レビュー

ガンプラ「HG 1/144 フルアーマーガンダム」レビュー

増加ウェポンシステムは設定通り着脱が可能。カラーバリエーションが欲しくなる完成度を誇る

 装甲や武装の増加ウェポンシステムは、素体のガンダムが完成してから組み立てる。各種パーツはそのままでも装着できるが、写真のように分解して行うと確実だ。バックパック、胸、腰、腕、脚などを組み立て、最後に2連装ビーム・ガンを組み立てて、フルアーマーガンダムが完成。本体を含め特別難しいところはなく、作りやすい良いキットであった。

完成したガンダムをこのぐらいまで分解すると組み立てが楽に。腰の黄色いブロックは前面のみ外しておく
胸部装甲。開閉するミサイル・ベイは内部も作り込まれている
バックパック。ガンダムのランドセルのサーベルラックを外してから装着する
腰部装甲。腰前方のブロックを装甲に取り付けて、それを組み付けていく
腕部装甲。前腕と肩に装甲を取り付ける
脚部装甲。膝のミサイル・ベイ内部にもミサイルのパーツがある
組み立てた装甲を左右の脚部に装着していく
装甲を取り付けたパーツを組んだフルアーマーガンダム。まだデカールは貼っていない
2連装ビーム・ガン。持ち手は左右両方のものを用意

 機体の差し色である肩の赤や白のラインやMSVならではのマーキングは全て付属の水転写デカールで表現されているので、素組みの完成状態ではもの足らない印象を受けたため、今回は全て貼ってみることにした。デカールは番号で67番まであり、実数は190枚近くあり、1/144スケールでかなり小さいこともあって、老眼の筆者は貼るのにかなり苦労し、一晩以上もかかってしまった……。小さなデカールは接着面も小さく、はがれてしまうこともあったので、GSIクレオスの「マークセッター」を使って固着させている。さらに触って動かしたいなら、トップコートを吹くのが確実だろう。

水転写デカールを貼っている最中。小さいマーキングは特に大変だった
デカールを貼って完成したフルアーマーガンダム。見た目もグッと引き締まった。

 マーキングがあると印象がガラッと変わり、MSVらしい情報量の多い機体となり、全体的に引き締まる。もしこれから組み立てるという人がいるなら、できればデカールは貼ることを推したい。ちなみに左腕の小型シールドのマーキングは、MSD版とMSV版のどちらかを選べるというのも粋な計らいだ。

要所の赤と白のラインが精悍さを引き立てている
顔もしっかり色分けされている。頭頂部のメインカメラはシールだ
合わせ目が目立つところはほとんどない。デカールは細かいものが多いのでしっかり貼おこう
ミサイル・ベイの開閉ギミック
2連装ビーム・ガンとシールドは左右逆にも取り付けられる
バックパックのキャノン砲はもちろん可動式。動かすときはアンテナに注意
ブーツの装甲は分割されているので、つま先の可動ギミックが生きている

 MSV時代の大河原邦男氏のデザイン画や旧キットのプロポーションを知っていると、若干スマートに感じられるかもしれないが、素体となるガンダムに装甲を取り付ける設計なので、そのプロポーションには説得力がある。可動もガンダムのそれに準じていて、装甲があるので干渉するところもあるが、機体の設定的な可動範囲は十分に確保されている。動かしていると腰のサイドのアーマーが取れてしまうこともあったが、両面テープなどで軽く固定しておけば煩わしさもなくなるだろう。

広い可動域でアクションポーズもキマる
別売りの「アクションベース」に対応。股間部に接続口がある
武装を取り外すときはパーツセパレーターがあると便利だ
全ての武装を取り外したガンダム。なお画像のガンダム本体は、装甲着脱時のはがれを避けるため、最低限のデカールだけを貼っている
ガンダムも元がオリジン版なので可動も優秀。足首装甲のディテールがプロトタイプガンダムと同じなのはこのキットの特徴だ

 アーミーグリーンのカラーはこの機体のスタンダードだが、パーフェクトガンダムIIやMSVの原画のカラーなど、塗装も楽しくなりそうだ。にも関わらず、一般販売商品でないというのが残念なところだが、人気商品は限定アイテムでも定期的に再販がかかっていて、このキットも同様のラインナップとなることは間違いなさそうだ。なお、3月14日の12時より6月発送となる3次予約分の受注がスタートするのでお見逃しなく。