなっている。色味も、メタリックな車両本体に対して白黒のモノトーンになっているのもお洒落だ。トイラジコンとして、良い意味でのチープな味があるデザインと言えるだろう。

飾っても楽しめるデザイン性がある

 続いて、「R-751S」独自の走行メカを見ていこう。「R-751S」の独特のメカは、車体下面に集中している。車体底面はハニカムのモールドが付いたフラットな形状だ。中央部には内蔵のファンが空気を吸い込むくぼみがついている。その底面の周囲を、薄いエアーカバーが囲み、吸い込んだ空気で床や壁に密着させるようになっている。その車体の左右には細い車輪が軸をずらして付けられていて、普通の自動車にはない独特の走りを実現している。

エアーカバーは45°になるように指で整えよう

 「R-751S」はスイッチが2段階になっていて、「床モード」「壁登りモード」がある。床モードはファンが動かず、バッテリーも1時間保つ。しかし細いタイヤはグリップ力が低く、床に面したメカがひっかかってしまうので、真っ直ぐに走ることは難しく、タイヤが空回りしてしまうことも多い。ほとんど定置旋回専用モードと言って良いだろう。

 一方で壁登りモードにするとファンが回って大きな音を発する。走行可能時間も10分ほどに短くなってしまうが、走行性能は床面以上にスムーズになるのが面白い。グリップが高まり、直進走行がしやすい。また、定置旋回のスピードもあがり、描く円も綺麗になる。そして何と言っても最大のギミックである、壁登りや天井への張り付けが可能になるのだ。「R-751S」は壁上りを楽しむラジコン、と言う印象を持った。

モードは後部のスイッチで切り替える
床を真っ直ぐ走る場合も、壁登りモードにする
ガラス面の様な平らな面だとより張り付きやすい

 もう1つ、「R-751S」はコントローラーに操作を記録させて自動操縦するプログラミングや、信号を3段階に切り替えて同時に3台で遊べる機能も備わっている。インパクト大の定置旋回、張り付きをより楽しくする気遣いだと感じた。

【DEERC「R-751S」、入力したとおりに進む「プログラミング走行」】
3台まで同時に遊べる
プログラミングも視覚的に解りやすく行える

 今回改めて、DEERCのトイラジコンギミックの面白さを実感した。壁や天井に張り付く、定置旋回可能という特徴は勿論だが、デザインや操作性も非常に洗練されている。一昔前の中国製品のトイラジコンに抱いていた、「安いけどチープで遊べない」といったイメージを良い意味で裏切られる、非常に完成度の高い製品になっていることを実感した。

 DEERCでは本格的なバギーや、ジャイロで安定した走行が楽しめるRCバイク、さらには空中を浮かぶ「フライングボール」などリーズナブルな価格で、ユニークなRC商品も多い。是非「R-751S」を初めとするDEERC製品を選んで、楽しんでもらいたい。

【DEERCのユニーク商品】
手をかざして操作する「フライングボール」
オフロード 4WDカー「MN-91」